多くの病院では口頭注意のみ?患者による看護師へのセクハラ行為が話題に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

患者による看護師へのセクハラ行為がSNS上で大きな注目を集めている。
【写真】男性の方がハラスメント境界線に敏感!? 社会人の調査データ きっかけになったのは看護師のソファちゃん(@sui_gb20)が 「心がしんでいく」 と紹介した一枚のイラスト。 血圧を測っている最中の女性看護師の胸をさわり、「あぁごめん。あたっちゃったね」としらばっくれる高齢の男性患者。このような痴漢行為に対し、病院側がまったく対応しないわけではない。しかし多くの場合、加害者である患者は「次やったら強制退院です」と注意されるにとどまり、被害者である看護師は職場を変えるわけにもいかず、心を殺して働き続けることを甘受しなければならないのだという。

ソファちゃんのイラストに対し、SNSユーザー達からは 「これは犯罪なのだ、という、きちんとした教育がほしいです。子供の時に、国語や算数と一緒にね。大きな声で叫びたい。『はっきり言っとけ』」「アメリカの警察みたいに、病室向かう時や在宅医療・介護に入る時、みんなボディカメラ装着しなきゃいけないってなれば良いのに自衛のためでもあるし、逆に介護士による虐待みたいなことも監視できるプライバシーが壁とは思うけど、他人と閉鎖空間にいることってとてもハラスメントリスク高い」「しませんよ、しませんけど、そのまま血圧計を限界まで加圧していいと思うんです。正直上司も当てにならないし、記録で殴るしかないのが現状ですよね。割と真面目にGoProつけて仕事したいなと思ってます。」 など数々の共感と怒りの声が寄せられている ソファちゃんにお話を聞いた。 ーー医療の現場で女性看護師が性被害にあうことは日常的なことなのでしょうか? ソファちゃん:病院、病棟によるのかもしれませんが、私や私の周囲には、よくあることです。ないところにはないですし、あるところにはあります。 この絵は、テーブル上のこちらの胸などが触れない位置に患者さんの腕を誘導して置いていただき、血圧測定後にマンシェットを外そうとしたら手が胸に伸びてきた時を想定して描きました。 他にも、車椅子からベッドへ移乗する時に尻をつかまれる、訪室すると自立の患者さんが下半身のみを露出して立って待っている、「良いお尻だね、大きいね」と何度も言われる、自慰行為を見せられるなどがあります。 男性看護師ですと、股間を触られるなどの例もあります。 ーー痴漢行為や性暴力について病院はどのような対策をしているのでしょうか? ソファちゃん:組織として予防的な対策はありません。個人が被害に遭わないよう気を張ることくらいです。 私が被害に遭った後は、まず所属長と主治医が患者へ口頭注意をし、担当を変更してもらうという方法を取られました。対応は病院によって差があると思います。 被害に遭ったことは被害者本人がインシデントレポートや看護記録に書き、スタッフ間で共有します。そのため、翌日も患者は病院にいて、誰もナースコールを取らない時は結局私が患者の元へ行くことになります。 ーーこういった問題に関し、病院や社会に対し希望されることをお聞かせください。 ソファちゃん:私が所属していたいくつかの病院では、殴られても、何をされてもまず口頭注意で、次のチャンスが与えられます。被害者は、より注意するように指導されます。警察に連絡なんてできません。なぜなら連絡して警察がきても、警察と被害対応をしている間に、他の患者のケアができなくなるためです。マンパワーが足りている病院なら良いですが、そうでない病院では、自分の被害より他の患者の命を守り、治療やケアをしていくことの方を優先せざるを得ません。受け流して、このくらい対応できなければ看護師などできないと言い聞かせて、被害に遭わないよう気を張っていることしかできません。 そういうことがあるんだな、と知ってもらえれば良いと思います。 ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。 ソファちゃん:私のように「自分が防げなかったから被害に遭ったのだ」、「自分が悪いのだ」とスタッフが思わなくて済むよう、周囲の方々はどうか言葉を選んでいただけたら思います。 ◇ ◇ 場所によって違いはあると思うが、患者のセクハラ行為に対して多くの病院がソファちゃんの言うような対策しかとっていないのであればそれは大きな問題だ。病院という外界から隔絶された空間だからこそ、患者もスタッフもその安全と人権が保障されるような取り組みを期待したい。 (よろず~ニュース特約・中将タカノリ)
きっかけになったのは看護師のソファちゃん(@sui_gb20)が
「心がしんでいく」
と紹介した一枚のイラスト。
血圧を測っている最中の女性看護師の胸をさわり、「あぁごめん。あたっちゃったね」としらばっくれる高齢の男性患者。このような痴漢行為に対し、病院側がまったく対応しないわけではない。しかし多くの場合、加害者である患者は「次やったら強制退院です」と注意されるにとどまり、被害者である看護師は職場を変えるわけにもいかず、心を殺して働き続けることを甘受しなければならないのだという。
ソファちゃんのイラストに対し、SNSユーザー達からは
「これは犯罪なのだ、という、きちんとした教育がほしいです。子供の時に、国語や算数と一緒にね。大きな声で叫びたい。『はっきり言っとけ』」「アメリカの警察みたいに、病室向かう時や在宅医療・介護に入る時、みんなボディカメラ装着しなきゃいけないってなれば良いのに自衛のためでもあるし、逆に介護士による虐待みたいなことも監視できるプライバシーが壁とは思うけど、他人と閉鎖空間にいることってとてもハラスメントリスク高い」「しませんよ、しませんけど、そのまま血圧計を限界まで加圧していいと思うんです。正直上司も当てにならないし、記録で殴るしかないのが現状ですよね。割と真面目にGoProつけて仕事したいなと思ってます。」
など数々の共感と怒りの声が寄せられている
ソファちゃんにお話を聞いた。
ーー医療の現場で女性看護師が性被害にあうことは日常的なことなのでしょうか?
ソファちゃん:病院、病棟によるのかもしれませんが、私や私の周囲には、よくあることです。ないところにはないですし、あるところにはあります。
この絵は、テーブル上のこちらの胸などが触れない位置に患者さんの腕を誘導して置いていただき、血圧測定後にマンシェットを外そうとしたら手が胸に伸びてきた時を想定して描きました。
他にも、車椅子からベッドへ移乗する時に尻をつかまれる、訪室すると自立の患者さんが下半身のみを露出して立って待っている、「良いお尻だね、大きいね」と何度も言われる、自慰行為を見せられるなどがあります。
男性看護師ですと、股間を触られるなどの例もあります。
ーー痴漢行為や性暴力について病院はどのような対策をしているのでしょうか?
ソファちゃん:組織として予防的な対策はありません。個人が被害に遭わないよう気を張ることくらいです。
私が被害に遭った後は、まず所属長と主治医が患者へ口頭注意をし、担当を変更してもらうという方法を取られました。対応は病院によって差があると思います。
被害に遭ったことは被害者本人がインシデントレポートや看護記録に書き、スタッフ間で共有します。そのため、翌日も患者は病院にいて、誰もナースコールを取らない時は結局私が患者の元へ行くことになります。
ーーこういった問題に関し、病院や社会に対し希望されることをお聞かせください。
ソファちゃん:私が所属していたいくつかの病院では、殴られても、何をされてもまず口頭注意で、次のチャンスが与えられます。被害者は、より注意するように指導されます。警察に連絡なんてできません。なぜなら連絡して警察がきても、警察と被害対応をしている間に、他の患者のケアができなくなるためです。マンパワーが足りている病院なら良いですが、そうでない病院では、自分の被害より他の患者の命を守り、治療やケアをしていくことの方を優先せざるを得ません。受け流して、このくらい対応できなければ看護師などできないと言い聞かせて、被害に遭わないよう気を張っていることしかできません。
そういうことがあるんだな、と知ってもらえれば良いと思います。
ーー投稿の反響へのご感想をお聞かせください。
ソファちゃん:私のように「自分が防げなかったから被害に遭ったのだ」、「自分が悪いのだ」とスタッフが思わなくて済むよう、周囲の方々はどうか言葉を選んでいただけたら思います。
◇ ◇
場所によって違いはあると思うが、患者のセクハラ行為に対して多くの病院がソファちゃんの言うような対策しかとっていないのであればそれは大きな問題だ。病院という外界から隔絶された空間だからこそ、患者もスタッフもその安全と人権が保障されるような取り組みを期待したい。
(よろず~ニュース特約・中将タカノリ)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。