【吉田 みく】自分は一人では満たされない…38歳、婚外恋愛を望む妻の「突然の告白」に夫が絶句したワケ

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明治時代に始まった日本の一夫一妻制に今では何ら疑問を持つ事なく、社会も人も受け入れているが、多様化が進む現在、その一夫一妻制に疑問を持つ人たちも現れ始めた。
夫とともに都内に暮らすマミさん(仮名・38歳)も、一夫一妻制の結婚に違和感を感じていたひとりだ。黒髪のボブヘアーの個性的な雰囲気のある女性で、取材当日はふくよかな体型によく似合うワンピースを着て現れた。
「夫とはSNSと通じて知り合いました。好きな音楽のジャンルが一緒だったんです。出会ってすぐに『あ、私この人と結婚する』とビビッと来て、すぐに交際して1年ほどで結婚しました。でも夫と結婚しても、どこか心が満たされない日々が続いたんです」
マミさんはこれまで『食事の趣味が会うのはAさん』、『一緒に居て安心するのはBさん』といった考えや気持ちを結婚前から持っており、自分は一人では満たされないと薄々気付いていたという。
Photo by iStock
「昔から、なんで一人の人に絞って交際しなければいけないんだろうと不思議に思っていました。今ではだいぶ理解も進んできましたが、”女性は男性を好きにならなくちゃいけない”みたいな世の中の空気感も苦手です。こんなことは両親にはもちろん、誰にも相談できないし、私は変わり者だから……と長い間、感情を押し殺してきたんです。でもすごく苦しくなってきたので、思い切って親しい人に初めて打ち明けたんです」親には心配をかけたくないとの思いから、カミングアウトには長年付き合いのある女友達を選んだ。男女の関係や仕事のことなど、今までの相談事も親身になって乗ってくれていた友人だったので、今回の件もきっと共感してくれると思ったからこそのカミングアウトだった。しかし友人は予想を裏切る反応だったとマミさんは振り返る。「友人から『その気持ち、全く分からないわけじゃないけど……欲張りな考えじゃない?』と言われてしまいました。私って強欲な人間なんだって思ったら、すごく恥ずかしくなっちゃって……。話さなきゃよかったとすごく後悔しました」複数人との交際を、渋々了承した夫友人の反応をきっかけに、自分は”おかしい人間だ”と思い込むようになり、悩みが深まっていったマミさん。その葛藤をなんとかしようと、似たような境遇の人をネット検索しているうちに、あるワードに辿り着く。「そこで”ポリアモリー”っていう言葉をはじめて知ったんです。調べれば調べるほど、しっくりくる自分がいて、心のモヤモヤが晴れていくのが良く分かりました。私もポリアモリーかもと思い、交流会に参加して同じような境遇の人に会えた時はホッとしました。自分のことを変な人だと責めていた日々から解放された気分でした」ポリアモリーとは複数性愛という意味を持つ造語で、1990年代にアメリカから広まった。その関係性には明確な定義はないものの、パートナーの合意の上でオープンに複数の人と同時に親密な関係を築く恋愛スタイルを示す。Photo by iStock そのルールにのっとり、再び夫にカミングアウトを試みたマミさん。すでに結婚していたし、最初のカミングアウトに失敗した経験則から否定を覚悟ですぐに行動に移した。「夫は、『この人は一体、何を言っているんだろう』という感じの不思議そうな顔で、私を見ていました。一対一の恋愛観が自分には合わないこと、その恋愛スタイルがたった友人にすら受け入れてもらえなかったこと、自分はおかしい人間だと責め続けてきたこと、その結果ポリアモリーに行き着き救われたことなどを順を追って説明しました。私が複数人との同時に交際することを認めて欲しいと言うと、これまでのいきさつを知った夫は渋々了承してくれました。でも了承はしてくれてたものの、本当に理解されているかどうか、夫の本心はどうかは分かりませんでしたし、それを聞くもの怖く、話し合いはそのまま終わりました。いずれポリアモリーが原因で夫から別れを切り出されたら、それはそれで仕方ないのかなとカミングアウトした当初は思っていました」再びぶつかった壁渋々ではあるものの夫からの了承を経たマミさんは、すぐにパートナーを探し始めた。ポリアモリーを自認しパンセクシャルでもあるマミさんは、現在夫も含めふたりのパートナーがいるという。「一人は女性のセックスパートナーで、同性愛者のコミュニティで出会いました。高身長でスタイルの良い素敵な女性です。お付き合いは半年ほどで月1回しか会えていませんが、LINEでは毎日のようにやり取りをしているので寂しくはありません。Photo by iStockもう一人のパートナーは男性です。バーで知り合い、性癖の話で意気投合しました。体の関係もありますが、心の繋がりのほうが深いように感じます。見た目は小太りでタイプではありませんが、夫にはない細かい気づかいやエスコートにドキドキするんです。出会って3ヵ月ほどしか経っていませんが、毎週のように会って食事やホテルでの時間を過ごしています」 ふたりのパートナーのことはもちろん、性的関係があることも夫は認識済だという。しかしここでもマミさんは壁にぶつかる。パートナーたちは夫同様にマミさんのポリアモリーを尊重してくれているが、ふたりともポリアモリーではないため、その考え方を完全に理解するには難しく、色々と問題もあるようだ。一夫一妻制の婚姻、いわゆるモノガミーが法律で決められている日本では、複数人と愛を分かち合うポリアモリーに対する偏見はまだまだある。事実婚も法律婚も、互いに生じる「貞操の義務」は信頼関係を築く上で重要な要素だ。もしも配偶者が自分に内緒で第三者と肉体関係に陥った場合、嫉妬心や、愛情の不信感・不安感などの精神的なダメージを少なからず受ける。ポリアモリーはしかし、この貞操の義務をいったん白紙に戻した状態から始める関係性だ。モノガミーの貞操の義務は、法律上で認められた常識として担保されるが、言い換えれば、それが常識だからという理由で担保されているだけであって、お互いの信頼関係が誠実に結ばれているどうかとは別問題、という風にも取れる。マミさんが話す、夫やふたりのパートナーたちとの向き合い方を聞きながら、そんな風に感じた。「私が既婚者でありポリアモリーであることは知ってはいるものの、ふたりとも『私のことだけを見てほしい』『本命になりたい』といった雰囲気を匂わせてくることがあるんです。その都度話し合いをして解決するようにはしていますが、このようなことが何度かあると、この関係は長くは続かないのかな……と思うこともあります」「大切な人にだけ」の理解でいいパートナーが増えると悩みも増えるが、それもまた楽しんでいる様子のマミさん。しかし最近ではパートナー間との悩みだけでなく、両親に対しての悩みが増えてきたという。「私たち夫婦は、子どもを作らずにDINKsとして生きていくことを結婚前から決めています。お互いの両親にもその旨は伝えているのですが、『子どもが出来たら考えも変わると思うよ』『赤ちゃんは可愛いよ』などと考えを押し付けてくるんです。私は自分が妊娠する姿も子育てする姿も想像できません。子ども最優先の人生は私には向いていないとも思っています」Photo by iStock 突然のカミングアウトに、当初は困惑していたマミさんの夫も、今では良き理解者だという。夫婦の時間は自宅にいる時のみで二人で外出する機会はあまりないが、休日の夫は趣味に没頭するなど、夫婦それぞれが自分らしい楽しい時間を過ごしているそうだ。「生まれてから最近まで自分の気持ちに嘘をつきながら生活してきましたが、今は自分らしく生きることが出来ていると実感しています。ポリアモリーは性的少数者なので理解されないことも多いですが、大切な人にだけでも理解してもらえたら嬉しいと思っています。今後も一緒に居て心地の良いパートナーを探していきたいです」恋愛の形は様々という言葉が浸透しつつある世の中になってきている。マミさんのような恋愛スタイルを理解できない人もいるかもしれないが、様々な考え方があることは知っておいてほしい。2020年、アメリカ マサチューセッツ州サマービル市では、ポリアモリー(複数人の恋愛)の関係を公的に認めた。この制度により、従来の恋愛の形で悩んでいた人たちの希望の光となったのではないだろうか。
「昔から、なんで一人の人に絞って交際しなければいけないんだろうと不思議に思っていました。今ではだいぶ理解も進んできましたが、”女性は男性を好きにならなくちゃいけない”みたいな世の中の空気感も苦手です。
こんなことは両親にはもちろん、誰にも相談できないし、私は変わり者だから……と長い間、感情を押し殺してきたんです。でもすごく苦しくなってきたので、思い切って親しい人に初めて打ち明けたんです」
親には心配をかけたくないとの思いから、カミングアウトには長年付き合いのある女友達を選んだ。
男女の関係や仕事のことなど、今までの相談事も親身になって乗ってくれていた友人だったので、今回の件もきっと共感してくれると思ったからこそのカミングアウトだった。しかし友人は予想を裏切る反応だったとマミさんは振り返る。
「友人から『その気持ち、全く分からないわけじゃないけど……欲張りな考えじゃない?』と言われてしまいました。私って強欲な人間なんだって思ったら、すごく恥ずかしくなっちゃって……。話さなきゃよかったとすごく後悔しました」
友人の反応をきっかけに、自分は”おかしい人間だ”と思い込むようになり、悩みが深まっていったマミさん。その葛藤をなんとかしようと、似たような境遇の人をネット検索しているうちに、あるワードに辿り着く。
「そこで”ポリアモリー”っていう言葉をはじめて知ったんです。調べれば調べるほど、しっくりくる自分がいて、心のモヤモヤが晴れていくのが良く分かりました。
私もポリアモリーかもと思い、交流会に参加して同じような境遇の人に会えた時はホッとしました。自分のことを変な人だと責めていた日々から解放された気分でした」
ポリアモリーとは複数性愛という意味を持つ造語で、1990年代にアメリカから広まった。その関係性には明確な定義はないものの、パートナーの合意の上でオープンに複数の人と同時に親密な関係を築く恋愛スタイルを示す。
Photo by iStock
そのルールにのっとり、再び夫にカミングアウトを試みたマミさん。すでに結婚していたし、最初のカミングアウトに失敗した経験則から否定を覚悟ですぐに行動に移した。「夫は、『この人は一体、何を言っているんだろう』という感じの不思議そうな顔で、私を見ていました。一対一の恋愛観が自分には合わないこと、その恋愛スタイルがたった友人にすら受け入れてもらえなかったこと、自分はおかしい人間だと責め続けてきたこと、その結果ポリアモリーに行き着き救われたことなどを順を追って説明しました。私が複数人との同時に交際することを認めて欲しいと言うと、これまでのいきさつを知った夫は渋々了承してくれました。でも了承はしてくれてたものの、本当に理解されているかどうか、夫の本心はどうかは分かりませんでしたし、それを聞くもの怖く、話し合いはそのまま終わりました。いずれポリアモリーが原因で夫から別れを切り出されたら、それはそれで仕方ないのかなとカミングアウトした当初は思っていました」再びぶつかった壁渋々ではあるものの夫からの了承を経たマミさんは、すぐにパートナーを探し始めた。ポリアモリーを自認しパンセクシャルでもあるマミさんは、現在夫も含めふたりのパートナーがいるという。「一人は女性のセックスパートナーで、同性愛者のコミュニティで出会いました。高身長でスタイルの良い素敵な女性です。お付き合いは半年ほどで月1回しか会えていませんが、LINEでは毎日のようにやり取りをしているので寂しくはありません。Photo by iStockもう一人のパートナーは男性です。バーで知り合い、性癖の話で意気投合しました。体の関係もありますが、心の繋がりのほうが深いように感じます。見た目は小太りでタイプではありませんが、夫にはない細かい気づかいやエスコートにドキドキするんです。出会って3ヵ月ほどしか経っていませんが、毎週のように会って食事やホテルでの時間を過ごしています」 ふたりのパートナーのことはもちろん、性的関係があることも夫は認識済だという。しかしここでもマミさんは壁にぶつかる。パートナーたちは夫同様にマミさんのポリアモリーを尊重してくれているが、ふたりともポリアモリーではないため、その考え方を完全に理解するには難しく、色々と問題もあるようだ。一夫一妻制の婚姻、いわゆるモノガミーが法律で決められている日本では、複数人と愛を分かち合うポリアモリーに対する偏見はまだまだある。事実婚も法律婚も、互いに生じる「貞操の義務」は信頼関係を築く上で重要な要素だ。もしも配偶者が自分に内緒で第三者と肉体関係に陥った場合、嫉妬心や、愛情の不信感・不安感などの精神的なダメージを少なからず受ける。ポリアモリーはしかし、この貞操の義務をいったん白紙に戻した状態から始める関係性だ。モノガミーの貞操の義務は、法律上で認められた常識として担保されるが、言い換えれば、それが常識だからという理由で担保されているだけであって、お互いの信頼関係が誠実に結ばれているどうかとは別問題、という風にも取れる。マミさんが話す、夫やふたりのパートナーたちとの向き合い方を聞きながら、そんな風に感じた。「私が既婚者でありポリアモリーであることは知ってはいるものの、ふたりとも『私のことだけを見てほしい』『本命になりたい』といった雰囲気を匂わせてくることがあるんです。その都度話し合いをして解決するようにはしていますが、このようなことが何度かあると、この関係は長くは続かないのかな……と思うこともあります」「大切な人にだけ」の理解でいいパートナーが増えると悩みも増えるが、それもまた楽しんでいる様子のマミさん。しかし最近ではパートナー間との悩みだけでなく、両親に対しての悩みが増えてきたという。「私たち夫婦は、子どもを作らずにDINKsとして生きていくことを結婚前から決めています。お互いの両親にもその旨は伝えているのですが、『子どもが出来たら考えも変わると思うよ』『赤ちゃんは可愛いよ』などと考えを押し付けてくるんです。私は自分が妊娠する姿も子育てする姿も想像できません。子ども最優先の人生は私には向いていないとも思っています」Photo by iStock 突然のカミングアウトに、当初は困惑していたマミさんの夫も、今では良き理解者だという。夫婦の時間は自宅にいる時のみで二人で外出する機会はあまりないが、休日の夫は趣味に没頭するなど、夫婦それぞれが自分らしい楽しい時間を過ごしているそうだ。「生まれてから最近まで自分の気持ちに嘘をつきながら生活してきましたが、今は自分らしく生きることが出来ていると実感しています。ポリアモリーは性的少数者なので理解されないことも多いですが、大切な人にだけでも理解してもらえたら嬉しいと思っています。今後も一緒に居て心地の良いパートナーを探していきたいです」恋愛の形は様々という言葉が浸透しつつある世の中になってきている。マミさんのような恋愛スタイルを理解できない人もいるかもしれないが、様々な考え方があることは知っておいてほしい。2020年、アメリカ マサチューセッツ州サマービル市では、ポリアモリー(複数人の恋愛)の関係を公的に認めた。この制度により、従来の恋愛の形で悩んでいた人たちの希望の光となったのではないだろうか。
そのルールにのっとり、再び夫にカミングアウトを試みたマミさん。すでに結婚していたし、最初のカミングアウトに失敗した経験則から否定を覚悟ですぐに行動に移した。
「夫は、『この人は一体、何を言っているんだろう』という感じの不思議そうな顔で、私を見ていました。
一対一の恋愛観が自分には合わないこと、その恋愛スタイルがたった友人にすら受け入れてもらえなかったこと、自分はおかしい人間だと責め続けてきたこと、その結果ポリアモリーに行き着き救われたことなどを順を追って説明しました。
私が複数人との同時に交際することを認めて欲しいと言うと、これまでのいきさつを知った夫は渋々了承してくれました。でも了承はしてくれてたものの、本当に理解されているかどうか、夫の本心はどうかは分かりませんでしたし、それを聞くもの怖く、話し合いはそのまま終わりました。
いずれポリアモリーが原因で夫から別れを切り出されたら、それはそれで仕方ないのかなとカミングアウトした当初は思っていました」
渋々ではあるものの夫からの了承を経たマミさんは、すぐにパートナーを探し始めた。ポリアモリーを自認しパンセクシャルでもあるマミさんは、現在夫も含めふたりのパートナーがいるという。
「一人は女性のセックスパートナーで、同性愛者のコミュニティで出会いました。高身長でスタイルの良い素敵な女性です。
お付き合いは半年ほどで月1回しか会えていませんが、LINEでは毎日のようにやり取りをしているので寂しくはありません。
Photo by iStock
もう一人のパートナーは男性です。バーで知り合い、性癖の話で意気投合しました。体の関係もありますが、心の繋がりのほうが深いように感じます。
見た目は小太りでタイプではありませんが、夫にはない細かい気づかいやエスコートにドキドキするんです。出会って3ヵ月ほどしか経っていませんが、毎週のように会って食事やホテルでの時間を過ごしています」
ふたりのパートナーのことはもちろん、性的関係があることも夫は認識済だという。しかしここでもマミさんは壁にぶつかる。パートナーたちは夫同様にマミさんのポリアモリーを尊重してくれているが、ふたりともポリアモリーではないため、その考え方を完全に理解するには難しく、色々と問題もあるようだ。一夫一妻制の婚姻、いわゆるモノガミーが法律で決められている日本では、複数人と愛を分かち合うポリアモリーに対する偏見はまだまだある。事実婚も法律婚も、互いに生じる「貞操の義務」は信頼関係を築く上で重要な要素だ。もしも配偶者が自分に内緒で第三者と肉体関係に陥った場合、嫉妬心や、愛情の不信感・不安感などの精神的なダメージを少なからず受ける。ポリアモリーはしかし、この貞操の義務をいったん白紙に戻した状態から始める関係性だ。モノガミーの貞操の義務は、法律上で認められた常識として担保されるが、言い換えれば、それが常識だからという理由で担保されているだけであって、お互いの信頼関係が誠実に結ばれているどうかとは別問題、という風にも取れる。マミさんが話す、夫やふたりのパートナーたちとの向き合い方を聞きながら、そんな風に感じた。「私が既婚者でありポリアモリーであることは知ってはいるものの、ふたりとも『私のことだけを見てほしい』『本命になりたい』といった雰囲気を匂わせてくることがあるんです。その都度話し合いをして解決するようにはしていますが、このようなことが何度かあると、この関係は長くは続かないのかな……と思うこともあります」「大切な人にだけ」の理解でいいパートナーが増えると悩みも増えるが、それもまた楽しんでいる様子のマミさん。しかし最近ではパートナー間との悩みだけでなく、両親に対しての悩みが増えてきたという。「私たち夫婦は、子どもを作らずにDINKsとして生きていくことを結婚前から決めています。お互いの両親にもその旨は伝えているのですが、『子どもが出来たら考えも変わると思うよ』『赤ちゃんは可愛いよ』などと考えを押し付けてくるんです。私は自分が妊娠する姿も子育てする姿も想像できません。子ども最優先の人生は私には向いていないとも思っています」Photo by iStock 突然のカミングアウトに、当初は困惑していたマミさんの夫も、今では良き理解者だという。夫婦の時間は自宅にいる時のみで二人で外出する機会はあまりないが、休日の夫は趣味に没頭するなど、夫婦それぞれが自分らしい楽しい時間を過ごしているそうだ。「生まれてから最近まで自分の気持ちに嘘をつきながら生活してきましたが、今は自分らしく生きることが出来ていると実感しています。ポリアモリーは性的少数者なので理解されないことも多いですが、大切な人にだけでも理解してもらえたら嬉しいと思っています。今後も一緒に居て心地の良いパートナーを探していきたいです」恋愛の形は様々という言葉が浸透しつつある世の中になってきている。マミさんのような恋愛スタイルを理解できない人もいるかもしれないが、様々な考え方があることは知っておいてほしい。2020年、アメリカ マサチューセッツ州サマービル市では、ポリアモリー(複数人の恋愛)の関係を公的に認めた。この制度により、従来の恋愛の形で悩んでいた人たちの希望の光となったのではないだろうか。
ふたりのパートナーのことはもちろん、性的関係があることも夫は認識済だという。しかしここでもマミさんは壁にぶつかる。パートナーたちは夫同様にマミさんのポリアモリーを尊重してくれているが、ふたりともポリアモリーではないため、その考え方を完全に理解するには難しく、色々と問題もあるようだ。
一夫一妻制の婚姻、いわゆるモノガミーが法律で決められている日本では、複数人と愛を分かち合うポリアモリーに対する偏見はまだまだある。
事実婚も法律婚も、互いに生じる「貞操の義務」は信頼関係を築く上で重要な要素だ。もしも配偶者が自分に内緒で第三者と肉体関係に陥った場合、嫉妬心や、愛情の不信感・不安感などの精神的なダメージを少なからず受ける。
ポリアモリーはしかし、この貞操の義務をいったん白紙に戻した状態から始める関係性だ。モノガミーの貞操の義務は、法律上で認められた常識として担保されるが、言い換えれば、それが常識だからという理由で担保されているだけであって、お互いの信頼関係が誠実に結ばれているどうかとは別問題、という風にも取れる。
マミさんが話す、夫やふたりのパートナーたちとの向き合い方を聞きながら、そんな風に感じた。
「私が既婚者でありポリアモリーであることは知ってはいるものの、ふたりとも『私のことだけを見てほしい』『本命になりたい』といった雰囲気を匂わせてくることがあるんです。その都度話し合いをして解決するようにはしていますが、このようなことが何度かあると、この関係は長くは続かないのかな……と思うこともあります」
パートナーが増えると悩みも増えるが、それもまた楽しんでいる様子のマミさん。しかし最近ではパートナー間との悩みだけでなく、両親に対しての悩みが増えてきたという。
「私たち夫婦は、子どもを作らずにDINKsとして生きていくことを結婚前から決めています。お互いの両親にもその旨は伝えているのですが、『子どもが出来たら考えも変わると思うよ』『赤ちゃんは可愛いよ』などと考えを押し付けてくるんです。
私は自分が妊娠する姿も子育てする姿も想像できません。子ども最優先の人生は私には向いていないとも思っています」
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突然のカミングアウトに、当初は困惑していたマミさんの夫も、今では良き理解者だという。夫婦の時間は自宅にいる時のみで二人で外出する機会はあまりないが、休日の夫は趣味に没頭するなど、夫婦それぞれが自分らしい楽しい時間を過ごしているそうだ。「生まれてから最近まで自分の気持ちに嘘をつきながら生活してきましたが、今は自分らしく生きることが出来ていると実感しています。ポリアモリーは性的少数者なので理解されないことも多いですが、大切な人にだけでも理解してもらえたら嬉しいと思っています。今後も一緒に居て心地の良いパートナーを探していきたいです」恋愛の形は様々という言葉が浸透しつつある世の中になってきている。マミさんのような恋愛スタイルを理解できない人もいるかもしれないが、様々な考え方があることは知っておいてほしい。2020年、アメリカ マサチューセッツ州サマービル市では、ポリアモリー(複数人の恋愛)の関係を公的に認めた。この制度により、従来の恋愛の形で悩んでいた人たちの希望の光となったのではないだろうか。
突然のカミングアウトに、当初は困惑していたマミさんの夫も、今では良き理解者だという。夫婦の時間は自宅にいる時のみで二人で外出する機会はあまりないが、休日の夫は趣味に没頭するなど、夫婦それぞれが自分らしい楽しい時間を過ごしているそうだ。
「生まれてから最近まで自分の気持ちに嘘をつきながら生活してきましたが、今は自分らしく生きることが出来ていると実感しています。ポリアモリーは性的少数者なので理解されないことも多いですが、大切な人にだけでも理解してもらえたら嬉しいと思っています。今後も一緒に居て心地の良いパートナーを探していきたいです」
恋愛の形は様々という言葉が浸透しつつある世の中になってきている。マミさんのような恋愛スタイルを理解できない人もいるかもしれないが、様々な考え方があることは知っておいてほしい。
2020年、アメリカ マサチューセッツ州サマービル市では、ポリアモリー(複数人の恋愛)の関係を公的に認めた。この制度により、従来の恋愛の形で悩んでいた人たちの希望の光となったのではないだろうか。

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