「ベビーカーご遠慮」「席でオムツ替えない」 イタリア料理店「子連れ客12のお願い」賛否…店が方針変えない理由

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イタリアンレストランの子連れ客への要望が、SNSで議論となっている。「店が客を選ぶ権利もある」と理解を示す声がある一方、不快に感じる人もいるようだ。「これだけしっかり自己主張するお店も珍しい」と自認する店主に事情を聞いた。
東京都品川区に店を構える「イタリアンバル・フォセッタ」。生パスタとナポリ風ピッツァが看板商品で、ピザ生地、ピザソース、ミートソースなど手作りにこだわっている。
フォセッタが2019年11月から、店頭の張り紙やウェブサイトなどで周知している子連れ客へのお願いが、2023年3月中旬にSNSで注目された。
子連れ客の来店は歓迎しているものの、「外食は子供にとって身近な社会との接点でマナーを学ぶ良い機会」との考えから以下12点の遵守を求めている(1オーダー制は経営上の理由)。
・ベビーカーの入店はご遠慮ください・店内を歩かない、走らない、席の上に立たない・トイレは大人と一緒に・大きな声を出さない(泣き止まない場合は一度外へ出てあやしてください)・故意に物音を立てない(椅子を蹴る、食器やテーブルを叩くなど)・動画やおもちゃの音は最小限に・お店のもので遊ばない・飲食物の持ち込みはご遠慮ください(離乳食はお声かけいただければOKです)・ゴミはお持ち帰りください・席でオムツを替えないでください・お子様も1ドリンク・1オーダーをお願いします・席や床を汚した場合はお声かけください
店は「どんなに小さなお子様でも常に見て聞いて感じ学びとっています。どんな状況でも一貫して教えてあげれば子供にとって大きな宝になるし何より親御さんが楽になると思います」と理解を求め、「他のお客様への気遣いや衛生上の問題、お店を継続していくためご協力お願いいたします」としている。
ツイッターでは、客の立場から議論を巻き起こした。
「子ども連れ歓迎=子どもなら何してもOKではないからね」「店が客を選ぶ権利もある」「私も子持ちだけどコレはわかる」と共感する向きがある一方、「いっそ子連れお断りにした方が親切では?」「(子どもが)静かにできるわけ無い」「私は行かない」と反発もあった。
店は反響を受けて3月16日に声明を出し、改めて説明した。注意事項は「私達の考え方、価値観によるもの」だとして、「これが出来ていないから責めるという気持ちはありません」と釈明する。
「子育ても様々な方針やケースがありますしそれぞれの考え方は尊重します。何にしても価値観や考え方の違いはあるものです」と前置きし、「自分の価値観や考え方に合う所を選ぶのがこれからの時代なのかなと感じています」と持論を述べた。
もっとも、同じ価値観を持っていても無邪気な子どもに徹底させるのは骨が折れそうだ。その際は、「見守るスタイル」だという。「根気強く教えていても改善されない場合は他人から言われると大人しくなる場合があります。その時はこちらからお声掛けという形で手助けしています。他のお客様も頑張って子育てしている姿勢が見られれば温かく見守ってくださいます。むしろ好意的に協力してくださいます。フォセッタに来てくださるお客様はそういう方ばかりです」
落ち着いて食事ができる環境づくりには客側の協力も不可欠だとして、「これだけしっかり自己主張するお店も珍しいと思います」とするも「リラックスして食事をしたい人のためにお子様連れのお客様もお気遣いいただければ」とリクエストした。
店主が29日、J-CASTニュースの取材に応じ、12項目はいずれも実際にあった例だと明かした。
店では張り紙などでマナーを案内する前から、周囲に迷惑がかかってしまい、改善が見込めない客には直接注意してきた。しかし、接客態度が悪いと受け取られ、強硬的になる客が少なくなかった。事前に呼びかけをすることで「お互いに摩擦なく利用していただけるのではないか」と考え、掲出にいたった。入店前にも口頭で確認するようにしている。
寄せられた意見には、「私達の方針は変わりません」とキッパリ。「お店の方針に合わないから利用しない、これでいいと思っています」と信念を貫く。
「いっそ子連れはお断りにした方が親切」との注文にも否定的だ。フォセッタの料理は子どもからも好評で、「手作りの本来の食材の味がわかるのか、本当によく食べると驚かれます。将来はこんな美味しい料理を作る人になりたいという子もいます」という。「お店に来たことも無い人の意見を取り上げて子供に悲しい思いをさせる事はできません」と吐露した。
店主は「私達の方針は全て子供そして子育てをする親御さんへの愛情から決めた事です。親御さんが主体となってマナーを教え私達はそれを手伝う。それが伝わる人にご利用いただければそれで良いと思っています」と改めて訴えた。

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