岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」のたたき台が3月に公表され、男性の育児休業の取得率を引き上げる目標が掲げられました。
現在、男性の育休取得率は全国で約14%と低い水準にとどまる中、政府は2030年に取得率の目標を85%へ引き上げるなど、「男性の育休は当たり前」になる社会の実現を目指しています。
昨年度、三重県内の中小企業2000社にアンケート調査を実施したところ、男性の育休取得率は9.4%で、サービス業や建設業、卸売業などの職種で低い水準となっていることがわかりました。
津市に本社を置く井村屋グループでは、男性の育休取得に力を入れています。去年は、6人の社員が育休制度を利用しました。
春名敬太さんは去年、3人目の子どもが生まれたタイミングで約1カ月間育休を取得しました。「保育園や幼稚園に連れて行くなど、思っていた2倍ぐらい忙しかった。結構しんどかったのが率直な感想」と振り返ります。
井村屋グループでは、産後8週間以内であれば特別有給を5日間取得することができ、期間中は給与が補償される独自の制度を設けています。
井村屋の取り組みについて、育休を取得した経験がある女性社員からも期待の声が聞かれました。石田絵美さんは「出生届や保険証の提出とか色々ある。女性側は余裕がないので男性にもやってほしい。男性の育休取得は必要だと思う」と話します。
井村屋では各部署がチーム全体で業務を担う社風をいかし、メンバーが欠けても仕事を補い合い育休が取得しやすい職場づくりを行っています。
松田瞳課長は「チームワーク・協働は大事にしていること。引き続きいろいろな環境の社員が働きやすい環境を大切にしていきたい」と話していました。