《音声入手》「『死ね』『クソ』と言ったかもしれない」名門野球部・滝川第二監督“解任”騒動 怒号飛びかう保護者説明会で発表された″新たな不適切行為”とは?

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「本日、自ら辞意を表明していただくようお願いしました。ところが、頑なに『もう一度やらせてください。チャンスを与えてください』と。どうしても自分でお辞めにならないとのことでしたので、私の方から決断して『今日、西詰さんとの契約を解除します』とお伝えしました。よって西詰さんは本日付けで監督を降りることになりました」
【写真】「誠実で逞しく」と語る瀧川理事長 春夏合わせて7回の甲子園出場を誇る兵庫県神戸市の滝川第二高等学校が、西詰嘉明監督(52)の壮絶なパワハラ問題で揺れている。

セガサミー時代の西詰嘉明監督 瀧川稔朗理事長による“解任発言”が飛び出したのは、9月9日の夜に校内の図書室で行われた緊急保護者会の席でのことだった。 ことの発端は今年4月頃、新型コロナウイルスに感染した2年生部員に対して、「(生徒の名前)+菌」と汚物のような扱いをしたり、選手に「殺すぞ」と発言していたことだった。2人の顧問教員からも、生徒の前で「教師辞めてしまえ」と叱責されたと申告があるなど、西詰監督の暴言やパワハラ行為が問題化していたという。「高野連に報告していなかったとすれば問題があるのでは」 しかし学校側は6月に西詰監督のパワハラを把握していたにもかかわらず、高野連に報告せず夏の兵庫県大会に出場していたことが文春オンラインの取材でわかった。スポーツ紙記者が語る。「生徒や教員らの訴えによってパワハラ問題が発覚し、学校は西詰監督に聞き取り調査を行っています。西詰監督は『菌という言葉を使ったことはない』と一部を否定したようですが、遅くとも6月には学校側は複数の生徒らからの聴取で暴言を認定。監督も生徒や教員らに謝罪し、10日間の謹慎処分を受けています。完全に野球部内で起きたトラブルですから、高野連に報告していなかったとすれば問題があるのでは」 滝川第二高校の野球部は、3学年合わせて部員数62人を擁し、プロ野球選手も輩出している名門校だ。しかし2015年の夏を最後に甲子園から遠ざかっており、強豪復活のために白羽の矢が立ったのが、1987年に同校が甲子園初出場を果たした時のメンバーである西詰前監督で、昨夏と今夏は兵庫県で2年連続ベスト8に進出している。 しかし9月9日、学校側は高野連の処分を待たずに解任を断行。当日夜には解任の経緯を説明する緊急保護者会が開かれた。文春オンライン取材班が入手した保護者会の約50分の音声には、隠蔽を認める理事長の発言と涙する保護者らの悲痛な声が飛び交う異常事態が記録されていた。 同校の理事長、校長、教頭、顧問らが出席した緊急保護者会は19時から始まった。西詰監督は欠席し、冒頭で理事長ら学校経営陣は立ったまま頭を下げた。そして、瀧川理事長は西詰監督が解任に至った経緯を保護者らに自らこう説明した。「本日西詰氏にお尋ねしましたところ、『反省しております』という言葉をいただきましたけども、より具体的なことについては語ってはもらえませんでした。(暴言やパワハラについて)もう一度改めて確認したところ、『記憶にない』という回答が出てまいりました。実際、うちの事務員に対しても恫喝、叱責していたことを私は実際に見ておりますし、西詰さんに注意したことはあります。本人が自覚してない部分が多数見受けられ、自分がしたことについての反省は大きくはされていないのではという疑念を私は抱きました。そこで確認したところ、『死ね』『クソ』といった言葉は使ったかもしれない、と」「西詰監督はむすっとしたっ表情で謝罪していました」 理事長は「西詰さんに強く指導してこなかったのは、私、経営陣の落ち度です」と責任を認めて謝罪したが、保護者らの不信感は収まらなかった。野球部関係者が打ち明ける。「実は緊急保護者会は今回が2回目で、夏の大会前の6月12日に第1回の保護者会がありました。その時に校長先生から西詰監督の暴言とパワハラの報告があり、西詰監督はユニフォーム姿で現れてむすっとした表情で謝罪していました。しかし頭を深く下げるわけでもなく、脚を大きく開いて座っていて心から反省しているようにはとても見えませんでした。夏の大会が終わったら改めて保護者会を開いて説明すると約束していたのに、1カ月以上音沙汰もありませんでした」 瀧川理事長は高野連への報告などの対処が遅れた理由について、「夏の大会寸前だったため」と保護者会で発言している。詳細な発言は以下の通りだ。保護者「普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない」「前回(6月)の段階でこの件が発覚しておりますので本来、その際に(高野連に)伝えるべきだったと僕は思っております。しかし、残念ながら当時は夏の大会寸前だったこともあり、3年生の要望も聞き入れなければならないと判断した結果、高野連に報告せずにまず調査をして、結果、謹慎処分を科したというのが西詰さんの現状です。結果的に夏の大会にああいった形で出場したと。高野連には遅ればせながら調査をしていた結果、こういう形ですという報告をした次第です」 保護者会の質疑応答でも、真相究明や西詰監督の責任を問う声と同じくらい、監督を擁護する声や、野球部の1日も早い活動再開を求める声も多くあがった。保護者A 「監督が辞めてしまった」と息子が泣いていました。高野連の決定を踏まえて選手、保護者にも意見を聞いてくださるということでしたが、みんなの意見を聞いてくださったのでしょうか。傷ついた人だけの意見を聞いて、(パワハラ発言を)監督も認めてらっしゃらない、証拠もないですよね。(監督を)陥れようとすることもできてしまいますよね。監督を慕っているたくさんの選手を無視するんですか。理事長 本人が一部、発言したことを認めていて、それだけが理由です。判断を考える必要はないと思っています。精神的な被害を受けている部分を優先したのは事実です。謝罪をして済む問題と済まない問題があります。保護者B 高校生活の野球期間って実際は2年ぐらいしかない。新しい監督はいつ決まるんですか。今までの学校の対応を見ていても、遅くて不信に思います。高いお金を払って、滝川第二高校で質の高い野球ができるという期待を持ってこの学校を選んで入学しました。普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない。理事長 今回の一件は個人情報的なものが多く、スピード感は意識していたが情報収集に手間取ったり、事実確認をどこかにしたらこの話が洩れてしまうと、私自身もイライラしながら動いていたのは事実です。例えば滝川第二高の理事長が、報道もされてない状態で「いい監督はいないか」とあからさまに探すわけにもいきませんでした。ただ、後手になっているのは否めない。申し訳ございません。 兵庫県の高校野球事情に詳しいジャーナリストは、滝川第二高校が高野連への報告を渋った理由をこう推測する。「滝川第二は大阪桐蔭などと同じいわゆる“文武別道”の学校で、野球部やサッカー部が多いCコースと進学コースでは偏差値が20近く違います。なので部活が機能停止すれば、Cコースに通う生徒や保護者にとってはこの学校に通う理由がほとんどなくなってしまうのが現実。だからこそ学校は夏の大会に出られなくなる可能性を恐れて高野連に報告できなかったし、保護者の中にも問題解決より部活の続行を求める声があるのでしょう。根深い問題です」 さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」学校側は「お答えは、差し控えさせていただきたく存じます」と回答 滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」 西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》 暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
春夏合わせて7回の甲子園出場を誇る兵庫県神戸市の滝川第二高等学校が、西詰嘉明監督(52)の壮絶なパワハラ問題で揺れている。
セガサミー時代の西詰嘉明監督
瀧川稔朗理事長による“解任発言”が飛び出したのは、9月9日の夜に校内の図書室で行われた緊急保護者会の席でのことだった。
ことの発端は今年4月頃、新型コロナウイルスに感染した2年生部員に対して、「(生徒の名前)+菌」と汚物のような扱いをしたり、選手に「殺すぞ」と発言していたことだった。2人の顧問教員からも、生徒の前で「教師辞めてしまえ」と叱責されたと申告があるなど、西詰監督の暴言やパワハラ行為が問題化していたという。
しかし学校側は6月に西詰監督のパワハラを把握していたにもかかわらず、高野連に報告せず夏の兵庫県大会に出場していたことが文春オンラインの取材でわかった。スポーツ紙記者が語る。
「生徒や教員らの訴えによってパワハラ問題が発覚し、学校は西詰監督に聞き取り調査を行っています。西詰監督は『菌という言葉を使ったことはない』と一部を否定したようですが、遅くとも6月には学校側は複数の生徒らからの聴取で暴言を認定。監督も生徒や教員らに謝罪し、10日間の謹慎処分を受けています。完全に野球部内で起きたトラブルですから、高野連に報告していなかったとすれば問題があるのでは」 滝川第二高校の野球部は、3学年合わせて部員数62人を擁し、プロ野球選手も輩出している名門校だ。しかし2015年の夏を最後に甲子園から遠ざかっており、強豪復活のために白羽の矢が立ったのが、1987年に同校が甲子園初出場を果たした時のメンバーである西詰前監督で、昨夏と今夏は兵庫県で2年連続ベスト8に進出している。 しかし9月9日、学校側は高野連の処分を待たずに解任を断行。当日夜には解任の経緯を説明する緊急保護者会が開かれた。文春オンライン取材班が入手した保護者会の約50分の音声には、隠蔽を認める理事長の発言と涙する保護者らの悲痛な声が飛び交う異常事態が記録されていた。 同校の理事長、校長、教頭、顧問らが出席した緊急保護者会は19時から始まった。西詰監督は欠席し、冒頭で理事長ら学校経営陣は立ったまま頭を下げた。そして、瀧川理事長は西詰監督が解任に至った経緯を保護者らに自らこう説明した。「本日西詰氏にお尋ねしましたところ、『反省しております』という言葉をいただきましたけども、より具体的なことについては語ってはもらえませんでした。(暴言やパワハラについて)もう一度改めて確認したところ、『記憶にない』という回答が出てまいりました。実際、うちの事務員に対しても恫喝、叱責していたことを私は実際に見ておりますし、西詰さんに注意したことはあります。本人が自覚してない部分が多数見受けられ、自分がしたことについての反省は大きくはされていないのではという疑念を私は抱きました。そこで確認したところ、『死ね』『クソ』といった言葉は使ったかもしれない、と」「西詰監督はむすっとしたっ表情で謝罪していました」 理事長は「西詰さんに強く指導してこなかったのは、私、経営陣の落ち度です」と責任を認めて謝罪したが、保護者らの不信感は収まらなかった。野球部関係者が打ち明ける。「実は緊急保護者会は今回が2回目で、夏の大会前の6月12日に第1回の保護者会がありました。その時に校長先生から西詰監督の暴言とパワハラの報告があり、西詰監督はユニフォーム姿で現れてむすっとした表情で謝罪していました。しかし頭を深く下げるわけでもなく、脚を大きく開いて座っていて心から反省しているようにはとても見えませんでした。夏の大会が終わったら改めて保護者会を開いて説明すると約束していたのに、1カ月以上音沙汰もありませんでした」 瀧川理事長は高野連への報告などの対処が遅れた理由について、「夏の大会寸前だったため」と保護者会で発言している。詳細な発言は以下の通りだ。保護者「普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない」「前回(6月)の段階でこの件が発覚しておりますので本来、その際に(高野連に)伝えるべきだったと僕は思っております。しかし、残念ながら当時は夏の大会寸前だったこともあり、3年生の要望も聞き入れなければならないと判断した結果、高野連に報告せずにまず調査をして、結果、謹慎処分を科したというのが西詰さんの現状です。結果的に夏の大会にああいった形で出場したと。高野連には遅ればせながら調査をしていた結果、こういう形ですという報告をした次第です」 保護者会の質疑応答でも、真相究明や西詰監督の責任を問う声と同じくらい、監督を擁護する声や、野球部の1日も早い活動再開を求める声も多くあがった。保護者A 「監督が辞めてしまった」と息子が泣いていました。高野連の決定を踏まえて選手、保護者にも意見を聞いてくださるということでしたが、みんなの意見を聞いてくださったのでしょうか。傷ついた人だけの意見を聞いて、(パワハラ発言を)監督も認めてらっしゃらない、証拠もないですよね。(監督を)陥れようとすることもできてしまいますよね。監督を慕っているたくさんの選手を無視するんですか。理事長 本人が一部、発言したことを認めていて、それだけが理由です。判断を考える必要はないと思っています。精神的な被害を受けている部分を優先したのは事実です。謝罪をして済む問題と済まない問題があります。保護者B 高校生活の野球期間って実際は2年ぐらいしかない。新しい監督はいつ決まるんですか。今までの学校の対応を見ていても、遅くて不信に思います。高いお金を払って、滝川第二高校で質の高い野球ができるという期待を持ってこの学校を選んで入学しました。普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない。理事長 今回の一件は個人情報的なものが多く、スピード感は意識していたが情報収集に手間取ったり、事実確認をどこかにしたらこの話が洩れてしまうと、私自身もイライラしながら動いていたのは事実です。例えば滝川第二高の理事長が、報道もされてない状態で「いい監督はいないか」とあからさまに探すわけにもいきませんでした。ただ、後手になっているのは否めない。申し訳ございません。 兵庫県の高校野球事情に詳しいジャーナリストは、滝川第二高校が高野連への報告を渋った理由をこう推測する。「滝川第二は大阪桐蔭などと同じいわゆる“文武別道”の学校で、野球部やサッカー部が多いCコースと進学コースでは偏差値が20近く違います。なので部活が機能停止すれば、Cコースに通う生徒や保護者にとってはこの学校に通う理由がほとんどなくなってしまうのが現実。だからこそ学校は夏の大会に出られなくなる可能性を恐れて高野連に報告できなかったし、保護者の中にも問題解決より部活の続行を求める声があるのでしょう。根深い問題です」 さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」学校側は「お答えは、差し控えさせていただきたく存じます」と回答 滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」 西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》 暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
「生徒や教員らの訴えによってパワハラ問題が発覚し、学校は西詰監督に聞き取り調査を行っています。西詰監督は『菌という言葉を使ったことはない』と一部を否定したようですが、遅くとも6月には学校側は複数の生徒らからの聴取で暴言を認定。監督も生徒や教員らに謝罪し、10日間の謹慎処分を受けています。完全に野球部内で起きたトラブルですから、高野連に報告していなかったとすれば問題があるのでは」
滝川第二高校の野球部は、3学年合わせて部員数62人を擁し、プロ野球選手も輩出している名門校だ。しかし2015年の夏を最後に甲子園から遠ざかっており、強豪復活のために白羽の矢が立ったのが、1987年に同校が甲子園初出場を果たした時のメンバーである西詰前監督で、昨夏と今夏は兵庫県で2年連続ベスト8に進出している。
しかし9月9日、学校側は高野連の処分を待たずに解任を断行。当日夜には解任の経緯を説明する緊急保護者会が開かれた。文春オンライン取材班が入手した保護者会の約50分の音声には、隠蔽を認める理事長の発言と涙する保護者らの悲痛な声が飛び交う異常事態が記録されていた。
同校の理事長、校長、教頭、顧問らが出席した緊急保護者会は19時から始まった。西詰監督は欠席し、冒頭で理事長ら学校経営陣は立ったまま頭を下げた。そして、瀧川理事長は西詰監督が解任に至った経緯を保護者らに自らこう説明した。「本日西詰氏にお尋ねしましたところ、『反省しております』という言葉をいただきましたけども、より具体的なことについては語ってはもらえませんでした。(暴言やパワハラについて)もう一度改めて確認したところ、『記憶にない』という回答が出てまいりました。実際、うちの事務員に対しても恫喝、叱責していたことを私は実際に見ておりますし、西詰さんに注意したことはあります。本人が自覚してない部分が多数見受けられ、自分がしたことについての反省は大きくはされていないのではという疑念を私は抱きました。そこで確認したところ、『死ね』『クソ』といった言葉は使ったかもしれない、と」「西詰監督はむすっとしたっ表情で謝罪していました」 理事長は「西詰さんに強く指導してこなかったのは、私、経営陣の落ち度です」と責任を認めて謝罪したが、保護者らの不信感は収まらなかった。野球部関係者が打ち明ける。「実は緊急保護者会は今回が2回目で、夏の大会前の6月12日に第1回の保護者会がありました。その時に校長先生から西詰監督の暴言とパワハラの報告があり、西詰監督はユニフォーム姿で現れてむすっとした表情で謝罪していました。しかし頭を深く下げるわけでもなく、脚を大きく開いて座っていて心から反省しているようにはとても見えませんでした。夏の大会が終わったら改めて保護者会を開いて説明すると約束していたのに、1カ月以上音沙汰もありませんでした」 瀧川理事長は高野連への報告などの対処が遅れた理由について、「夏の大会寸前だったため」と保護者会で発言している。詳細な発言は以下の通りだ。保護者「普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない」「前回(6月)の段階でこの件が発覚しておりますので本来、その際に(高野連に)伝えるべきだったと僕は思っております。しかし、残念ながら当時は夏の大会寸前だったこともあり、3年生の要望も聞き入れなければならないと判断した結果、高野連に報告せずにまず調査をして、結果、謹慎処分を科したというのが西詰さんの現状です。結果的に夏の大会にああいった形で出場したと。高野連には遅ればせながら調査をしていた結果、こういう形ですという報告をした次第です」 保護者会の質疑応答でも、真相究明や西詰監督の責任を問う声と同じくらい、監督を擁護する声や、野球部の1日も早い活動再開を求める声も多くあがった。保護者A 「監督が辞めてしまった」と息子が泣いていました。高野連の決定を踏まえて選手、保護者にも意見を聞いてくださるということでしたが、みんなの意見を聞いてくださったのでしょうか。傷ついた人だけの意見を聞いて、(パワハラ発言を)監督も認めてらっしゃらない、証拠もないですよね。(監督を)陥れようとすることもできてしまいますよね。監督を慕っているたくさんの選手を無視するんですか。理事長 本人が一部、発言したことを認めていて、それだけが理由です。判断を考える必要はないと思っています。精神的な被害を受けている部分を優先したのは事実です。謝罪をして済む問題と済まない問題があります。保護者B 高校生活の野球期間って実際は2年ぐらいしかない。新しい監督はいつ決まるんですか。今までの学校の対応を見ていても、遅くて不信に思います。高いお金を払って、滝川第二高校で質の高い野球ができるという期待を持ってこの学校を選んで入学しました。普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない。理事長 今回の一件は個人情報的なものが多く、スピード感は意識していたが情報収集に手間取ったり、事実確認をどこかにしたらこの話が洩れてしまうと、私自身もイライラしながら動いていたのは事実です。例えば滝川第二高の理事長が、報道もされてない状態で「いい監督はいないか」とあからさまに探すわけにもいきませんでした。ただ、後手になっているのは否めない。申し訳ございません。 兵庫県の高校野球事情に詳しいジャーナリストは、滝川第二高校が高野連への報告を渋った理由をこう推測する。「滝川第二は大阪桐蔭などと同じいわゆる“文武別道”の学校で、野球部やサッカー部が多いCコースと進学コースでは偏差値が20近く違います。なので部活が機能停止すれば、Cコースに通う生徒や保護者にとってはこの学校に通う理由がほとんどなくなってしまうのが現実。だからこそ学校は夏の大会に出られなくなる可能性を恐れて高野連に報告できなかったし、保護者の中にも問題解決より部活の続行を求める声があるのでしょう。根深い問題です」 さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」学校側は「お答えは、差し控えさせていただきたく存じます」と回答 滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」 西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》 暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
同校の理事長、校長、教頭、顧問らが出席した緊急保護者会は19時から始まった。西詰監督は欠席し、冒頭で理事長ら学校経営陣は立ったまま頭を下げた。そして、瀧川理事長は西詰監督が解任に至った経緯を保護者らに自らこう説明した。
「本日西詰氏にお尋ねしましたところ、『反省しております』という言葉をいただきましたけども、より具体的なことについては語ってはもらえませんでした。(暴言やパワハラについて)もう一度改めて確認したところ、『記憶にない』という回答が出てまいりました。実際、うちの事務員に対しても恫喝、叱責していたことを私は実際に見ておりますし、西詰さんに注意したことはあります。本人が自覚してない部分が多数見受けられ、自分がしたことについての反省は大きくはされていないのではという疑念を私は抱きました。そこで確認したところ、『死ね』『クソ』といった言葉は使ったかもしれない、と」
理事長は「西詰さんに強く指導してこなかったのは、私、経営陣の落ち度です」と責任を認めて謝罪したが、保護者らの不信感は収まらなかった。野球部関係者が打ち明ける。
「実は緊急保護者会は今回が2回目で、夏の大会前の6月12日に第1回の保護者会がありました。その時に校長先生から西詰監督の暴言とパワハラの報告があり、西詰監督はユニフォーム姿で現れてむすっとした表情で謝罪していました。しかし頭を深く下げるわけでもなく、脚を大きく開いて座っていて心から反省しているようにはとても見えませんでした。夏の大会が終わったら改めて保護者会を開いて説明すると約束していたのに、1カ月以上音沙汰もありませんでした」
瀧川理事長は高野連への報告などの対処が遅れた理由について、「夏の大会寸前だったため」と保護者会で発言している。詳細な発言は以下の通りだ。
「前回(6月)の段階でこの件が発覚しておりますので本来、その際に(高野連に)伝えるべきだったと僕は思っております。しかし、残念ながら当時は夏の大会寸前だったこともあり、3年生の要望も聞き入れなければならないと判断した結果、高野連に報告せずにまず調査をして、結果、謹慎処分を科したというのが西詰さんの現状です。結果的に夏の大会にああいった形で出場したと。高野連には遅ればせながら調査をしていた結果、こういう形ですという報告をした次第です」
保護者会の質疑応答でも、真相究明や西詰監督の責任を問う声と同じくらい、監督を擁護する声や、野球部の1日も早い活動再開を求める声も多くあがった。
保護者A 「監督が辞めてしまった」と息子が泣いていました。高野連の決定を踏まえて選手、保護者にも意見を聞いてくださるということでしたが、みんなの意見を聞いてくださったのでしょうか。傷ついた人だけの意見を聞いて、(パワハラ発言を)監督も認めてらっしゃらない、証拠もないですよね。(監督を)陥れようとすることもできてしまいますよね。監督を慕っているたくさんの選手を無視するんですか。理事長 本人が一部、発言したことを認めていて、それだけが理由です。判断を考える必要はないと思っています。精神的な被害を受けている部分を優先したのは事実です。謝罪をして済む問題と済まない問題があります。保護者B 高校生活の野球期間って実際は2年ぐらいしかない。新しい監督はいつ決まるんですか。今までの学校の対応を見ていても、遅くて不信に思います。高いお金を払って、滝川第二高校で質の高い野球ができるという期待を持ってこの学校を選んで入学しました。普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない。理事長 今回の一件は個人情報的なものが多く、スピード感は意識していたが情報収集に手間取ったり、事実確認をどこかにしたらこの話が洩れてしまうと、私自身もイライラしながら動いていたのは事実です。例えば滝川第二高の理事長が、報道もされてない状態で「いい監督はいないか」とあからさまに探すわけにもいきませんでした。ただ、後手になっているのは否めない。申し訳ございません。 兵庫県の高校野球事情に詳しいジャーナリストは、滝川第二高校が高野連への報告を渋った理由をこう推測する。「滝川第二は大阪桐蔭などと同じいわゆる“文武別道”の学校で、野球部やサッカー部が多いCコースと進学コースでは偏差値が20近く違います。なので部活が機能停止すれば、Cコースに通う生徒や保護者にとってはこの学校に通う理由がほとんどなくなってしまうのが現実。だからこそ学校は夏の大会に出られなくなる可能性を恐れて高野連に報告できなかったし、保護者の中にも問題解決より部活の続行を求める声があるのでしょう。根深い問題です」 さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」学校側は「お答えは、差し控えさせていただきたく存じます」と回答 滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」 西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》 暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
保護者A 「監督が辞めてしまった」と息子が泣いていました。高野連の決定を踏まえて選手、保護者にも意見を聞いてくださるということでしたが、みんなの意見を聞いてくださったのでしょうか。傷ついた人だけの意見を聞いて、(パワハラ発言を)監督も認めてらっしゃらない、証拠もないですよね。(監督を)陥れようとすることもできてしまいますよね。監督を慕っているたくさんの選手を無視するんですか。
理事長 本人が一部、発言したことを認めていて、それだけが理由です。判断を考える必要はないと思っています。精神的な被害を受けている部分を優先したのは事実です。謝罪をして済む問題と済まない問題があります。
保護者B 高校生活の野球期間って実際は2年ぐらいしかない。新しい監督はいつ決まるんですか。今までの学校の対応を見ていても、遅くて不信に思います。高いお金を払って、滝川第二高校で質の高い野球ができるという期待を持ってこの学校を選んで入学しました。普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない。理事長 今回の一件は個人情報的なものが多く、スピード感は意識していたが情報収集に手間取ったり、事実確認をどこかにしたらこの話が洩れてしまうと、私自身もイライラしながら動いていたのは事実です。例えば滝川第二高の理事長が、報道もされてない状態で「いい監督はいないか」とあからさまに探すわけにもいきませんでした。ただ、後手になっているのは否めない。申し訳ございません。 兵庫県の高校野球事情に詳しいジャーナリストは、滝川第二高校が高野連への報告を渋った理由をこう推測する。「滝川第二は大阪桐蔭などと同じいわゆる“文武別道”の学校で、野球部やサッカー部が多いCコースと進学コースでは偏差値が20近く違います。なので部活が機能停止すれば、Cコースに通う生徒や保護者にとってはこの学校に通う理由がほとんどなくなってしまうのが現実。だからこそ学校は夏の大会に出られなくなる可能性を恐れて高野連に報告できなかったし、保護者の中にも問題解決より部活の続行を求める声があるのでしょう。根深い問題です」 さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」学校側は「お答えは、差し控えさせていただきたく存じます」と回答 滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」 西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》 暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
保護者B 高校生活の野球期間って実際は2年ぐらいしかない。新しい監督はいつ決まるんですか。今までの学校の対応を見ていても、遅くて不信に思います。高いお金を払って、滝川第二高校で質の高い野球ができるという期待を持ってこの学校を選んで入学しました。普通の野球をするのであれば、ここに来る理由がない。
理事長 今回の一件は個人情報的なものが多く、スピード感は意識していたが情報収集に手間取ったり、事実確認をどこかにしたらこの話が洩れてしまうと、私自身もイライラしながら動いていたのは事実です。例えば滝川第二高の理事長が、報道もされてない状態で「いい監督はいないか」とあからさまに探すわけにもいきませんでした。ただ、後手になっているのは否めない。申し訳ございません。
兵庫県の高校野球事情に詳しいジャーナリストは、滝川第二高校が高野連への報告を渋った理由をこう推測する。
「滝川第二は大阪桐蔭などと同じいわゆる“文武別道”の学校で、野球部やサッカー部が多いCコースと進学コースでは偏差値が20近く違います。なので部活が機能停止すれば、Cコースに通う生徒や保護者にとってはこの学校に通う理由がほとんどなくなってしまうのが現実。だからこそ学校は夏の大会に出られなくなる可能性を恐れて高野連に報告できなかったし、保護者の中にも問題解決より部活の続行を求める声があるのでしょう。根深い問題です」
さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」学校側は「お答えは、差し控えさせていただきたく存じます」と回答 滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」 西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》 暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
さらに保護者会では、西詰監督の新たな不適切な行為も公表された。学校関係者が、匿名を条件に西詰監督が野球部を“私物化”していた様子を明かす。
「西詰監督が野球部の宮崎遠征に部員たちをバス移動させておいて、自分だけ飛行機で往復したことも保護者会で理事長が認めました。他にも、監督就任直後にOBや保護者に相談することなく独断で伝統のユニフォームを変更したり、野球用具の取引先を地元の店から監督の親族が勤務する東京のスポーツ用具店に変更したことが学校内でも問題になっていました。3年生は、夏の試合のためだけにユニフォームを買わされたようです。監督は日頃から部員に挨拶などの礼儀を厳しく要求していましたが、試合の応援に駆けつけた保護者に挨拶しているところを見たことがありません」
滝川第二高校に対して、兵庫県大会まで高野連に報告しなかったこと、野球部の用具の取引先変更などについて事実確認を求めると、以下のような回答があった。
「前監督によるハラスメントに関して、本校が把握し調査した結果は、すべて高野連へ報告を上げており、現在高野連においてご審議いただいている最中です。また、前監督は、9月9日付けで契約を解除し、既に本校との関係を絶っております。そのような事情から、ご照会いただいた個別の事項についてのお答えは、差し控えさせていただきたく存じます」
西詰前監督はームページで指導方針についてこう語っていた(現在は削除)。
《高校3年間は人間形成のもっとも大切な時期でもあります。野球の技術はもちろんのこと、人としての成長も期待していただけるような指導者として精進する所存です。生徒とともに私自身もしっかりと学び「技」と「心」を磨き甲子園出場、“全国制覇”という高い目標を持ち日々練習に取り組んでまいります》
暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))
暴言を吐いて監督就任からわずか1年半でクビになった前監督と、不祥事を高野連に報告しなかった学校経営陣らの行動は、高校球児たちの真っ直ぐな目にどう映ったのだろうか。
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

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