元部下「間違いであってほしかった…」 陸自ヘリ、死亡2人身元判明

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沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊員10人が乗ったヘリコプターが消息を絶った事故で、防衛省は20日、海中から引き揚げられた5人のうち2人について身元が確認されたと発表した。2人は、第8師団司令部(熊本市)ナンバー3にあたる幕僚長の庭田徹・1等陸佐(48)と、同じ第8師団司令部の神尊(こうそ)皓基・3等陸佐(34)。この事故で隊員の死亡が確認されるのは初めて。
【地図】ヘリはこの位置でレーダーから消えた 防衛省によると、2人は16日に伊良部島の北側約6キロの深さ約106メートルの海底から引き揚げられた。DNA型鑑定などで身元を特定したという。この海底では機体の主要部や、庭田1佐と神尊3佐を含めた6人が見つかり、これまでに5人が引き揚げられて死亡が確認されている。

また防衛省は、事故機に伊與田雅一・宮古警備隊長が乗っていたことも明らかにし、一緒に搭乗していた坂本雄一・第8師団長とともに「安否不明」としたままで後任人事も発表した。 陸自トップの森下泰臣(やすのり)・陸上幕僚長が20日の定例記者会見で、人事異動を発表した。このタイミングで後任を決めたことについては「南西地域での任務遂行や捜索状況などを考えて総合的に判断した」と述べた。第8師団長に青木伸一・第11旅団長、宮古警備隊長に比嘉隼人・第5施設群長が就く。 森下氏は会見で、早ければ4月下旬にも機体の引き揚げ作業を始めることも明らかにした。民間のサルベージ会社に委託する方針で、防衛省は21日に入札を実施する。 事故原因の解明に向けては、フライトレコーダー(飛行記録装置)の回収がポイントとなるが、森下氏によると、20日時点で見つかっていない。森下氏は「海底で捜して取り外すのは難しい」として、機体を引き揚げてから捜す考えを示した。 死亡した2人の身元判明を受け、熊本県自衛隊家族会の事務局長で陸自OBでもある光永邦保さん(68)は「動かぬ現実を突き付けられた思いだ。無念のひと言だ」と力なく語った。光永さんは、2人とは直接面識はないと明かしつつ「使命感を持って任務に当たっていたはずだ。彼らの気持ちを思うと胸が締め付けられる」と話した。 かつて陸自で勤務し、庭田さんの部下だったという男性(47)は「事故後に陸自時代の先輩から庭田さんが乗っていた可能性があると聞いていた。間違いであってほしいと思っていた」と声を落とした。庭田さんと一緒に勤務したのは20年近く前で「当時から人望が厚く先輩からも後輩からも慕われる人で、将来を嘱望されていた」と振り返った。【内橋寿明、平川昌範、吉住遊】
防衛省によると、2人は16日に伊良部島の北側約6キロの深さ約106メートルの海底から引き揚げられた。DNA型鑑定などで身元を特定したという。この海底では機体の主要部や、庭田1佐と神尊3佐を含めた6人が見つかり、これまでに5人が引き揚げられて死亡が確認されている。
また防衛省は、事故機に伊與田雅一・宮古警備隊長が乗っていたことも明らかにし、一緒に搭乗していた坂本雄一・第8師団長とともに「安否不明」としたままで後任人事も発表した。
陸自トップの森下泰臣(やすのり)・陸上幕僚長が20日の定例記者会見で、人事異動を発表した。このタイミングで後任を決めたことについては「南西地域での任務遂行や捜索状況などを考えて総合的に判断した」と述べた。第8師団長に青木伸一・第11旅団長、宮古警備隊長に比嘉隼人・第5施設群長が就く。
森下氏は会見で、早ければ4月下旬にも機体の引き揚げ作業を始めることも明らかにした。民間のサルベージ会社に委託する方針で、防衛省は21日に入札を実施する。
事故原因の解明に向けては、フライトレコーダー(飛行記録装置)の回収がポイントとなるが、森下氏によると、20日時点で見つかっていない。森下氏は「海底で捜して取り外すのは難しい」として、機体を引き揚げてから捜す考えを示した。
死亡した2人の身元判明を受け、熊本県自衛隊家族会の事務局長で陸自OBでもある光永邦保さん(68)は「動かぬ現実を突き付けられた思いだ。無念のひと言だ」と力なく語った。光永さんは、2人とは直接面識はないと明かしつつ「使命感を持って任務に当たっていたはずだ。彼らの気持ちを思うと胸が締め付けられる」と話した。
かつて陸自で勤務し、庭田さんの部下だったという男性(47)は「事故後に陸自時代の先輩から庭田さんが乗っていた可能性があると聞いていた。間違いであってほしいと思っていた」と声を落とした。庭田さんと一緒に勤務したのは20年近く前で「当時から人望が厚く先輩からも後輩からも慕われる人で、将来を嘱望されていた」と振り返った。【内橋寿明、平川昌範、吉住遊】

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