自身の「覗き見」趣味に悩む41歳男性 原点は幼少時に目撃した母親の“ありえない振る舞い”

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世の中には、さまざまな性的趣味を持つ人たちがいる。単なる趣味ならいざ知らず、それが満足されないと他人に迷惑をかけてしまうようなものもある。そして多くの人が、なぜ自分がそんな嗜好なのかわからないのだ。わからないが渇望してしまう。そしてその渇望が満たされるためなら犯罪の域まで行ってしまうこともなきにしもあらずだ。
【写真を見る】「夫が19歳女子大生と外泊報道」で離婚した女優、離婚の際「僕の財産は全部捧げる」と財産贈与した歌手など【「熟年離婚」した芸能人11人】「僕も何度か危ないときがありました」 こんなことを話していいのかと羞恥心はあるが、他者がどう思うのか知りたい気持ちが強い、その結果、今の状況にあることも打ち明けたいと言ってくれたのは、戸川秀顕さん(41歳・仮名=以下同)だ。秀顕さんは20歳のころから、人の性を「覗き見したい」欲求にかられるようになった。

秀顕さんは自身の「趣味」に振り回されてきた(写真はイメージ)「昔は公園などでカップルがいちゃいちゃしたり、深夜、止めてある車の中でコトに及んだりする人たちがいたんですよ。僕も覗き見できる公園にときどき行っていました。もちろん捕まらないように気をつけながら……。ただある日、どうしてリスクを負いながらこんなことをしているんだろうと考え、自分が変態なのではないかと悩むようになったんです」「僕が幼稚園生か小学校に上がったころか…」 単にスリルを求めていたわけではないとわかっていた。子どもの頃の記憶をたどっていったら、母親の浮気に思いが至った。「僕が幼稚園生か小学校に上がったころか……。家に帰ったら玄関の鍵が閉まっていた。うち、田舎でしたから当時、玄関に鍵をかける習慣なんてなかったんです。珍しいなと思いながら居間のほうへ回ったら引き戸が薄く開いていた。おかあさんと声をかけようとすると、母のうめき声が聞こえたんです。大変だ、おかあさんが苦しんでいると思って戸に手をかけたとき、中で母と隣のおじさんが全裸で絡み合っているのを見てしまった。子どもながらに見てはいけないものを見たと察して逃げ出しました」 その日は帰るに帰れず、夕方まで河原にいた。彼がいなくなったと大騒ぎになり、近所の人に見つけられて帰宅すると、母が泣きながら抱きついてきた。秀顕少年は「母の矛盾というか、大人の都合のよさに呆れて声も出なかった」そうだ。いつか捕まる…友だちに相談すると「その後、母の浮気のことはどういう決着がついたのかわかりませんが、気づいたら隣は引っ越していきました。のちのち、隣の家は離婚したとも聞きました。あの日のことは夢か幻かという状態だったけど、少なくとも僕の心には傷が残った。大人になって客観的に見ると、母は妙に色っぽいところがあると理解したし、小さな村だから妙な噂もいろいろあったけど、父はどう思っていたのだろうというのも不思議でしたね」 秀顕さんは、親戚の家に寄宿して高校に通ったので親と過ごした期間は短かった。あの一件があったから早く母親と離れたい気持ちもあったのだという。それなのに大学生になってから、脳に刻まれた記憶によるものなのか、「覗きたい欲求」にかられるようになったのだ。「こんなことをしていたらいつか捕まる。そう思ったので、当時、親しくしていた男友だちに相談したんです。そうしたら彼が、『オレと彼女を覗いてもいい』と言ってくれた。彼も変わってますよね。むしろ覗かれたい欲求があるんだと言ってました。彼のアパートの押し入れに潜んで、彼と彼女のむつみごとを、ときどき堪能させてもらいました。言いようのない興奮と幸福感に包まれましたね」 昔から「出歯亀」だの「覗き」だのと言われていたが、現代では単なる「趣味や性癖」と片づけられないようだ。見知らぬ人の裸や衣服を脱ぐ行為、または他の人の性行為を見ることに強い性的嗜好を有することを窃視症といい、それによって日常生活に支障が生じる場合、窃視障害といって精神医学的障害のひとつとなる。 永井荷風は自らが経営する遊郭で押し入れに小さな穴を開けて客の行為を覗き見していたらしい。 後編【性行為は好きではなかったはずなのに…41歳男性が明かす、恥ずかし過ぎる“人妻との出会い”から家庭崩壊まで】へつづく亀山早苗(かめやま・さなえ)フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。デイリー新潮編集部
「僕も何度か危ないときがありました」
こんなことを話していいのかと羞恥心はあるが、他者がどう思うのか知りたい気持ちが強い、その結果、今の状況にあることも打ち明けたいと言ってくれたのは、戸川秀顕さん(41歳・仮名=以下同)だ。秀顕さんは20歳のころから、人の性を「覗き見したい」欲求にかられるようになった。
「昔は公園などでカップルがいちゃいちゃしたり、深夜、止めてある車の中でコトに及んだりする人たちがいたんですよ。僕も覗き見できる公園にときどき行っていました。もちろん捕まらないように気をつけながら……。ただある日、どうしてリスクを負いながらこんなことをしているんだろうと考え、自分が変態なのではないかと悩むようになったんです」
単にスリルを求めていたわけではないとわかっていた。子どもの頃の記憶をたどっていったら、母親の浮気に思いが至った。
「僕が幼稚園生か小学校に上がったころか……。家に帰ったら玄関の鍵が閉まっていた。うち、田舎でしたから当時、玄関に鍵をかける習慣なんてなかったんです。珍しいなと思いながら居間のほうへ回ったら引き戸が薄く開いていた。おかあさんと声をかけようとすると、母のうめき声が聞こえたんです。大変だ、おかあさんが苦しんでいると思って戸に手をかけたとき、中で母と隣のおじさんが全裸で絡み合っているのを見てしまった。子どもながらに見てはいけないものを見たと察して逃げ出しました」
その日は帰るに帰れず、夕方まで河原にいた。彼がいなくなったと大騒ぎになり、近所の人に見つけられて帰宅すると、母が泣きながら抱きついてきた。秀顕少年は「母の矛盾というか、大人の都合のよさに呆れて声も出なかった」そうだ。
「その後、母の浮気のことはどういう決着がついたのかわかりませんが、気づいたら隣は引っ越していきました。のちのち、隣の家は離婚したとも聞きました。あの日のことは夢か幻かという状態だったけど、少なくとも僕の心には傷が残った。大人になって客観的に見ると、母は妙に色っぽいところがあると理解したし、小さな村だから妙な噂もいろいろあったけど、父はどう思っていたのだろうというのも不思議でしたね」
秀顕さんは、親戚の家に寄宿して高校に通ったので親と過ごした期間は短かった。あの一件があったから早く母親と離れたい気持ちもあったのだという。それなのに大学生になってから、脳に刻まれた記憶によるものなのか、「覗きたい欲求」にかられるようになったのだ。
「こんなことをしていたらいつか捕まる。そう思ったので、当時、親しくしていた男友だちに相談したんです。そうしたら彼が、『オレと彼女を覗いてもいい』と言ってくれた。彼も変わってますよね。むしろ覗かれたい欲求があるんだと言ってました。彼のアパートの押し入れに潜んで、彼と彼女のむつみごとを、ときどき堪能させてもらいました。言いようのない興奮と幸福感に包まれましたね」
昔から「出歯亀」だの「覗き」だのと言われていたが、現代では単なる「趣味や性癖」と片づけられないようだ。見知らぬ人の裸や衣服を脱ぐ行為、または他の人の性行為を見ることに強い性的嗜好を有することを窃視症といい、それによって日常生活に支障が生じる場合、窃視障害といって精神医学的障害のひとつとなる。
永井荷風は自らが経営する遊郭で押し入れに小さな穴を開けて客の行為を覗き見していたらしい。
後編【性行為は好きではなかったはずなのに…41歳男性が明かす、恥ずかし過ぎる“人妻との出会い”から家庭崩壊まで】へつづく
亀山早苗(かめやま・さなえ)フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。
デイリー新潮編集部

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