倉田真由美 医療従事者への投稿が大炎上!5000件の罵声、脅迫相次ぐも「コロナ感染者責める社会は許せない」

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倉田真由美さん
〈自分が忙しいことを嘆き、怒る医療者のツイートを見た。仕事が忙しくてつらいなら、その仕事を辞めればいい。ボランティアじゃないんだから対価を貰っているんだろ。病気になった人を責めるくらいなら、辞めてくれ。〉
『だめんず・うぉ~か~』(扶桑社)などで知られる、漫画家の“くらたま”こと倉田真由美さん(51)がツイッターで、ある医療従事者に怒りをぶつける投稿をしたのは8月14日のこと。そのツイートは波紋を呼び、20日現在で5000回以上の引用ツイートをされ、各ニュース媒体でも取り上げられる騒動となっている。
渦中の人となった倉田さんの真意はなんだったのか。本誌の取材に応じた倉田さんが語ったのは、寛容さを失った現代社会への苦々しい思いだった。
「炎上は今まで何回か経験しているんですけど、今回はちょっと大きかったですね。私の中では最大の炎上かな」
そう笑う倉田さんだが、投稿のきっかけとなったのは、タイムラインでたまたま目についた、とある医療従事者のツイートだった。
「ある医療従事者の方が〈自分たちだって遊びたいのに、遊びまわったり帰省したりして感染した連中が、病床をひっ迫させるのが許せない〉といった投稿をしていたんです。私は以前から、感染者を非難したり、どこの誰が感染源だというようなもの言いに危機感を持っていました」
ワクチンをめぐる言い争い、マスクの是非に関する誹謗中傷…新型コロナによる社会の分断はとどまるところを知らない。倉田さんは、今年8月に新聞などが報じた、那覇市内で発生した乳幼児健診会場でのクラスターを例に挙げ、日本社会の危うさを指摘する。同報道では、ある母親のマスクの紐が切れたために10分間ほど未着用の状態があったことが指摘されている。
「どこから感染したかなんて、本当は誰にもわからないし、誰でも感染する可能性はある。それなのにそんな報道をされちゃったら、マスクの紐が切れた女性がクラスターの原因と言っているようなものですよね。そんなリンチのようなことがおこなわれ続けている。昨年の5月には、福岡の30代の女性が『コロナに感染して職場の人にうつしてしまった』という遺書を残して自殺しています。コロナに罹っただけで犯人扱い、魔女狩りですよね。誰も戦争に異議を唱えられなかった、戦時下の日本を彷彿とさせます」
倉田さんは、誰もがマスクを着けている現状にも違和感を覚えているという。
「欧米人はアジア人と違ってマスクに対する忌避感が強いので、どの国でも外していますよ。この病気って、べつに国を選んで感染してないから、どこだって条件は同じです。それなのに、誰も違和感を感じないのでしょうか」
倉田さんがマスクを着用せずに街を歩いていると、時として罵声を浴びせられることもある。
タイムラインでの反応は爆発的なものであり、〈医療従事者ですが同じ部署の人がコロナになって休み退職者も出て前の何倍も忙しい状況で働いてます。このツイートをネット記事で見たのですが、必死で頑張ってる自分が滑稽に思えて泣きたくなりました〉など、批判の声が殺到した。なかには罵声や脅迫のようなメッセージも大量に含まれており、〈世の中にとっていらないのは倉田真由美〉など、強烈な暴言もあった。
「基本的には無視しているのですが、たまに見てみると、驚くほど酷いことが書かれています。特に、私の子供に関して脅迫めいたツイートを書いてきた医療従事者には、かなり頭にきています」
怒りを露わにする倉田さんだが、投稿の内容に関しては反省している点もあると話す。
「発端となった投稿をきちんと引用していれば、という後悔はあります。私は、一般人を晒し上げるようなことはしたくないので、基本的に引用はしないんです。それもあって、たんに医療従事者に対して『カネもらってるんだから働け』と言ったように要約されて炎上してしまった。私の主張はそんなことじゃなくて、病気になった人を責めるなということが言いたいんです。
『(仕事を)辞めればいい』というのも、仕事がつらいなら逃げたっていいんだという、当たり前のことをいっただけ。でも、医療に従事する人が、患者に怒りをぶつけてはいけないでしょう? そもそも、コロナと闘う医療従事者を神格化する風潮がありますが、働いている人は皆、社会の宝。職業に貴賎はありません。誰もが汗水垂らしながら、この社会で頑張って生きている。それなのに天狗になる医療従事者が出てきて、感染者を攻撃するというのが、恐ろしいと思うんです」
倉田さんは、コロナの感染拡大による閉塞感で攻撃的になる人々に警鐘を鳴らし続ける。
「今はコロナに感染した人を社会的に“悪”とみなす風潮があると思うんです。誰だって、病気になりたいわけじゃない。人間らしい生活を送った結果、感染してしまうことはまったく悪いことじゃない。
本当は、もっと発言力のある人が声を上げないといけないと思うんです。私なんかより声の届く人、著名人や政治家……誰でもいいけど、そういう方に声を上げてほしいと思いますね。この異常な姿になってしまった日本が、元に戻ることはもうないのかもしれない。今、声を上げなくていつ上げるの?」

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