「不倫バレ」の膠着状態で人は何を考えるのか?40代“不倫した側”の男女が語った実体験

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広末涼子さんの不倫発覚から1カ月半。その間、夫が会見を開いたり、不倫相手が週刊誌のインタビューを受けたりとさまざまな展開があり、7月23日に所属事務所を通じて離婚成立を発表した。不倫が発覚してからの「膠着状態」において、人は何を考えるのだろう。
まずは別居、それから離婚まで1年半「5年前のことです。僕が妻の友だちと関係を持ってしまい、当然ながら妻は激怒。双方の両親にすべてをぶちまけて、当時9歳と6歳だった子どもふたりを連れて家を出て行きました」
ケンタさん(45歳)は遠い目でそう話した。探偵事務所の報告書を突きつけられ、土下座して謝ったが許してもらえなかった。妻はその場で、ケンタさんの両親に電話。翌日には自分の実家にも話し、子どもを連れて実家に戻った。
「毎週末、妻の実家に行って謝りました。うちの両親も来て一緒に謝った。だけど妻の気持ちは変わらなかった」
弁護士から連絡があり、離婚協議を進めたいと言われた。拒むと調停に持ち込まれた。妻とはほとんど話していない。調停は決裂し、裁判になった。
「妻とは学生時代からのつきあいなんです。当時は単なる友だちだったけど、卒業後に就職した会社が近かったことからときどき食事をするようになって。周りから羨ましがられるほどラブラブでした。28歳のときに結婚したけど、ずっと仲はよかったし、共働きを続けながら協力しあっている実感があった」
だったらなぜ浮気したのかとよく言われると、ケンタさんは苦笑いした。妻の友人のナオコさんから突然連絡があった。ナオコさんはよく家にも遊びに来ていたから、ケンタさんも友人だと受け止めていた。
「僕にも下心があったんでしょうね」「ナオコが離婚したいから相談に乗って、と。最初は妻にも話していたんですが、そのうち妻に言いづらくなって……。僕にも下心があったんでしょうね。ナオコとはどんどん親しくなっていって、とうとう関係を持ってしまった。妻とは仲はいいけどセックスレスという状態でしたから、僕自身も寂しかったのかもしれない」
関係が半年続いたところで、いきなり報告書を突きつけられたのだ。言い訳はできなかった。1年半後、離婚届にサインしたとき、妻と久しぶりに会ったが、妻はなにも言わなかった。彼は「今までありがとう。ごめんね」と言ったそうだ。
「それでも今思えば、すぐに別居したのは悪くなかったかもしれません。罵り合わずにすんだから。でも一方で、もっと言いたいことを言い合える関係だったら修復できたのかもしれないと思うこともあります」
14歳と11歳になった子どもたちとは、連絡をとりあって好きなときに会っている。そこだけは妻に感謝しているとケンタさんは言った。
家庭内別居を貫いていた辛い日々「私の不倫が夫にバレた。夫は子どもを置いて出ていけと言ったけど、それはできないと居座りました。お互いに離婚を考えながらも同居し続けました。あの時期は本当につらかった」
ホナミさん(42歳)が、元カレと関係を持ってしまったのは4年前だ。同居する義母との折り合いが悪く、それが原因で夫との関係もギクシャクしていたころ、偶然、元カレに再会した。
話を聞いてもらっているうちに気持ちが昔に戻った。元カレにも家庭があったが、秘密の関係を持った。それによって、家庭内は少し緊張がほどけた。彼女が義母に優しくできたからだ。
「文句を言われようと毒づかれようと、それまでのように卑屈にならなくなったんです。私は夫からではないけど、ひとりの男性に愛されていると実感できたから。味方はいる。それで勇気をもらった。その後、義母が病気になり、はためには献身的と思われるような看護もしました。それも元カレが励ましてくれたからできたことです」
だがつきあって1年たったころ、元カレの妻からホナミさんの夫に連絡があった。「うちの夫があなたの奥さんと浮気している」と。元カレが携帯電話をきちんと管理していなかったため、メッセージのやりとりなどが見られていた。
最悪の状況で意外な人物が味方に「私は最後まで不倫を認めなかったけど、元カレの妻から訴えられてしまった。慰謝料は払いましたが、元カレの妻はそれもいちいち私の夫に報告していた。夫からは離婚したいと言われました。子どもを置いて出ていけと。でもそれだけはできない。だから居座ったんです。夫は日々、私を責めました。毎日、謝るしかない状況でしたね」
当時、子どもは6歳と4歳。義母も体調がすぐれず、夫には仕事がある。子どもを置いて家を出ることなどできるはずもない。するとここで、なぜか義母が味方についてくれた。
「本当にびっくりしました。義母が『ホナミさんも魔が差したの。人間にはそういうこともある。子どもを置いていかれたら私が困る。これまで通りにしてちょうだい』って。思わず、夫のいないところで義母に謝りました。お礼も言いました。
すると義母は『私もあなたにつらく当たっていたのよね。なのにあなたは私が入院したとき、パートもあるのに毎日のように来てくれた。感謝してたの。お礼も言わずにごめんね』って」
ホナミさんも、こんなに夫に責められるなら、子どもの親権をとって離婚してもいいかもしれないと思っていた。だが、義母の言葉で彼女は離婚を考えるのをやめた。
今も夫とはほとんど会話がない。子どものことなどの相談は義母から伝えてもらっている。義母は仲を取り持とうとしてくれているが、夫が聞く耳をもたないようだ。
「もう少し待ってねと言われています。義母も少しずつ体調がよくなってきて、今では家庭内のムードメーカーみたい。義母がいなかったら、私は子どもを連れて家を出ていたと思うけど、そうなったら子どもを育てることもできなかった。どうなっていたかわかりません」
夫は子どもたちとは話をする。最近、その延長線上で、「お母さんはどう思ってるか聞いておいで」などと言うようになった。直接の会話ではないが、年月がたって夫の心にも変化が生じているのかもしれない。
不倫した側がいけないのは明らかだ。だがこういう事象を見聞きするにつけ、された側も居丈高にならず、「離婚しないのなら、どうやってもう一度信頼関係を築くか」について、真正面から話し合ったほうがいいのにと感じてしまう。それが夫婦の次へのステップになるのではないだろうか。

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