北海道蘭越(らんこし)町のニセコ連山の山中にある地熱発電調査現場で、大量の蒸気が1週間以上噴出し続けている。
これまで硫化水素中毒などで3人が体調不良を訴えたほか、敷地内の水から基準を大幅に上回る有毒のヒ素が検出された。同町は7日、調査を進める三井石油開発(東京)に抗議した。
同社によると、調査のために掘削した井戸から、6月29日に蒸気が噴出し始めた。蒸気で周辺の森林が白く変色したり、沢の水が白濁したりした。同社は敷地内で採取した水から、飲料水の基準の1590倍に相当する1リットルあたり15・9ミリ・グラムのヒ素を検出したと今月6日に発表した。
周辺の河川からもヒ素が検出され、一時、農家に対し農業用水の取水制限が行われた。
同社は「住民に多大なご迷惑をかけ、おわびする」と謝罪し、噴出防止策を検討中だと説明している。