バイクの後ろから迫る、黒いスポーツカー。バイクのドライブレコーダーがとらえたのは、ひき逃げの瞬間だった。
被害に遭った配達員「運転手にお前は何を考えているんだと言いたい。考えられない、人としてどうかと思う」
9月17日の夕方、東京・台東区の道路を、フードデリバリーの配達員がバイクで走っていた。
バイクが赤信号のため、交差点で停車しようとした時、黒いスポーツカーが後ろからスピードを上げて、次々と前の車を追い越してきた。
見る見るうちにバイクに近づいてくるスポーツカー。
車線変更をして、再び危険な追い越しを始めた次の瞬間、スポーツカーがバイクに突っ込んだ。
衝撃で飛ばされた配達員の男性。
にもかかわらず、黒いスポーツカーはそのまま、現場から逃走。ひき逃げの瞬間。
突然追突された男性は、一瞬、何が起きたかわからなかったと話す。
被害に遭った配達員「跳ね飛ばされて、地面にバイクと一緒に転がった。何が起きたかわからなくて、衝撃がすごかった。救急隊が足を見て、この腫れ方は間違いなく折れていると、そのまま救急搬送された」
男性は手と足を骨折する重傷を負い、入院生活を余儀なくされている。
ひき逃げ事故が起きたのは、多くの車が行き交う道路だった。
被害男性によると、黒いスポーツカーは、4車線の道路で危険な追い越しを繰り返した末に、交差点でバイクに激突。そのまま赤信号を無視して、両国方面へと逃走していったという。
重傷を負った配達員の男性は、事故のトラウマに不安を抱いている。
被害に遭った配達員「(今後)フードデリバリーに復帰したら、信号待ちをしている時に思い出しそう…突然はねられたという感覚が襲ってくるのではと、恐怖がある」
配達に使っていたバイクは、事故で全損となり廃車。そのうえ、男性が仕事に復帰するまでには、3カ月ほどかかる見通しだという。
被害に遭った配達員「数カ月(仕事が)できない。松葉づえなので、自分が仕事をして収入を得ることもできなくなってしまった。大損害ですね。タイムマシンがあったら、あの時受けた注文をとらなければ…」