便器外に排泄、使用済みトイレ紙を流さずゴミ箱へ… 和式に外国人困惑?苦情多数の悲惨実態「みるみるあふれ返る」

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外国人も多く訪れる京都の観光スポットで、和式トイレが汚されて困っていると地元紙が報じ、関心を集めている。
和式の使い方が分からないことも背景にあるとみられている。どんな状況になっているのか、地元の施設や自治体に話を聞いた。
こう実情を話すのは、京都府南丹市内の山村集落「かやぶきの里」保存会の中野善文会長だ。J-CASTニュースの取材に2023年9月1日、答えた。
駐車場のトイレは、保存会が管理者の市から委託されて運営しており、12ある個室のうち、和式が8つを占める。このトイレについて、京都新聞は8月31日付ウェブ版記事で、使い方が分からない訪日客の使用で汚されて関係者が困っていると報じた。インターネット上でも、まとめサイトが取り上げるなどして、大きな話題になっている。
中野会長は取材に、その状況を説明した。和式トイレでは、便器の外に排泄物が落ちているなどして、清掃スタッフが大変困っているという。洋式トイレのように、和式とは逆のドア向きに座り、便器先端の丸い部分を便座代わりにして排便するため、外に落ちている可能性がある。
また、使用済みトイレットペーパーを水に流さず、個室のゴミ箱に捨ててしまう。そうした習慣の国々があるためだ。トイレに長蛇の列ができた後は、ゴミ箱からペーパーがあふれ、床に散乱している状況になるという。
もっとも、駐車場のトイレでは、入り口に利用法を示した絵を掲示し、英語や中国語などで説明もしている。それでも、よく分からないのか、関西空港からツアーバスが来たときなどは、汚れていることが多いそうだ。
外国人にマナーを訴えるのは限界があるため、かやぶきの里保存会では、管理者の南丹市に対し、洋式トイレに切り替えるよう要望している。市も、必要性を認めたというが、市内で洋式化の順番があり、着工は決まっていないという。
かやぶきの里では、トイレが計4か所あるが、他の3か所は改修するなどして洋式になっている。保存会の中野会長は、「洋式化を待っていても、外国から観光客はたくさん来るので、何らかの方策を考えなければいけないと思っています」と取材に明かした。
外国からの観光客が多い京都市でも、和式トイレについての問題が起きているようだ。
市のまち美化推進課に9月1日に取材したところでは、すでに15年から、5年後に予定されていた東京五輪に備え、市内の公衆トイレに「トイレのつかいかた」と英語などでも案内したステッカーを掲示している。そこでは、便器の丸い部分に腰かける、ペーパーをゴミ箱に捨てることを描いた図に禁止マークを付け、レバーを押すと水が流れることなども図示している。
市では、同時に、トイレのリニューアル事業を始め、現在は71か所ある市の循環型社会推進部所管のトイレのうち、撤去予定を除くすべてで19年に洋式化を達成した。民間の観光施設にも和式トイレがあるため、市では、そこでもステッカーが使えるように市のサイトにファイルを載せている。
とはいえ、それぞれの国の習慣などがあり、洋式トイレについても、便器やペーパーなどの使い方を案内したステッカーを現在まで掲示している。洋式では、便座に足を乗せ、しゃがんで用を足すことを描いた図に禁止マークを付けた。他人が便座に座ったことを嫌う人などがいるためだ。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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