不倫中の夫が隠し持っていた「最低最悪の写真」。浮気相手の“衣裳”が異常すぎる…

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稲森いずみが、不倫夫に復讐する妻を演じる『夫婦が壊れるとき』(日本テレビ系、金曜深夜24時30分~)が注目を集めています。原作は2015・2017年にイギリスでオンエアされて大評判となった『女医フォスター 夫の情事、私の決断』(原題『Doctor Foster』)。2020年には韓国でもリメイクされ高視聴率を誇りました。
夫婦関係や不倫、夫婦間の“復讐”について著書多数の亀山早苗さんが、話題のドラマを読み解きます(以下、亀山さんの寄稿)。◆復讐を誓った妻へ、義母の死をきっかけに訪れた“変化”
ドラマ『夫婦が壊れるとき』第9話。陽子(稲森いずみ)は、夫・昂太(吉沢悠)の愛人である理央(優希美青)を監視してもらっている芽衣(結城モエ)から、昂太と理央が激しいケンカをしていたこと、そしてあのふたりはもう終わるのではないかという報告を受けた。
その言葉通り、昂太は少し落ち着いて家にいるようになった。だが彼は、常に陽子の顔色を気にかけている。息子を真ん中にして家族3人でテレビのお笑い番組を見ているシーンでは、陽子と昂太が無表情で、息子だけが笑っていた。
そんなとき、入院していた昂太の母が亡くなったという報せがくる。原作のイギリスドラマ『女医フォスター』では、息子の行状を知った母が自殺するという衝撃的な展開なのだが、日本のドラマは母を病死ということにしている。
昂太は大きなショックを受けた。母の思い出を語りながら、夫婦は結婚したばかりのころを思い出していく。
◆夫の裏切りを乗り越え、夫婦は再構築できるのか
泣き濡れる昂太を優しく抱き留める陽子。その脇に息子もやってきて、陽子はふたりの男をそれぞれの腕で抱く。そして彼女は決断するのだ。「夫とやり直そう」と。
自らの預金も学資保険も理央に貢ぐために奪われ、家まで抵当に入っていたのに、やり直そうと思える陽子の胆力がすごい。ふたりの歴史、家族の歴史が、昂太の母が亡くなったことで蘇ってきたのだろうが、「陽子さん、甘い。クズ男はクズのままだよ」と言いたくなってしまう。
果たして陽子たちは、本当にやり直すことができるのだろうか。 ◆出産直後に知ってしまった、夫の長年の浮気
「ゲスな夫だと見下しながらの再構築はやはり無理でした」
つらそうな表情でそう言ったのは、ナオミさん(仮名・42歳)だ。30歳のとき、2歳年下の男性と結婚、ひとり娘にも恵まれた。だが夫は、結婚前からつきあっていた人妻と別れられず、関係が続いていた。ナオミさんがそれを知ったのが結婚翌年の出産直後だった。
「相手の女性には子どもがいなかった。それで彼女はうちの子を見に来たんです。病室を間違えたフリをして。そのとき義妹が挙動不審だったんですよ。なんだかおかしいと思ったので義妹を問い詰めたら、『昔、兄がつきあっていた人』って。昔なのかとさらにしつこく聞いたら、結婚後も会っているみたいだと教えてくれた。義妹には申し訳なかったけど、夫を尾行してもらって証拠写真をもらいました。ベタベタといちゃつきながらホテルに入っていく写真で、それを見たときは思わず涙がこぼれました。産後だったし、子どもと一緒に死んでしまおうかと一瞬考えましたね」
◆不倫相手を「オレを男にしてくれた女だ」と語る夫
消えてしまいたいとさえ思ったが、次の瞬間、なぜ自分が死ななければいけないのかと気持ちが逆転した。義妹をたきつけて夫に水を向けると、夫は妹に対してペラペラと不倫の件を話したそうだ。

写真をつきつけて離婚を迫ると、夫はいきなり号泣した。自分は早くに母親を亡くし、継母にはかわいがってもらえなかった。継母は自分の子である妹ばかり大事にしていた。だから年上女性につい甘えてしまった。言い訳をしながらの号泣に、ナオミさんはついほだされたという。
「義妹は、父親の後妻の子なんです。彼女は、継母にかわいがられなかったことでいじけた義兄にいじめられた記憶が強い。だから私に協力して、夫の不倫を暴いてくれたんでしょう。私自身が頼んだことではあるけれど、義妹といえども妹に不倫を暴露された夫がちょっとかわいそうになって、年上人妻と別れるならやり直してもいいと言いました。子どもが生まれたばかりで私も不安だったし」 ◆がんばって再構築しようとしたのは私だけだった
夫は彼女の両手を握りしめて「ありがとう」と言った。それからは娘のめんどうもよく見るようになった。彼女も夫との距離を縮めようとがんばった。半年後には生理的に無理だと思っていたがセックスも受け入れた。だが1年ほどたったころにはまた帰宅が遅くなり、仕事が忙しいと虚ろな目をキョロキョロさせながら言った。
「しばらくすると頼んでもいないのに、義妹から『にいさん、またあの女と会ってる』と報告してくれたんです(笑)。結局、別れられなかったんでしょう。しかたがないので、会社経営者である不倫相手の夫に連絡しました。彼はまったく知らなかったようで、申し訳ない、調べて善処します、と」
その後、妻が浮気していることを確認した。あなたには誠意を尽くしますと言って、かなりの額を提示されたという。
「それをもらって、やっぱりやり直すのは無理だ、あなたはまだあの人妻とつきあっているのがわかったからと夫に言いました。がんばって再構築しようとしたのは私だけだったね、と。夫は離婚だけはしたくないと言いましたが、その直後、夫が彼女と撮っていた結婚衣装の写真を見つけてしまったんです。たまたま私が持って出ていこうと思っていた高校時代の卒業アルバムを探していたら、ダンボールからその写真が出てきて……。破って夫の鞄の中に入れておきました」
◆許せる不倫と許せない不倫がある
それからすぐ、彼女は子どもを連れて家を出た。夫は彼女の夫から訴えられたそうだ。今になって考えると、不倫にも「許せる不倫と許せない不倫がある」とナオミさんは言う。
「衝動的に一夜の関係を結んでしまったとか、そういうことなら私は許したと思うんです。でも結婚前から続いていた関係で、バレてからもほとぼりが冷めたらまたつきあって、バカみたいに結婚式のような写真まで撮ってるなんて、あまりに人をバカにしてる。妻を見下したような不倫は、やはり制裁を受けたほうがいいんです」
今、11歳になる娘とふたりで暮らすナオミさん。仕事をしながら子育てをするのは大変だが、同居する母親の協力を得ながら、精神的にはのんびり自由な生活をしていると笑顔を見せた。娘に元夫の話はほとんどしていない。元夫は会社を辞めたらしく、行方がわかっていないが、もし娘が会いたいと言ったら「探すしかないでしょうね」と彼女は淡々と言った。<文/亀山早苗>

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