「女の子が“盗撮”されてます!」元ラブホ従業員が語るトンデモ事件簿。扉を開ければ“正座”の男性が…

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こんにちは。元ラブホ従業員の和田ハジメです。およそ6年もの間、渋谷区道玄坂にあるラブホテルにて受付業務および清掃業務に従事してきました。 ラブホの従業員と聞くとなんとなく暇そうな印象を抱く方も多いことかと思われますが、筆者が働いていたのは都内でも屈指の繁華街であり、なおかつ近隣他店と比較しても相当にリーズナブルな価格帯でお部屋を提供している激安店。
多少の繁閑差こそあれど、基本的にはせわしくお客様の応対に追われる日々を過ごしてきました。そして土地柄からか、“お行儀の悪い”お客様もかなりの頻度で来店され、トラブルを引き起こすこともしばしば……。
◆客室で「盗撮」を行った男性の顛末
激安店なのにもかかわらず、高度なホスピタリティを要求してくるお客様や、泥酔してお部屋をこれでもかというほどに汚すお客様などは、従業員側からすると本当に迷惑な存在なのですが、その程度の行為ならまだ全然マシなほう。中には“ガチの犯罪行為”である「盗撮」を行った方もいらっしゃいました。
そこで今回は、筆者が遭遇した盗撮事件について少しだけお話をさせていただければと思います。
◆ある日、気弱そうな男性が来店
いつ頃だったのか、どの季節だったのかすら忘れてしまいましたが、ある日のこと、1人の気弱そうな男性が来店されました。男性は2時間のコースを選択して客室へ。“デリバリー”を依頼したのでしょう、しばらくすると嬢らしくない雰囲気の、おとなしそうな女性が男性のいる部屋に入室しました。
◆「女の子が盗撮されてます!」
そこから1時間ほど過ぎたころでしょうか。突然いかつめの男性2人組が勢いよく現れ、
「〇〇号室(男性が入室している部屋)入ります! 女の子が盗撮されてます!」
と叫ぶような口ぶりで筆者に告げ、勢いよく階段を登っていきました。制止をする間もなく、筆者は呆気にとられてしまいました。
盗撮行為に遭遇したのはこの時が初。ちょうど後続のシフトに入っている方が早めに出勤してきたタイミングだったので、フロント業務を交代してもらい、筆者は急いで問題の客室へと向かいました。
◆客室では正座で説教されるお客様の姿が…
客室には、玄関先ですすり泣いている女性の姿があり、その奥には、ベッドの上で正座をしている気弱そうな男性と、彼に向かって怒号を発しているいかつめ男性2人組の姿が。
正座をしている気弱そうな男性は、白シャツに黒のスラックスという“オフィスワークスタイル”(洋服を着させられたのかもしれません)。その前には、まるで呪術道具かのように等間隔で「免許証」、「スマートフォン」、「小型カメラ」が並べられており、デリバリー業者である男性2人組のうち1人が小型カメラを渡すように要求している最中でした。
◆攻防戦の果てに「とりあえず“事務所”へ」
聞き耳を立てたところ、どうやら男性には妻子がいるらしく(免罪のための嘘かもしれませんが)、貯金もないためにデリバリー店規定の罰金が払えないというのです。おまけに小型カメラを渡すことも拒否し、今この場で壊すから勘弁して欲しいとのことでした。
しばらく彼らは攻防戦を続け(とはいえ、気弱そうな男性が平謝りし、業者2人が責め立てるといった様子でしたが)、結果として業者2人組が強制的に連行するような形で客室を後にしました。
連行中も話が続いており、「とりあえず“事務所”へ」という不穏な言葉が……。
その後、気弱そうな男性がどのような結末を迎えたのかは知る由もありませんが、当然ながらそれなりの報いを受けたはず。自分の欲を満たすために人生を棒に振るような真似だけは避けて、真っ当に生きていこうと筆者はその時誓いました。
少なくとも、盗撮男性の妻子は幸せであって欲しいです。
<文/和田ハジメ>
―[和田さんのラブホよもやま話]―

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