【ススキノ頭部切断事件の全真相】凶行に繋がった精神科医一家の「歪んだ家族愛」

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札幌・ススキノのラブホテルで発見された首のない遺体。頭部が発見されたのは、容疑者の娘と両親が暮らす自宅だった。一家総出の首隠し──衝撃事件の真相に迫った。
【写真21枚】目にかかるロングヘアをハーフアップした30年前の田村修容疑者。他、ディスコの様子、事件があったホテルの部屋のピンクの内装なども 北海道警は死体遺棄などの容疑で職業不詳、田村瑠奈容疑者(29)を逮捕。さらに、父親で精神科医の修容疑者(59)、母親でパート従業員の浩子容疑者(60)が共犯として逮捕された。「被害男性は事件当日、ディスコイベントに女装で参加した後、瑠奈容疑者と合流し、ホテルで殺害されたとみられています。父親の修容疑者は現場への送迎を担い、事件前には瑠奈容疑者とともに凶器となるノコギリとスーツケースを購入していた。母親の浩子容疑者も事前に計画を知っており、まさに家族揃っての計画的犯行と考えられます」(全国紙社会部記者)

なぜ両親は娘の凶行に協力したのか。複数の関係者が、瑠奈容疑者と被害男性の間のトラブルについて証言している。ある捜査関係者は言う。「瑠奈容疑者は自身の性についてどう認識すべきかわからない部分があり、悩んでいたようです。そうした関連のイベントに出入りするなかで、被害男性に出会ったとみられています。 瑠奈容疑者は被害男性に恥辱的な動画を撮られていたようで、その関係で彼と複数回会っていた可能性があります。父親の修容疑者もトラブルについては認識していたようで、それが犯行に至った背景にあるのかもしれません」 なぜ、首だけを持ち帰ることになったのか。「当初は遺体をすべてバラバラにして持ち帰り証拠を消そうとしていたのではないでしょうか。ただ、首を切断するだけで時間的・心理的・体力的な余裕がなくなり、頭部だけを持ち帰った可能性がある」(同前)あえて娘を実行犯に? 父親の修容疑者は、地元では有名な精神科医だったという。道内の医療関係者が語る。「田村医師は、2008年から道内の総合病院で精神科の科長を務めていました。連携診療に従事する一方で、『海外派遣自衛官と家族の健康の問題』などの社会課題にも関心を持ち、講演会も何度か開く熱心な医師でした」 修容疑者と知り合いの精神科医は言う。「イラク人質事件の後、被害者のケアなどで熱心に活動されていて、戦争被害のシンポジウムで何度かお話しする機会がありました。お酒を飲みながら、勤労者のストレスなど労働問題を真剣に語る一方、趣味の音楽活動やユーチューブの動画編集については楽しそうにしゃべっていたのが印象的です。娘さんのことは聞いたことがありません。報道で知りましたが、たしかにそういうことは言いづらいですよね」 すでに報じられているとおり、瑠奈容疑者は家に引きこもりがちだったという。「中学時代はほとんど不登校で、高校で通信制の私立学校に通っていたようです。その後、働いたことはあったものの長続きせず辞めてしまった。それで逮捕当時、『無職』ではなく『職業不詳』とされたそうです」(地元メディア記者) 修容疑者の知人は、こう証言する。「妻はパート従業員と報じられていますが、もともとは学芸員をしていたそうです。彼女が描いたアマビエのイラストを修さんがSNSで披露するなど、一見仲が良さそうでしたが、実は、娘さんが不登校になってからは夫婦関係に亀裂が走ったこともあったようです。 修さんは、仕事はもちろん趣味の音楽活動にも打ち込み、バイタリティにあふれる方という印象でしたが、その背景には、自宅に居づらい感情があったのかもしれません」 それでも、近所では母娘で外出する様子が目撃されたこともあった。「7~8年くらい前かな、お母さんと娘さんが一緒に歩いているのを見ました。小柄で綺麗な長い髪をしていて、伏し目がちに挨拶してくれました。お家も手入れされたおしゃれな一軒家だから覚えています」 だが現在、自宅にその面影はない。「今年に入ってから玄関周りにゴミが多く散乱するようになり、宅配の配達員が驚いていたようです。妻は家の中を見られたくなかったのか、配達員への応対では玄関の隙間をできるだけ小さく開けていたそうです」(前出・地元メディア記者) 近隣住民が、その不穏な変化を語る。「旦那さんはなぜか毎日のように、自宅の玄関先でカップラーメンやコンビニの弁当を立って食べていました。現役の精神科医で、あんなに立派なご自宅なのに……。また、家の前に気味が悪いほどクーラーボックスが無造作に積まれていて、物置のようになっていますが、釣りが趣味とは聞いたことがなく、ちょっと謎な感じでした。家庭菜園を楽しんでいたようですが、家庭菜園をするのにそんなにたくさんのクーラーボックスは必要ありませんよね」 前出・捜査関係者は、こう推測する。「事件前、被害男性が一家の住む自宅に押し掛けたことがあるそうです。父親が玄関先や自宅前の車で食事していたのは、再び彼が自宅に押し掛けてくるのを警戒しての行動だったとみられています。娘に会いにくる被害男性から、守ろうとしたのでしょう」 別の捜査関係者は、そもそも犯行を計画したのが父親だった可能性を指摘する。「父親は、取り調べに『被害者が一度解決していたトラブルを蒸し返して逆ギレしてきた』とも話しているそうです。犯罪を起こす意思、つまり犯意は父親が中心とみている。 犯意は父親にあるが、実行したのは娘ということです。しかし娘は判断能力や責任能力を問うことが難しい状況で、公判請求されない可能性も十分あることから、措置入院になるかもしれません。父親が実行犯となれば、娘の生活を支えていくことが困難になると危惧して、あえて娘を実行犯にする計画を父親が考えたのではないかとみています」 歪んだ家族愛が凶行に繋がってしまったのか。※週刊ポスト2023年8月11日号
北海道警は死体遺棄などの容疑で職業不詳、田村瑠奈容疑者(29)を逮捕。さらに、父親で精神科医の修容疑者(59)、母親でパート従業員の浩子容疑者(60)が共犯として逮捕された。
「被害男性は事件当日、ディスコイベントに女装で参加した後、瑠奈容疑者と合流し、ホテルで殺害されたとみられています。父親の修容疑者は現場への送迎を担い、事件前には瑠奈容疑者とともに凶器となるノコギリとスーツケースを購入していた。母親の浩子容疑者も事前に計画を知っており、まさに家族揃っての計画的犯行と考えられます」(全国紙社会部記者)
なぜ両親は娘の凶行に協力したのか。複数の関係者が、瑠奈容疑者と被害男性の間のトラブルについて証言している。ある捜査関係者は言う。
「瑠奈容疑者は自身の性についてどう認識すべきかわからない部分があり、悩んでいたようです。そうした関連のイベントに出入りするなかで、被害男性に出会ったとみられています。
瑠奈容疑者は被害男性に恥辱的な動画を撮られていたようで、その関係で彼と複数回会っていた可能性があります。父親の修容疑者もトラブルについては認識していたようで、それが犯行に至った背景にあるのかもしれません」
なぜ、首だけを持ち帰ることになったのか。
「当初は遺体をすべてバラバラにして持ち帰り証拠を消そうとしていたのではないでしょうか。ただ、首を切断するだけで時間的・心理的・体力的な余裕がなくなり、頭部だけを持ち帰った可能性がある」(同前)
父親の修容疑者は、地元では有名な精神科医だったという。道内の医療関係者が語る。
「田村医師は、2008年から道内の総合病院で精神科の科長を務めていました。連携診療に従事する一方で、『海外派遣自衛官と家族の健康の問題』などの社会課題にも関心を持ち、講演会も何度か開く熱心な医師でした」
修容疑者と知り合いの精神科医は言う。
「イラク人質事件の後、被害者のケアなどで熱心に活動されていて、戦争被害のシンポジウムで何度かお話しする機会がありました。お酒を飲みながら、勤労者のストレスなど労働問題を真剣に語る一方、趣味の音楽活動やユーチューブの動画編集については楽しそうにしゃべっていたのが印象的です。娘さんのことは聞いたことがありません。報道で知りましたが、たしかにそういうことは言いづらいですよね」
すでに報じられているとおり、瑠奈容疑者は家に引きこもりがちだったという。
「中学時代はほとんど不登校で、高校で通信制の私立学校に通っていたようです。その後、働いたことはあったものの長続きせず辞めてしまった。それで逮捕当時、『無職』ではなく『職業不詳』とされたそうです」(地元メディア記者)
修容疑者の知人は、こう証言する。
「妻はパート従業員と報じられていますが、もともとは学芸員をしていたそうです。彼女が描いたアマビエのイラストを修さんがSNSで披露するなど、一見仲が良さそうでしたが、実は、娘さんが不登校になってからは夫婦関係に亀裂が走ったこともあったようです。
修さんは、仕事はもちろん趣味の音楽活動にも打ち込み、バイタリティにあふれる方という印象でしたが、その背景には、自宅に居づらい感情があったのかもしれません」
それでも、近所では母娘で外出する様子が目撃されたこともあった。
「7~8年くらい前かな、お母さんと娘さんが一緒に歩いているのを見ました。小柄で綺麗な長い髪をしていて、伏し目がちに挨拶してくれました。お家も手入れされたおしゃれな一軒家だから覚えています」
だが現在、自宅にその面影はない。
「今年に入ってから玄関周りにゴミが多く散乱するようになり、宅配の配達員が驚いていたようです。妻は家の中を見られたくなかったのか、配達員への応対では玄関の隙間をできるだけ小さく開けていたそうです」(前出・地元メディア記者)
近隣住民が、その不穏な変化を語る。
「旦那さんはなぜか毎日のように、自宅の玄関先でカップラーメンやコンビニの弁当を立って食べていました。現役の精神科医で、あんなに立派なご自宅なのに……。また、家の前に気味が悪いほどクーラーボックスが無造作に積まれていて、物置のようになっていますが、釣りが趣味とは聞いたことがなく、ちょっと謎な感じでした。家庭菜園を楽しんでいたようですが、家庭菜園をするのにそんなにたくさんのクーラーボックスは必要ありませんよね」
前出・捜査関係者は、こう推測する。
「事件前、被害男性が一家の住む自宅に押し掛けたことがあるそうです。父親が玄関先や自宅前の車で食事していたのは、再び彼が自宅に押し掛けてくるのを警戒しての行動だったとみられています。娘に会いにくる被害男性から、守ろうとしたのでしょう」
別の捜査関係者は、そもそも犯行を計画したのが父親だった可能性を指摘する。
「父親は、取り調べに『被害者が一度解決していたトラブルを蒸し返して逆ギレしてきた』とも話しているそうです。犯罪を起こす意思、つまり犯意は父親が中心とみている。
犯意は父親にあるが、実行したのは娘ということです。しかし娘は判断能力や責任能力を問うことが難しい状況で、公判請求されない可能性も十分あることから、措置入院になるかもしれません。父親が実行犯となれば、娘の生活を支えていくことが困難になると危惧して、あえて娘を実行犯にする計画を父親が考えたのではないかとみています」
歪んだ家族愛が凶行に繋がってしまったのか。
※週刊ポスト2023年8月11日号

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