5月下旬、札幌市清田区の住宅街で、人がキツネに追い回される事案が発生した。キツネは出産後の子育て期で、気が立っていたとみられる。愛らしい姿だが、寄生虫「エキノコックス」がすみ着いていることもあり、人間に感染した場合、重篤な肝不全を引き起こすとされる。札幌市の担当者は接触しないように呼びかけている。【後藤佳怜、山田豊】
毛がない… 身近な動物、なぜこんな姿に? 「散歩中だった夫が、『ウォンウォン』と犬に似た鳴き声がして振り返ると、キツネに追いかけられた」。5月31日、札幌市清田区の平岡公園近くで50代の女性が話した。女性の夫は30日午後7時ごろ、公園付近で犬の散歩中だったという。女性は「住宅街の中でも、これまで出てこなかった場所にまで出没している。何とかならないか」とため息をついた。
平岡公園は住宅街に隣接する。犬の散歩やランニングなどを楽しむ地域住民が多く、憩いの場になっている。一方、公園内は木々が生い茂るエリアもあり、清田区健康・子ども課生活衛生担当の鈴木敦詞さんは「(平岡公園は)自然豊かで、野鳥なども多いため、キツネの餌場になっている可能性がある」と指摘する。 キタキツネは3~4月ごろに出産し、5月は子育てで気が立っていることが多い。加えて、5~8月は子ギツネのエサ探しで日中に活動し、市中で遭遇する機会が増える。 公園近くの住宅街に住む30代男性は「この春、住宅街や公園周辺で、2日に一度はキツネを見る。カラスの子どもをくわえたキツネもいた」と語る。50代男性は「庭にも入ってくるので、家庭菜園をやめた」と言う。庭で、飼い猫とキツネが威嚇し合っていたという目撃情報もあった。70代男性は「飼い犬を追い回してくるが『シッシッ』と追い払うと、どこかに逃げていく。キツネも子育ての時期なので、仕方がない」とあきらめ顔だ。 キツネのフンはエキノコックスの卵が含まれている恐れがある。体内に入ると最悪の場合、死に至ることもある。手指を介して体内に入ることを防ぐため、キツネやフンに触れた場合は手洗いの徹底が必要とされている。 札幌市環境共生担当課の坂田一人課長は「数年前、清田区の里塚地区に人にほえて追い回すキツネが出た。春は子育ての時期で気が立っていることが原因の一つと考えられる。また、地域によっては餌付けなどで、人に慣れたキツネもいる」と話し、キツネを見かけても近付いたり餌付けしたりしないように求めた。
「散歩中だった夫が、『ウォンウォン』と犬に似た鳴き声がして振り返ると、キツネに追いかけられた」。5月31日、札幌市清田区の平岡公園近くで50代の女性が話した。女性の夫は30日午後7時ごろ、公園付近で犬の散歩中だったという。女性は「住宅街の中でも、これまで出てこなかった場所にまで出没している。何とかならないか」とため息をついた。
平岡公園は住宅街に隣接する。犬の散歩やランニングなどを楽しむ地域住民が多く、憩いの場になっている。一方、公園内は木々が生い茂るエリアもあり、清田区健康・子ども課生活衛生担当の鈴木敦詞さんは「(平岡公園は)自然豊かで、野鳥なども多いため、キツネの餌場になっている可能性がある」と指摘する。
キタキツネは3~4月ごろに出産し、5月は子育てで気が立っていることが多い。加えて、5~8月は子ギツネのエサ探しで日中に活動し、市中で遭遇する機会が増える。
公園近くの住宅街に住む30代男性は「この春、住宅街や公園周辺で、2日に一度はキツネを見る。カラスの子どもをくわえたキツネもいた」と語る。50代男性は「庭にも入ってくるので、家庭菜園をやめた」と言う。庭で、飼い猫とキツネが威嚇し合っていたという目撃情報もあった。70代男性は「飼い犬を追い回してくるが『シッシッ』と追い払うと、どこかに逃げていく。キツネも子育ての時期なので、仕方がない」とあきらめ顔だ。
キツネのフンはエキノコックスの卵が含まれている恐れがある。体内に入ると最悪の場合、死に至ることもある。手指を介して体内に入ることを防ぐため、キツネやフンに触れた場合は手洗いの徹底が必要とされている。
札幌市環境共生担当課の坂田一人課長は「数年前、清田区の里塚地区に人にほえて追い回すキツネが出た。春は子育ての時期で気が立っていることが原因の一つと考えられる。また、地域によっては餌付けなどで、人に慣れたキツネもいる」と話し、キツネを見かけても近付いたり餌付けしたりしないように求めた。