パパ活嬢、進学塾…“安い日本”をチャイナマネーが席巻。「中国人が移動する動機はズバリ商売」

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コロナ禍以前、中国人観光客の爆買いが世間を大いに賑わせていた。だが、パンデミックで訪日できないにもかかわらず、今、水面下で再び爆買いが起きていた。いったい、どういうことなのか!?
◆パパ活「中国案件」って何!?
「ケチな日本人パパと違って金払いもいいし、意外と紳士的だよ」
こう語るのは中国人相手にパパ活をしているYさん(27歳)。もともと六本木でキャバ嬢をやっていたがコロナ禍で店が閉店。パパ活にシフトしたところ、旧知の黒服から“中国案件”として紹介されたと言う。
「今のパパは1年の半分くらい日本に住んでる50代の中国人投資家。この前も黄色のフェラーリで迎えに来てくれて、虎ノ門の高級ホテルのスイートルームでデートしました。お手当は、相場の3倍は払ってくれるし、高級ブランドのプレゼントもくれますよ」
◆若い日本人女性を連れて歩くのがステータスに
一方、ラウンジを経営する在日中国人によると「若い日本人女性を連れて歩くのは、長期滞在や日本在住の中国人にとってステータスになっている」とか。
本格的な開国となれば、円安も重なって訪日中国人によるパパ活嬢爆買いが起きるかも!?
◆中国資本の「進学塾」も急増していた!
東京・高田馬場――この街で今、異変が起きている。近年、塾の広告が激増しているのだ。
「もともと高田馬場は日本語学校がたくさんあったのですが、最近では中国人留学生向けの難関大学予備校が増えているんです。大学院や美大受験までをカバーし、進学実績も上々。表向きは日本企業ですが、中国の資本が入っています」(同地在住の在日中国人)
アルバイトしながら語学学校に通う中国人はひと昔前の話。来日して東大や慶應、早稲田を目指す中国人富裕層の子息が増えているというのだ。
◆特にここ5年は教室が足りないほど
駅周辺のテナントを管理する地元の不動産業者は言う。
「飲食店や物産店など、中国系法人との取引はかなり増えました。でも特にここ5年は塾です。教室が足りないほど需要が伸びています。大箱で賃料も高いですから、オーナーとしても歓迎していますよ」
東京屈指の学生街は、多国籍な学生街へと変貌を遂げていた。
◆中国人が移動する動機はズバリ商売
コロナが収束すれば、また爆買いは復活するのか。インバウンド事情に詳しい中村正人氏はこう語る。
「コロナが落ち着き、渡航が再開しても、家電量販店やドラッグストアにバスで乗りつけるような爆買いはもう起こらないでしょう。なぜなら家電や化粧品など、高品質な中国ブランドが次々と誕生しているからです」
中国の飛躍的な経済発展はもちろんだが、国民性やメンタリティも関係しているという。
「中国人が移動する動機はズバリ商売です。旅行で訪日するにしても常にビジネスチャンスを窺っている。コロナ後のインバウンドもそうした国民性を理解した上で、取り組むべきです」
◆ゼロ成長の日本は、中国マネーに頼るほかないのか
一方、経済評論家の加谷珪一氏は「今後の日中関係を真剣に考えるべきフェーズに来ている」と指摘する。
「日本に長く定住する中国人も増え、中国企業の日本進出もEVや教育など本質的な部分にフェーズが変わってきています。日中関係は今後さらに接近し、なし崩しに一体化せざるを得ません。
そもそも’15年以降、日本の最大の貿易相手国は米国ではなく中国。多くのシンクタンクは’30年頃までに米中経済が逆転すると予測し、世界経済は米中欧のブロック体制にシフトしつつある。中国とうまく距離をとりながら経済成長の糧にすべきでしょう」
不動産購入も、警戒すべき事案ではなく、経済を回す端緒になっていくという。ゼロ成長の日本は、中国マネーに頼るほかないのか。
【中村正人氏】ジャーナリスト。ツーリズム・ビジネス専門制作会社フィールドワークス代表。著書に『新版攻略!東京ディープチャイナ』など
【加谷珪一氏】経済評論家。日経BP記者などを経て独立。政府系金融機関へのコンサルティング業務も行う。近著に『縮小ニッポンの再興戦略』
取材・文・撮影/週刊SPA!インバウンド取材班

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