新型コロナ8波の死者、前年比10%増 感染や長引く自粛影響か

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厚生労働省が毎月公表している人口動態統計(速報)で、昨年11月~今年2月の死亡者数は、前年同期から5万8252人(10・8%)増の59万7550人に上ったことが明らかになった。前年の死亡者数も高水準だったが、この4カ月は新型コロナウイルス感染症の「第8波」の期間に当たり、コロナに感染したり、長引く自粛などで老化が進んだりした影響があるとみられる。
アベノマスク単価、業者や時期で2.4倍の差 業者の言い値か 死亡者数は新型コロナの流行が始まった2020年の1年間は11年ぶりに減少。感染症対策の徹底で、インフルエンザや呼吸器系疾患が減ったためとみられる。

ところが、21年は前年比で6万7054人増え、143万9809人と戦後最多を記録。22年も158万2033人(速報値)と増加の一途をたどっている。 コロナの「第8波」の期間中の昨年12月は前年同月比で18・2%増の15万8387人と急増。今年1月も同17・3%増え、16万8970人に。2月は同1・9%減の13万5857人と落ち着いたが、高水準が続く。 要因として考えられるのが、高齢者人口が増加しているのに加え、新型コロナに伴う社会情勢の変化だ。国立感染症研究所などがまとめた、コロナがなかったと想定した死亡者数の推計値と実際の死亡者数の差を示す「超過死亡」は、22年は4万7330~11万3399人だった。この年は新型コロナ感染が直接的な死因となった人は3万6938人で、感染症対策による生活習慣の変化などに伴う死者が増えたとみられる。 超過死亡の試算をしている野村周平・慶応大特任准教授(国際保健学)は超過死亡が増加する要因について、新型コロナ感染で衰弱した高齢者が、回復後に自宅や介護施設で老衰で死亡したり、感染を機に持病が悪化したりしたほか、心血管系の合併症を発症して死亡するケースを挙げる。感染しなくても自粛生活で衰弱するような事例も多くあるという。 野村特任准教授は「今年の流行時に、これまでのような超過死亡を抑えるためにも、高齢者の虚弱を予防したり社会的孤立を解消したりするなど、高齢者への総合的な健康支援が必要だ」と指摘する。【渡辺諒】
死亡者数は新型コロナの流行が始まった2020年の1年間は11年ぶりに減少。感染症対策の徹底で、インフルエンザや呼吸器系疾患が減ったためとみられる。
ところが、21年は前年比で6万7054人増え、143万9809人と戦後最多を記録。22年も158万2033人(速報値)と増加の一途をたどっている。
コロナの「第8波」の期間中の昨年12月は前年同月比で18・2%増の15万8387人と急増。今年1月も同17・3%増え、16万8970人に。2月は同1・9%減の13万5857人と落ち着いたが、高水準が続く。
要因として考えられるのが、高齢者人口が増加しているのに加え、新型コロナに伴う社会情勢の変化だ。国立感染症研究所などがまとめた、コロナがなかったと想定した死亡者数の推計値と実際の死亡者数の差を示す「超過死亡」は、22年は4万7330~11万3399人だった。この年は新型コロナ感染が直接的な死因となった人は3万6938人で、感染症対策による生活習慣の変化などに伴う死者が増えたとみられる。
超過死亡の試算をしている野村周平・慶応大特任准教授(国際保健学)は超過死亡が増加する要因について、新型コロナ感染で衰弱した高齢者が、回復後に自宅や介護施設で老衰で死亡したり、感染を機に持病が悪化したりしたほか、心血管系の合併症を発症して死亡するケースを挙げる。感染しなくても自粛生活で衰弱するような事例も多くあるという。
野村特任准教授は「今年の流行時に、これまでのような超過死亡を抑えるためにも、高齢者の虚弱を予防したり社会的孤立を解消したりするなど、高齢者への総合的な健康支援が必要だ」と指摘する。【渡辺諒】

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