ススキノ首なし殺人で一家3人逮捕 いびつな主従関係 娘と男性のトラブルを母親が供述

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札幌・ススキノのホテルで男性(62)が殺害され、頭部が切断された遺体で見つかった事件で、道警は死体遺棄などの疑いで、田村瑠奈容疑者(29)と父親で精神科医の修容疑者(59)、母親の浩子容疑者(60)の一家3人を逮捕した。母親が供述し始めたことで、猟奇殺人ともみられた犯行動機や手口の謎が解明され始めた。
防犯カメラには女性とみられる2人がホテルに入室し、スーツケースを持った女性が立ち去り、浴室には首のない男性の遺体…。謎だらけの事件は発生から約3週間で、ようやくパズルが解けてきた。
被害男性と逮捕された3人との間で、接点があったのは瑠奈容疑者。浩子容疑者が26日までに警察の取り調べに「娘と男性との間でトラブルがあった」と男性から暴力を受けた趣旨の供述をし始めた。
このトラブルについて、集英社オンラインは瑠奈容疑者の祖父の証言で、「瑠奈は結婚もしたことないし、男が大っ嫌いなんさ。(男性に)瑠奈は襲われてるんだよ」と不同意性交があった疑惑を報じている。
男性は女装の趣味があり、事件当日もディスコイベントに女装で参加していた。トラブルを受け、修容疑者が男性と話し合いの場を持ったというが、解決しなかったことで、瑠奈容疑者とともに深い恨みを抱いたまま、凶行に及んだ可能性があるという。
修、瑠奈両容疑者は事件前に札幌市内でのこぎりやスーツケース、手錠などを一緒に購入していた。犯行当日も修容疑者が瑠奈容疑者をホテル近くまで車で送り届け、犯行後は迎えに行ったとみられ、事前に犯行計画を共謀していたとされるが、なぜ娘を止めなかったのか。
この点について修容疑者が瑠奈容疑者を過度に溺愛してしまったことで親子の主従関係が逆転したとの見方が専門家から相次いでいる。修容疑者は帰宅しても家の中には入らずにガレージや車の中、庭で過ごすことが多く、近隣住民からは「家に居場所がないのか」「妻や娘に追い出されてしまった」と不審がられていた。男性への憎悪に駆られた瑠奈容疑者が殺人に手を染めようとするのも逆らうことができずに手を差し伸べたというのか。
もっとも犯行計画では遺体をバラバラにして、スーツケースで持ち去り、自宅に大量に用意したクーラーボックスに小分けし、何らかの方法で処分してしまえば、犂袷竿蛤甅瓩鮹成できると踏んだようだが、瑠奈容疑者は首を切断、持ち帰るだけで、台なしになったともいえる。
いまだ残る謎は、遺体切断が力作業で、女性ならなおさら困難なことだ。修容疑者は精神科医だったとはいえ、医学的見地からも知らなかったはずがない。また男性に反撃される可能性がある中で、殺害を娘一人に委ねた点も不可解だ。
ただ、室内に争った様子はないどころか、男性の体には争った痕もなかったことから室内に入った直後に殺害されたとみられ、手際の良さはプロ並みだった。
瑠奈、修両容疑者の認否が明らかになっていない中、浩子容疑者が完オチ間近とあって、事件の全容解明が待たれる。

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