自覚症状あまりない、診断されて患者も驚く「梅毒」…放置すると脳・心臓に障害も

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鹿児島県内で性感染症の梅毒の感染拡大が続いている。
県環境保健センターによると、今年は今月4日までに92人の届け出があり、統計を取り始めた1999年以降で最多だった昨年の56人をすでに上回っている。感染拡大は全国的な傾向だが、県は「これまでにない広がり方」として、早期の検査と治療を呼びかけている。(小園雅寛)
梅毒は細菌による性感染症で、感染箇所にしこりができたり、全身に発疹が出たりする。抗菌薬を服用して治療するが、放置すると認知症や弁膜症など脳や心臓の障害や病気につながることがある。2011年頃から都市部を中心に全国的に増加しており、今年は全国レベルでも最多を更新している。
県環境保健センターの集計では、県内の届け出は男性が多く、今年は男性73人、女性19人。昨年も男性39人に対して女性は17人だった。20歳代など若年層が多いという。
性風俗店の従業員や利用客を中心に感染が拡大しているほか、SNSを通じた出会いの増加などが背景にあると指摘されている。同センターはコンドームの使用や、不特定多数との性交渉を避けることなどを呼びかけている。
福元クリニック(鹿児島市)で診察にあたり、日本性機能学会にも所属する福元和彦医師(42)は「自覚症状があまりなく、梅毒と診断されて驚く患者が多い」と話す。県内では、医療機関での検査・診療のほか、鹿児島市保健所でも有料の検査を行っており、福元医師は「放っておかずに、早めに検査、受診してほしい」と呼びかけている。

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