「月面衝突の可能性高い」ispace“民間初”の月面着陸ならず…「すごく複雑で言いよう無い」 来年にも新たな着陸船打ち上げへ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

民間初として注目された月面着陸は失敗に終わりました。日本の宇宙ベンチャー「ispace」は、きょう未明に予定されていた着陸船の月への着陸について、「月面に衝突した可能性が高い」と発表しました。
きょう未明、月面着陸を見守る会場には多くの関係者が集まりました。
ispace 袴田武史CEO「2010年に大きなビジョンを持った小さな会社が生まれました。ようやく私たちの着陸船が、月面に降り立つ日に辿り着きました」
月までの長い“旅路”が始まったのは去年12月。成功すれば、民間企業として世界で初めての月面着陸となることから、多くの人が期待を寄せていました。
着陸船は4か月余りかけ、月の軌道に到達。日本時間20日には、月のクレーターと青い地球が写った画像を撮影していました。
そして、日本時間のきょう午前0時40分。着陸船は月を周回する高度100キロの軌道から向きを変え、月の表面に向かい、徐々に高度を下げていきました。
しかし…
ispaceスタッフ「現在、確認を進めています」
着陸が予定されていた午前1時40分を過ぎても“着陸信号”が届かなかったのです。顔を覆う関係者の姿も…
ispace 袴田武史CEO「現在のところ、ミッション1のランダー(着陸船)の月面への着陸が確認できていません」
固唾を飲んで見守る関係者の中には、月面での実験機材を開発した人達もいました。セラミック製品の製造メーカー、日本特殊陶業の獅子原大介さんです。
耐熱性に優れたセラミックの特性を生かし、温度の変化が激しい月面でも安定した性能を発揮する「固体電池」を開発しました。4年をかけて開発した「固体電池」が月面で作動することはなくなりました。
日本特殊陶業 獅子原大介さん「成功するという気持ちで臨んだので、すごく複雑で言いようの無いような気分」
ispaceは今回の失敗について、「月面からの高度を誤って認識して、途中で燃料が尽きたことで落下したとみられる」としています。
ispace 氏家亮CTO「その場では各エンジニアと色々なことを話しながら、最後は本当に」
着陸は失敗に終わりましたが、ispaceは「着陸船が月の軌道上を周り、月に向かうまでのデータを得ることができた」とその成果を強調しています。
ispace 袴田武史CEO「世界各国から非常に温かい、力強いメッセージをもらっている。期待をしっかりと受け止めながら力強く進んでいきたい」
ispaceは、来年と再来年に新たな着陸船の打ち上げを予定しています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。