「五月病になりやすい人」の特徴は? 社交的で陽気な人も、意外と…【脳科学者が解説】

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Q.「五月病になりやすい人や性格」はありますか?五月病を訴える人が増える季節。同じ学校や職場でも、憂うつ感を覚える人と、平気な人がいるのはなぜでしょうか。脳科学の観点から、五月病になりやすい人の傾向はあるのか、わかりやすく解説します。
Q. 「連休明けで、五月病シーズンになりました。 同じ職場にいても、憂うつそうな人と、普段通りの人がいます。五月病になりやすい人の性格の傾向や特徴はあるのでしょうか?」
A. ストレスの反応には個人差あり。当てはまる人はマイペースを心がけて「五月病」は医学的に明確な定義があるものではありませんが、4月からの新しい環境に適応できないことで生じる精神症状の総称として用いられています。特に大学の新入生や、企業に就職した新人社員などに多く見られるようです。正式な病名ではありませんが、長く続くと、うつ病に発展することもあります。
いずれにしても、五月病もうつ病も主な原因はストレスです。ストレスへの反応には個人差があるので、うつ病と同様、五月病にもなりやすい人となりにくい人がいると考えられます。
うつ病の研究では、次のような性格がうつ病に罹患しやすいと報告されています。 1. 社交的、陽気、活発、現実的・実際的で環境に順応しやすい「循環気質」2. 几帳面で熱中しやすい「執着性格」3. 「他人のための存在」を生きがいとし、秩序を重んじる「メランコリー親和性人格」
1の社交的で陽気なタイプの人がうつ病になりやすいというのは、意外に思われるかもしれませんが、真面目で、人との協調を重視し、完璧主義で何事もしっかり成し遂げたいという性格が仇になって、大きなストレスを溜めこみやすいのでしょう。
もしいずれかのタイプに当てはまる方は、ストレスを感じやすい時期は無理をして一人で頑張ろうとしないことが大切です。焦らず、マイペースで、「なるようになるさ」くらいの気持ちで過ごすことをお勧めします。
▼阿部 和穂プロフィール薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。

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