「今でも『ぼっち』という声が聞こえている」長野4人殺害犯・青木政憲容疑者(32)が”差し入れを頼んだ本”とは

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「ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありませんでした」
【画像】青木容疑者が店長を務めたジェラート屋 5月25日に長野県中野市で女性2人と警察官2人が死亡する立てこもり事件が起きた。約1カ月後の6月下旬。土砂降りの雨の中、暗い色合いの服装の男女がびしょ濡れになりながら謝り歩く姿があった。◆ ◆ ◆自宅近くの家々をまわって謝罪 この2人こそ、4人を殺害した疑いで逮捕された青木政憲容疑者(32)の両親だ。父親・正道氏は事件当時、中野市議会議長を務めており、母親もドライフラワーやフルーツカッティングの講師として教室を開くなど、地元の名士として知られていた。

父は議員を辞職「夫妻はご自宅近くの家々を謝罪してまわっていました。正道さんは、憔悴した様子で、少し痩せたようにも見えました。奥さんは頭をあげることもなく、とにかく『申し訳ありませんでした』と繰り返すばかり。その日以降、2人の姿は見かけません」(近隣住民) 事件は午後4時過ぎ、田園が広がる中野市の江部地区で発生した。青木容疑者がはじめにナイフで散歩中の2人を襲い、自宅から猟銃を持ち出すと、駆け付けた中野署の男性警察官2人を襲撃した。翌未明にかけて自宅敷地に立てこもり自殺を図ったものの死にきれず、投降して確保された。 一家が住んでいた自宅に人の気配はなく、庭は草木が生い茂っている。いまだに現場周囲には立ち入り禁止のテープが張られたまま。「逮捕後、青木容疑者は犯行の理由について、被害者の女性2人が『(ひとり)ぼっち』と口にし、自分を馬鹿にしていると思ったなどと供述している。一方的な思い込みとみられ、検察は刑事責任能力について調べるため、鑑定留置を行う方針です」(社会部記者)接見している弁護士が明かす青木容疑者の様子 勾留先である長野中央署での青木容疑者の様子は安定しているという。「奇声をあげるといった問題行動もなく、本を読んで静かに過ごしているようです。自殺防止の観点から、留置場では警察官が24時間態勢で青木容疑者を対面監視しています。だが、今のところ自殺をほのめかすような言動はありません」(捜査関係者) 2日に1回程度、青木容疑者と接見している弁護士が明かす。「接見中、青木容疑者と目が合うことはありません。両親によれば、以前から目を見て話すことはなかったようです。『昨日はよく眠れた?』と聞くと『はい』とだけ答える一方通行の会話がほとんど。今でも『ぼっち』という声が聞こえているようで、接見中に『ぼっち』という言葉を口にすることもあります」 思い込みに取り憑かれているともいえるが、以前から、その傾向はあった。「両親は幼稚園の園長から『彼は多動傾向がある』と伝えられたが、受け入れられなかったといいます。しかし、青木容疑者は大学生になると、下宿先を盗聴されている、パソコンの内蔵カメラで監視されているといった被害妄想を持つようになっていた」(同前)青木容疑者が差し入れを頼んだ本 勾留中の青木容疑者は、所有していた複数の本の差し入れを弁護士に頼んでいたという。「今年2月ごろに自身が購入した宗教関係の本のほか、様々な種類の椿の花を紹介している図鑑を持っていきました」(同前) 青木容疑者が、遺族の悲しみと正面から向き合える日は来るのか。弁護士によると、今のところ被害者に対する謝罪の言葉はないという。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月17日・24日号)
5月25日に長野県中野市で女性2人と警察官2人が死亡する立てこもり事件が起きた。約1カ月後の6月下旬。土砂降りの雨の中、暗い色合いの服装の男女がびしょ濡れになりながら謝り歩く姿があった。
◆ ◆ ◆
この2人こそ、4人を殺害した疑いで逮捕された青木政憲容疑者(32)の両親だ。父親・正道氏は事件当時、中野市議会議長を務めており、母親もドライフラワーやフルーツカッティングの講師として教室を開くなど、地元の名士として知られていた。
父は議員を辞職
「夫妻はご自宅近くの家々を謝罪してまわっていました。正道さんは、憔悴した様子で、少し痩せたようにも見えました。奥さんは頭をあげることもなく、とにかく『申し訳ありませんでした』と繰り返すばかり。その日以降、2人の姿は見かけません」(近隣住民)
事件は午後4時過ぎ、田園が広がる中野市の江部地区で発生した。青木容疑者がはじめにナイフで散歩中の2人を襲い、自宅から猟銃を持ち出すと、駆け付けた中野署の男性警察官2人を襲撃した。翌未明にかけて自宅敷地に立てこもり自殺を図ったものの死にきれず、投降して確保された。 一家が住んでいた自宅に人の気配はなく、庭は草木が生い茂っている。いまだに現場周囲には立ち入り禁止のテープが張られたまま。「逮捕後、青木容疑者は犯行の理由について、被害者の女性2人が『(ひとり)ぼっち』と口にし、自分を馬鹿にしていると思ったなどと供述している。一方的な思い込みとみられ、検察は刑事責任能力について調べるため、鑑定留置を行う方針です」(社会部記者)接見している弁護士が明かす青木容疑者の様子 勾留先である長野中央署での青木容疑者の様子は安定しているという。「奇声をあげるといった問題行動もなく、本を読んで静かに過ごしているようです。自殺防止の観点から、留置場では警察官が24時間態勢で青木容疑者を対面監視しています。だが、今のところ自殺をほのめかすような言動はありません」(捜査関係者) 2日に1回程度、青木容疑者と接見している弁護士が明かす。「接見中、青木容疑者と目が合うことはありません。両親によれば、以前から目を見て話すことはなかったようです。『昨日はよく眠れた?』と聞くと『はい』とだけ答える一方通行の会話がほとんど。今でも『ぼっち』という声が聞こえているようで、接見中に『ぼっち』という言葉を口にすることもあります」 思い込みに取り憑かれているともいえるが、以前から、その傾向はあった。「両親は幼稚園の園長から『彼は多動傾向がある』と伝えられたが、受け入れられなかったといいます。しかし、青木容疑者は大学生になると、下宿先を盗聴されている、パソコンの内蔵カメラで監視されているといった被害妄想を持つようになっていた」(同前)青木容疑者が差し入れを頼んだ本 勾留中の青木容疑者は、所有していた複数の本の差し入れを弁護士に頼んでいたという。「今年2月ごろに自身が購入した宗教関係の本のほか、様々な種類の椿の花を紹介している図鑑を持っていきました」(同前) 青木容疑者が、遺族の悲しみと正面から向き合える日は来るのか。弁護士によると、今のところ被害者に対する謝罪の言葉はないという。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月17日・24日号)
事件は午後4時過ぎ、田園が広がる中野市の江部地区で発生した。青木容疑者がはじめにナイフで散歩中の2人を襲い、自宅から猟銃を持ち出すと、駆け付けた中野署の男性警察官2人を襲撃した。翌未明にかけて自宅敷地に立てこもり自殺を図ったものの死にきれず、投降して確保された。
一家が住んでいた自宅に人の気配はなく、庭は草木が生い茂っている。いまだに現場周囲には立ち入り禁止のテープが張られたまま。
「逮捕後、青木容疑者は犯行の理由について、被害者の女性2人が『(ひとり)ぼっち』と口にし、自分を馬鹿にしていると思ったなどと供述している。一方的な思い込みとみられ、検察は刑事責任能力について調べるため、鑑定留置を行う方針です」(社会部記者)接見している弁護士が明かす青木容疑者の様子 勾留先である長野中央署での青木容疑者の様子は安定しているという。「奇声をあげるといった問題行動もなく、本を読んで静かに過ごしているようです。自殺防止の観点から、留置場では警察官が24時間態勢で青木容疑者を対面監視しています。だが、今のところ自殺をほのめかすような言動はありません」(捜査関係者) 2日に1回程度、青木容疑者と接見している弁護士が明かす。「接見中、青木容疑者と目が合うことはありません。両親によれば、以前から目を見て話すことはなかったようです。『昨日はよく眠れた?』と聞くと『はい』とだけ答える一方通行の会話がほとんど。今でも『ぼっち』という声が聞こえているようで、接見中に『ぼっち』という言葉を口にすることもあります」 思い込みに取り憑かれているともいえるが、以前から、その傾向はあった。「両親は幼稚園の園長から『彼は多動傾向がある』と伝えられたが、受け入れられなかったといいます。しかし、青木容疑者は大学生になると、下宿先を盗聴されている、パソコンの内蔵カメラで監視されているといった被害妄想を持つようになっていた」(同前)青木容疑者が差し入れを頼んだ本 勾留中の青木容疑者は、所有していた複数の本の差し入れを弁護士に頼んでいたという。「今年2月ごろに自身が購入した宗教関係の本のほか、様々な種類の椿の花を紹介している図鑑を持っていきました」(同前) 青木容疑者が、遺族の悲しみと正面から向き合える日は来るのか。弁護士によると、今のところ被害者に対する謝罪の言葉はないという。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月17日・24日号)
「逮捕後、青木容疑者は犯行の理由について、被害者の女性2人が『(ひとり)ぼっち』と口にし、自分を馬鹿にしていると思ったなどと供述している。一方的な思い込みとみられ、検察は刑事責任能力について調べるため、鑑定留置を行う方針です」(社会部記者)
勾留先である長野中央署での青木容疑者の様子は安定しているという。
「奇声をあげるといった問題行動もなく、本を読んで静かに過ごしているようです。自殺防止の観点から、留置場では警察官が24時間態勢で青木容疑者を対面監視しています。だが、今のところ自殺をほのめかすような言動はありません」(捜査関係者)
2日に1回程度、青木容疑者と接見している弁護士が明かす。「接見中、青木容疑者と目が合うことはありません。両親によれば、以前から目を見て話すことはなかったようです。『昨日はよく眠れた?』と聞くと『はい』とだけ答える一方通行の会話がほとんど。今でも『ぼっち』という声が聞こえているようで、接見中に『ぼっち』という言葉を口にすることもあります」 思い込みに取り憑かれているともいえるが、以前から、その傾向はあった。「両親は幼稚園の園長から『彼は多動傾向がある』と伝えられたが、受け入れられなかったといいます。しかし、青木容疑者は大学生になると、下宿先を盗聴されている、パソコンの内蔵カメラで監視されているといった被害妄想を持つようになっていた」(同前)青木容疑者が差し入れを頼んだ本 勾留中の青木容疑者は、所有していた複数の本の差し入れを弁護士に頼んでいたという。「今年2月ごろに自身が購入した宗教関係の本のほか、様々な種類の椿の花を紹介している図鑑を持っていきました」(同前) 青木容疑者が、遺族の悲しみと正面から向き合える日は来るのか。弁護士によると、今のところ被害者に対する謝罪の言葉はないという。(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月17日・24日号)
2日に1回程度、青木容疑者と接見している弁護士が明かす。
「接見中、青木容疑者と目が合うことはありません。両親によれば、以前から目を見て話すことはなかったようです。『昨日はよく眠れた?』と聞くと『はい』とだけ答える一方通行の会話がほとんど。今でも『ぼっち』という声が聞こえているようで、接見中に『ぼっち』という言葉を口にすることもあります」
思い込みに取り憑かれているともいえるが、以前から、その傾向はあった。
「両親は幼稚園の園長から『彼は多動傾向がある』と伝えられたが、受け入れられなかったといいます。しかし、青木容疑者は大学生になると、下宿先を盗聴されている、パソコンの内蔵カメラで監視されているといった被害妄想を持つようになっていた」(同前)
勾留中の青木容疑者は、所有していた複数の本の差し入れを弁護士に頼んでいたという。
「今年2月ごろに自身が購入した宗教関係の本のほか、様々な種類の椿の花を紹介している図鑑を持っていきました」(同前)
青木容疑者が、遺族の悲しみと正面から向き合える日は来るのか。弁護士によると、今のところ被害者に対する謝罪の言葉はないという。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年8月17日・24日号)

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