津市で4歳の三女に暴行し死亡させたとして母親が逮捕された事件を巡り、三重県が過去に類似の虐待事案で児童を一時保護した割合を示す人工知能(AI)システムの情報を参考にした上で、一時保護を見送っていたことが11日、分かった。
保護率「39%」と示されたが、母親が児童相談所の指導に応じる姿勢を見せたことなどから、在宅での見守りとしていた。
システムは2020年に導入。過去に児相が対応した約1万3000件の事例が蓄積されており、けがの状況などを入力すると類似の事案で一時保護した割合が示される。
一見勝之知事は11日の記者会見で「AIの数値は参考にしかすぎない」と話し、担当者の判断が重要だと強調。一方で、今回の活用方法が「100%良かったのか結論は出せる状況にない」と述べ、外部の有識者で構成する第三者委員会に検証を委ねる考えを示した。