福岡県の北部九州の直方市。地元の人々や食品業界から熱い支持を集めている市場をご存じだろうか? 「直方がんだびっくり市」(以下びっくり市)は、金・土・日の9時~19時まで開催されている週末市場。3日間で約3万人が来場し、西日本最大の規模を誇っている。
もともとは食肉工場だったびっくり市。地域の人々からの要望があり割り安価格で肉の販売を開始すると、口コミが口コミを呼び大人気に。以来約50年間地元の人々に愛されている。
◆毎週土曜に開催される行列イベント
最初に紹介するのは朝市。びっくり市の起源にもなった土曜日の定番&人気イベントで、開場1時間前から列がのびはじめている。毎週肉や野菜、揚げ物やおかし……などなど、厳選された商品を格安で購入することができる。
ハンドベルと、びっくり市のオリジナルソング『アメージングマーケット』が鳴り響く中、朝市が開幕。エンドレスで流れている「週末はみんなそろってびっくり市でハバグッタイム~♪」という歌詞が耳に残る。※朝市の商品・価格は開催の度に変わります。
朝市のあとは自由に買い物を楽しもう。館内は十分な広さがありながらも通路が広く回りやすい。新鮮な食品たちが割安で並んでいるびっくり市では、普段の買い物からまとめ買いまであらゆるニーズに応えてくれるだろう。
◆安いのに品質が高い理由
お肉館は国内外の肉類を豊富に取り揃えている。びっくり市の精肉部門では、大量買付やオリジナルブランドの販売で低価格を実現している。肉類は販売日当日に切り分け、鮮度やクオリティーにこだわっているそうだ。
鮮魚店が2店舗、そして青果店が4店舗競合しているびっくり市は、互いが特徴を生かした販売でしのぎを削っている。
お野菜通りには多数の店舗が連なり、新鮮な野菜が格安で並んでいる。また、魚介類が中心のお魚館も驚きの安さと品揃えだ。
◆「クジラの専門店」には北九州のローカルフードも
お魚館には珍しいクジラの専門店もある。北九州のローカルフード「塩クジラ」は、真っ黒なくじらの塩漬け。炭鉱や鉄工所の、労働者の塩分補給にも重宝した食品だ。ご飯が進む一品なので、機会があれば一度挑戦してみてほしい。
どのテナントも取材に快く応じてもらえた。ある店舗の店主は「びっくり市は固定家賃なので、頑張った分だけ稼げる」と語ってくれた。
すぐに現地を訪れるのが難しい人は、びっくり市の運営元である明治屋産業が展開するオンラインストアがおすすめ。びっくり市の肉や冷凍食品などを買うことができる。
◆あらゆるB級グルメが一通り揃う
びっくり市は、買い食い天国でもある。たこ焼き・やきそば・回転焼き……あらゆるB級グルメが一通り揃っていると言っても過言ではない。
ベーカリーコーナーには、がっつりとしたパンが並んでいるが、実は無添加と体にもやさしい。なかでも国産小麦粉を使ったクロワッサンが人気だそうだ。
蒸し立て肉まんはふかふかの皮に、ぎゅっと肉汁が凝縮された餡。
もっとしっかり腹ごしらえをしたいときは3店舗が並ぶ「びっくり食堂」がおすすめ。午前10時から開いているので好きな時間にしっかり食事ができる。
びっくり市名物の釜揚げ豚足。茹でセルフでポン酢をたっぷりとかけていただく。焼き豚足と食べ比べても楽しいだろう。
そして豚足もスープに使っているという、豚骨ラーメンは絶品。400円のカレーや半チャーハンが付いたセットでも600円と衝撃の安さ。
◆裁量が大きいからこその多様な品ぞろえ
びっくり市の魅力は食べ物だけにはおさまらない。他にも生花店や日用雑貨店、理容店なども併設されている。中でもゲームコーナーはファミリー連れで賑わっている。
今ではなかなかプレイできない、マリオカートや太鼓の達人の旧型筐体が並んでいるので、ゲーム好きならぜひチェックしてもらいたい。
びっくり市には、案内図に載っていない店舗がある。お肉館を出てすぐの場所にあるアニメグッズ・書籍・衣類などが並ぶ『南里商店』だ。
このようなテナントはもちろん、びっくり市ではグロッサリーコーナーも担当者の自由裁量で仕入れが行われている。びっくり市は食品市場の範疇を超えて、地元の人々の生活に密着してつくられた場所なのだ。
館内の片隅には、携帯電話の各キャリアの契約・更新ができるコーナーも。なんと開始時期は約10年前。当時携帯電話が普及しつつあった時期でスピード対応出来る媒体として取り組み始めたそうだ。
今回印象に残ったのは、来場者がとにかく皆楽しそうな顔をしていたことだ。北九州出身の筆者も子どもの頃、びっくり市に行くときは毎回わくわくしていたことを思い出した。
長年地域の生活に寄り添う市場であり、総合テーマパークとすら言える『びっくり市』。おいしい食べ物とリアルな北九州の魅力を味わいたいときは、是非訪れてみてほしい。
注※本記事に登場する店舗・商品・価格は2023年5月27日時点のものです。
<取材・文/日比生梨香子>