善光寺「びんずる尊者」盗難 男を逮捕…「悩み抱えていた」容疑者の母親が語った動機

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5日、長野市の善光寺で、なでるとご利益があるとされる「びんずる尊者」の木像が盗まれました。逮捕された男の母親が取材に応じました。
■高さ83センチの木像 専門家「1人で運べる」
1400年の歴史を持つ長野市の善光寺。本堂にあるはずの木像が5日、こつ然と姿を消していました。
参拝者:「大事な長野の宝なのに、涙が出そうなほどびっくり。罰当たりっていうレベルの話じゃないでしょう」
江戸中期に作られたという「びんずる尊者」の木像。「体の悪い部分と同じ所をなでると治る」と言い伝えがあり、多くの参拝者に触られ、目や鼻はつるつるになっています。
5日午前8時すぎ、防犯カメラには不審な人物が映っていたといいます。
善光寺・林明晋寺務総長:「経緯としては(容疑者が)長い時間ずっと観察していて、人員が手薄になるところを狙って、1人で抱えて持っていったようであります」
「びんずる尊者」は高さ83センチ。1人で運び出せるものなのでしょうか?
奈良大学 文学部 文化財学科・大河内智之准教授:「古仏像は内側を空洞にしたりする。そのほうが干割れが起きないとか、そういうふうに作ることが多い。『びんずる尊者像』ぐらいであれば1人で十分に運べます。10キロも多分ないと思いますので」
■松本市で逮捕…容疑者の母親「悩み抱えていた」
およそ2時間後、事件は急展開します。善光寺からおよそ60キロ離れた松本市内で警察が、防犯カメラの男によく似た人物が車を運転しているのを発見しました。
窃盗の疑いで逮捕されたのは、長野から遠く離れた熊本県に住む森本晋太郎容疑者(34)です。
車からは毛布のようなものに包まれた木像が見つかっていて、警察の調べに容疑を認めているということです。
森本容疑者の母親が電話取材に答えました。
森本容疑者の母親:「『長野に行く』とは言っていました。理由を聞いたけど、『お母さんには理解できないから』って。悩みを抱えていたんじゃないかなと」
一体、なぜ森本容疑者は木像を持ち去ったのでしょうか?
■仕事辞め“思い悩む”様子も…持ち去った目的は?
善光寺から「びんずる尊者」の木像を盗んだとして逮捕された森本容疑者。
熊本県内で母親と2人で暮らしていましたが、1年前に仕事を辞めてからは思い悩む様子が見られたといいます。
木像を持ち去った目的について、森本容疑者の母親は、次のように答えました。
森本容疑者の母親:「何の目的があって、そういうことをしたのか、私には全然分かりません」「(Q.仏像が好きとかは?)そういうのはなかったですけど、宗教に傾倒している感じは受けました。何かにすがりたかったのかなって」

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