大阪ダブル選で維新4連勝 知事選・吉村氏、市長選・横山氏

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大阪府知事・大阪市長のダブル選は9日、投開票された。知事選では地域政党・大阪維新の会代表で現職の吉村洋文氏(47)が再選を、市長選では維新幹事長で元府議の横山英幸氏(41)が初当選をそれぞれ確実にした。維新はダブル選で4連勝。大阪での「1強」体制を守り、日本維新の会の「全国政党化」に向けて足場を固めた格好だ。
大阪IR誘致 賛成53%で反対を上回る 出口調査 大阪で11年半近くにわたる維新政治の評価や、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非が争点となった。誘致を進める維新の両氏が勝ったことで、大阪でIRの整備を認めるかどうかを審査している国の判断に影響を与える可能性がある。

投票を終えた有権者を対象とした毎日新聞の出口調査(知事選で145投票所)で、吉村、横山両氏は維新支持層を固めたほか、無党派層にも広く浸透し、他の候補を突き放した。 今回のダブル選は、維新のターニングポイントだった。橋下徹氏らと党を結成した松井一郎・前大阪市長(6日で退任)が政界を引退し、世代交代を余儀なくされたからだ。「ポスト松井」の市長候補は、一般党員らの投票による予備選で横山氏に決定。党外では無名に近い横山氏の知名度不足が懸念されたが、新型コロナウイルス対応で全国でも有名になった吉村氏や松井氏と選挙活動をともにし、支持を広げた。維新は今後、40代の吉村・横山両氏が「党の顔」となる。横山氏は政令指定都市の現職市長としても全国最年少。 大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で府市が誘致を進めるIRを巡っては、予定地で土壌汚染が判明したほか地盤沈下の恐れもあり、カジノ開業によりギャンブル依存症が深刻化するとの懸念も強い。国の認定を受けられれば、2029年秋~冬ごろの開業を目指す方針だ。 一方、維新に対抗する政治団体「アップデートおおさか」が擁立し、自民党や立憲民主党が自主支援した知事候補で法学者の谷口真由美氏(48)、市長候補で元市議の北野妙子氏(63)は敗れた。IR誘致について反対を訴え、その是非は住民投票で決めるべきだと呼び掛けたが、他の政策が曖昧でIR反対票を固めきれなかった。 今回は維新の看板政策「大阪都構想」の是非が争点とならず、過去のダブル選では反都構想でまとまってきた非維新勢力の結集が乱れた。知事選では共産党の元参院議員が出馬したほか、次期衆院選を見据えて維新との対決を避けたい公明党が自主投票に転じたことも影響し、維新の独走を許す結果になった。【澤俊太郎、松本紫帆】
大阪で11年半近くにわたる維新政治の評価や、カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非が争点となった。誘致を進める維新の両氏が勝ったことで、大阪でIRの整備を認めるかどうかを審査している国の判断に影響を与える可能性がある。
投票を終えた有権者を対象とした毎日新聞の出口調査(知事選で145投票所)で、吉村、横山両氏は維新支持層を固めたほか、無党派層にも広く浸透し、他の候補を突き放した。
今回のダブル選は、維新のターニングポイントだった。橋下徹氏らと党を結成した松井一郎・前大阪市長(6日で退任)が政界を引退し、世代交代を余儀なくされたからだ。「ポスト松井」の市長候補は、一般党員らの投票による予備選で横山氏に決定。党外では無名に近い横山氏の知名度不足が懸念されたが、新型コロナウイルス対応で全国でも有名になった吉村氏や松井氏と選挙活動をともにし、支持を広げた。維新は今後、40代の吉村・横山両氏が「党の顔」となる。横山氏は政令指定都市の現職市長としても全国最年少。
大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で府市が誘致を進めるIRを巡っては、予定地で土壌汚染が判明したほか地盤沈下の恐れもあり、カジノ開業によりギャンブル依存症が深刻化するとの懸念も強い。国の認定を受けられれば、2029年秋~冬ごろの開業を目指す方針だ。
一方、維新に対抗する政治団体「アップデートおおさか」が擁立し、自民党や立憲民主党が自主支援した知事候補で法学者の谷口真由美氏(48)、市長候補で元市議の北野妙子氏(63)は敗れた。IR誘致について反対を訴え、その是非は住民投票で決めるべきだと呼び掛けたが、他の政策が曖昧でIR反対票を固めきれなかった。
今回は維新の看板政策「大阪都構想」の是非が争点とならず、過去のダブル選では反都構想でまとまってきた非維新勢力の結集が乱れた。知事選では共産党の元参院議員が出馬したほか、次期衆院選を見据えて維新との対決を避けたい公明党が自主投票に転じたことも影響し、維新の独走を許す結果になった。【澤俊太郎、松本紫帆】

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