借金地獄に陥った32歳女性事務員。夢を諦めた理由は「給料が安いから」

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人生において、夢を叶えることが大切だとする言説が溢れているが、夢を追ったばかりに、思わぬ方向に人生が変わってしまった人もいる。 平井明日菜さん(32歳・仮名)も、そんな不測の人生を歩んでいる1人だ。彼女は「自分の人生よりも大切」とするものがあり、そのために多額の借金を抱えている。
◆夢があったが、30代が近づき焦るように
「どうしてこうなっちゃったんだろうと思う時はありますね。20代のころは日本語学校の教師を目指していたんです。言葉を教えることを通して、日本の良さを広めたいなって」
そのために、平井さんは本格的に英語を勉強しようと考え、海外留学を目指していた。
「でも、留学費用を貯めるのが大変でした。当時、事務の仕事をしていたんですが全然貯められなくて……。大学の奨学金の支払いがあって、実家にもお金を入れていたので、毎月、貯金できてもわずかな額でした。そのまま30代も近くなってきて、焦りを覚えるようになりました」
◆副業としてパパ活を始めることに
とても事務職だけでは目標金額を貯められそうにない。そう考え、効率の良い副業を探すことに……。
「ネットで調べていて、これはと思ったのがいわゆる『パパ活』でした。副業でバイトするよりも手っ取り早くお金を稼げると思ったんです。でも、正直うまくいくとは、全く思ってもいませんでしたね」
それは、自分に自信がなかったからだという。
◆徐々に自信をつけていく
「交際経験は大学の時に一度だけで、これまで男性にモテた経験なんてありません。だから、男の人に好かれるタイプだとは思っていなかったんです。ダメ元で始めたんですが、だからこそ気負わずに始められたのかもしれません」
だが、はじめてみると予想外のことに……。
「毎週一緒に食事をするだけで1回3万円くれる、いわゆる太パパがすぐについたんです。それから、服や化粧にもお金をかけるようになって、メイクの仕方も勉強しました。そうしたら、自分のルックスに自信が持てるようになったんです。それからは苦手だったパーティーにも積極的に参加するようになって、新たなパパも見つけることができました」
◆意気投合した女性と飲みに行った先は…
そんななかで、心の支えとなる女性と出会った。
「パパ活パーティーで何回か一緒になって、意気投合した女性がいたんです。彼女は、パパ活歴が長くて、10代のときからやっているという話でした。『こういう人は危ない』とか『あのパーティーは参加しない方がいい』とか色々と教えてもらいましたね。私の夢のことも応援してくれて。ある時に、その女性に『おごるから飲みに行こうよ』と誘われたんです」
そうして向かった先は……。
「ホストクラブでした。その女性には長く支えているホストがいたんです。私についたホストは何人か変わりましたが、そのなかで運命的な出会いをして………。好みのルックスだったので緊張したんですが、『めちゃくちゃタイプ』と言われて……。
自分が良いなと思った人に、そういう風に言ってもらったことがなかったので、本当に嬉しかったんです。それからはそのホストをNo.1にしたくて、頻繁に通うことに。誕生日やお店の周年記念などのイベントでは、3桁以上の額を払っていました」
◆パパ活の目的が借金返済へ…
ホストが忙しい時は、席に座らず、お金を落とすためだけに店に行く「キャッシャーチェック」なる行為も行ったという。

だが、その代償は大きかった。
「気づけば、お金が追いつかなくなっていました。消費者金融で借金もするようになっていて、どんどん借金が増えていったんです。マックスでパパ活しても破綻しそうなところまでいったので、流石にヤバイと思いました。今はホストの方はセーブして、借金の返済のためにパパ活している状況ですね」
◆実家には「4年帰っていない」
日本語学校の教師の夢はどうなったのだろうか。
「それは、もう吹き飛んじゃいましたね(笑)。そのせいで結構辛いんですよね。夢の実現どうこうじゃなくて……母親ですね。母には夢のことを話していたので、聞かれるのがしんどくて……。これまではコロナで渡航できないというのを言い訳にしていましたが、それももう厳しくなっていて……。パパ活やホストのことは、もちろん秘密です。母と話をすると、夢を応援されるのが後ろめたくて、もう4年ぐらい実家には帰ってないですね」
平井さんは日本語学校の夢を諦めた理由を「給料が安いから」と語っている。借金の返済が終わったら、またホストクラブ通いを再開するつもりだという。
<TEXT/和泉太郎>

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