キツネ村に「バカ」「死ね」、1分間隔で着信も…中国発の電話に「ここに電話してきても」

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東京電力福島第一原子力発電所の処理水海洋放出が始まって以降、各地で確認されている中国発とみられる嫌がらせ電話が、宮城県内の観光施設などにも相次いでいることが分かった。
中国語でまくし立て、「バカ」とどなるような電話もあったといい、施設側は「収まるのを待つしかない」と困惑している。
白石市の観光施設「宮城蔵王キツネ村」では、処理水放出が始まった24日の夜から嫌がらせ電話が続いている。いずれも中国の国番号「86」で始まる番号からで、中国語のため何を言っているか分からないが、日本語で「バカ」「死ね」などの暴言も吐かれたという。
25、26日には1分間隔で電話が鳴る時間帯もあり、嫌がらせ電話は28日までに100件超に上った。86からの着信には応答しないようにしたが、業務に支障が出ているとして、27日には白石署に被害届を出した。
同施設は、6種類のキツネ100匹ほどを放し飼いにしており、来場者はキツネに触れたり、記念撮影したりできる。SNSで海外に広まり、アジアや欧州などからの来場者も多い。女性スタッフは「中国人の観光客も多いだけに非常に残念。ここに電話してきても何にもならないのに……。早く収まってほしい」とこぼした。
ほかにも県内では、丸森町の不動尊公園キャンプ場に26日、中国の番号からの嫌がらせ電話が4件あった。施設長の男性(34)によると、電話では男性が中国語で一方的にまくし立ててきたという。嫌がらせ電話は処理水放出への反発とみられており、男性は「うちは外国人のお客さんはほとんどいない。福島県に近いことで標的になっただけだと思うが、驚いた」と戸惑った。
県警にも、県内の公的施設や飲食店などから嫌がらせ電話に関する相談が複数寄せられている。数日で数十回着信があったとの相談もあり、県警は偽計業務妨害や威力業務妨害の疑いもあるとみている。
村井知事は28日の定例記者会見で、「(処理水放出への反発は)非科学的な根拠によるもの。(嫌がらせ電話を)容認することは到底できない」と非難した。

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