衆院山口2区補選、岸信千世氏が当選確実 岸前防衛相の長男

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

23日投開票された、岸信夫前防衛相の議員辞職に伴う衆院山口2区(山口県岩国市など)の補選は、岸氏の長男で自民党新人の岸信千世(のぶちよ)氏(31)=公明党推薦=が、無所属元職の元法相、平岡秀夫氏(69)との一騎打ちを制し、初当選を確実にした。信千世氏は父から組織やスタッフを引き継いで選挙戦に臨んだが、世襲などへの批判を受け「想定外の苦戦」(陣営関係者)を強いられた。
【安倍・岸一族の家系図】信千世氏と安倍氏、信夫氏の関係は 岩国市のホテルに設けられた会場に当選確実の一報が入ると、集まった国会議員や支援者らから大きな歓声が上がった。信千世氏は「応援していただいた皆さまの力のおかげ。『山口と日本の未来を創る』をテーマに選挙戦を戦ってきた。少子高齢化や人口減少、子育て世代の支援など日々の暮らしに関する政策をやっていきたい」と述べ、深々と頭を下げた。

信千世氏は体調不良を理由に辞職した岸氏から後継指名を受けて臨んだ。地元での知名度は低く、「現場の声を国に届ける。父のように心に寄り添った政治をする」「若いからこそできることにしっかり取り組む」などと訴えた。 県内の小選挙区が4から3に減る次期衆院選での自民党内の公認争いを念頭に「勝ち方が大切」(党関係者)との声もある中、陣営は岸氏が2021年衆院選で得た約11万票を上回る12万票の獲得を目標に設定した。だが、告示前の2月、自身のホームページに曽祖父となる岸信介氏ら3人の元首相が名を連ねる家系図を掲載。批判を受けて削除したが、世襲批判は根強く、組織の緩みも重なり選挙戦中盤には「接戦」と報じられた。茂木敏充自民党幹事長や安倍晋三元首相の妻昭恵氏の来援も受け、懸命に組織を引き締め、得票率約5ポイント差で逃げ切った。 平岡氏は民主党政権で法相を務めた。現在も立憲民主党県連の顧問につくが、無所属で出馬し、草の根選挙を展開した。岩国市に米軍岩国基地、上関町に原発建設計画がある山口2区を「日本の政治の課題と問題の縮図だ」と強調。岸田文雄政権が進める反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有や原発関連政策などを批判した。自主投票とした立憲からは菅直人元首相らが来援し、共産党も自主的支援に回ったが、届かなかった。【堀菜菜子、大山典男】
岩国市のホテルに設けられた会場に当選確実の一報が入ると、集まった国会議員や支援者らから大きな歓声が上がった。信千世氏は「応援していただいた皆さまの力のおかげ。『山口と日本の未来を創る』をテーマに選挙戦を戦ってきた。少子高齢化や人口減少、子育て世代の支援など日々の暮らしに関する政策をやっていきたい」と述べ、深々と頭を下げた。
信千世氏は体調不良を理由に辞職した岸氏から後継指名を受けて臨んだ。地元での知名度は低く、「現場の声を国に届ける。父のように心に寄り添った政治をする」「若いからこそできることにしっかり取り組む」などと訴えた。
県内の小選挙区が4から3に減る次期衆院選での自民党内の公認争いを念頭に「勝ち方が大切」(党関係者)との声もある中、陣営は岸氏が2021年衆院選で得た約11万票を上回る12万票の獲得を目標に設定した。だが、告示前の2月、自身のホームページに曽祖父となる岸信介氏ら3人の元首相が名を連ねる家系図を掲載。批判を受けて削除したが、世襲批判は根強く、組織の緩みも重なり選挙戦中盤には「接戦」と報じられた。茂木敏充自民党幹事長や安倍晋三元首相の妻昭恵氏の来援も受け、懸命に組織を引き締め、得票率約5ポイント差で逃げ切った。
平岡氏は民主党政権で法相を務めた。現在も立憲民主党県連の顧問につくが、無所属で出馬し、草の根選挙を展開した。岩国市に米軍岩国基地、上関町に原発建設計画がある山口2区を「日本の政治の課題と問題の縮図だ」と強調。岸田文雄政権が進める反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有や原発関連政策などを批判した。自主投票とした立憲からは菅直人元首相らが来援し、共産党も自主的支援に回ったが、届かなかった。【堀菜菜子、大山典男】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。