東日本大震災12年、3人の身元判明 「帰ってこれたね」と遺族

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岩手県警は2日、東日本大震災後に見つかっていた遺体の一部から3人の身元を特定したと発表した。行方不明者の身元確認につながる情報が先細る中、遺体は被災から12年を経て遺族へ引き渡された。遺族からは「まさか帰ってくるとは」と驚きの声が上がった。
【写真】「爪だけでも」 姉を探し続けた漁師 3人は、陸前高田市の山田ヨシ子さん(当時83歳)▽大槌町の佐野キネさん(同84歳)▽山田町の木下健さん(同74歳)。いずれも2011年に海中や海上などで遺体の一部が見つかっていた。体のどの部位なのかや、発見時の状態について、県警は「本人の尊厳に関わる」として公表を控えている。

いずれもDNA型は確認できていたが、誰のものか不明だった。発見場所などから行方不明者のうち該当者を推定し、親族とのミトコンドリアDNA鑑定などを経て特定した。具体的な被災状況は不明だが、遺族らは「自宅か自宅付近で被災したと思う」と話しているという。いずれも8月1日までに、遺族のもとへ引き渡された。 山田さんの遺族は2日夕、陸前高田市で取材に応じ、めいの山田妙子さん(74)は「とてもびっくりした」。おいの誠さん(68)は「率直にうれしかった。心の中で『やっと帰ってこれたね』と言葉をかけた」と語った。 佐野さんの遺族は「見つかってうれしいです」、木下さんの妹で盛岡市の木下英子さんは「12年もたって、まさか帰ってくるとは。本当にうれしく思っています。まだ家族が見つからず苦労されている方々も希望を持てるのでは」と県警を通じコメントを公表した。 県警によると、今回のように一部だけが見つかった49体がなお身元不明。これとは別に、検視した犠牲者のうち47人の身元も分かっていない。県警捜査1課は「今後もご遺体を全てのご家族にお返しできるよう各種活動を遂行する」としている。【釣田祐喜、奥田伸一】
3人は、陸前高田市の山田ヨシ子さん(当時83歳)▽大槌町の佐野キネさん(同84歳)▽山田町の木下健さん(同74歳)。いずれも2011年に海中や海上などで遺体の一部が見つかっていた。体のどの部位なのかや、発見時の状態について、県警は「本人の尊厳に関わる」として公表を控えている。
いずれもDNA型は確認できていたが、誰のものか不明だった。発見場所などから行方不明者のうち該当者を推定し、親族とのミトコンドリアDNA鑑定などを経て特定した。具体的な被災状況は不明だが、遺族らは「自宅か自宅付近で被災したと思う」と話しているという。いずれも8月1日までに、遺族のもとへ引き渡された。
山田さんの遺族は2日夕、陸前高田市で取材に応じ、めいの山田妙子さん(74)は「とてもびっくりした」。おいの誠さん(68)は「率直にうれしかった。心の中で『やっと帰ってこれたね』と言葉をかけた」と語った。
佐野さんの遺族は「見つかってうれしいです」、木下さんの妹で盛岡市の木下英子さんは「12年もたって、まさか帰ってくるとは。本当にうれしく思っています。まだ家族が見つからず苦労されている方々も希望を持てるのでは」と県警を通じコメントを公表した。
県警によると、今回のように一部だけが見つかった49体がなお身元不明。これとは別に、検視した犠牲者のうち47人の身元も分かっていない。県警捜査1課は「今後もご遺体を全てのご家族にお返しできるよう各種活動を遂行する」としている。【釣田祐喜、奥田伸一】

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