「パーキンソン病」発症に脳の脂質成分が関与か…大阪大など、新しい治療法の可能性

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体が震えたり、手足を思ったように動かせなくなったりする神経難病「パーキンソン病」の発症に関わる物質を突き止めたと、大阪大などのチームが発表した。
発症の兆候を早期に見つける検査法や、新たな治療法の開発につながる可能性があるという。論文が国際科学誌に掲載された。
パーキンソン病は人口1000人あたり1~1・5人の患者がいるとされ、運動などに関わる神経伝達物質「ドーパミン」を出す脳の神経細胞が減ると発症する。発症の原因は神経細胞の中で「α(アルファ)シヌクレイン」というたんぱく質が塊になって蓄積し、神経細胞を傷めることだと考えられている。患者の1割は遺伝的にこの現象が起きやすいことがわかっているが、残りはなぜ起きるのか不明だった。
チームの池中建介・阪大助教(神経内科学)らは、亡くなった患者7人の脳組織などを分析。細胞内で「PIP3」と呼ばれる脂質が過剰になると、αシヌクレインと強く結合して塊を作り出していることを突き止めた。
今居譲・順天堂大准教授(病態医化学)の話「国内外でパーキンソン病の治療法開発が進められているなか、病気の早期発見につながる重要な成果だ。今後、数千人規模の患者での検証を期待したい」

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