【榊淳司】「最寄り駅から徒歩5分と聞いたのに、実際は違っていた」…日本全土に「正直ではない」不動産屋が存在するヤバすぎる背景

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引っ越し業者にとって3~4月は繁忙期だ。大学進学や就職、勤務先の転勤や異動などを機に、この時期、不動産屋を訪れた人も多いに違いない。
photo by istock
その際、「不動産屋にダマされた」という人は、多いのではないだろうか。
・不動産屋で聞いたより、最寄り駅から時間がかかる・物件の内観写真が広角レンズで撮影されており、実際に見たら狭く感じた・「今なら値引き枠が〇万円あるけど、それは今週いっぱいまで」・「この部屋は人気ですが、たまたまキャンセルが出た。ラッキーですね」・「こんなにいい物件はなかなか出てきませんよ」・「近くの小中学校はすこぶる評判がいいんです」・「こういう間取りはお子さんの成績を上げますよ」
……その中身は様々だろう。ほんの軽いウソもあれば、「(本当のことを)知っていれば借りなかったのに」あるいは「買わなかったのに」といった、深刻なものもある。
場合によっては、「あとン千万円高く売れたかもしれない」という類もあるだろう。いずれにしても、そのン千万円で人生の風景が変わったとしたら、かなり痛いはずだ。
不動産屋はウソをつく――これは世間一般の常識的な感覚と言っていい。何ヵ月か前、NHKドラマとして放送された『正直不動産』は、かなり好評だったという。あることがキッカケでウソがつけなくなった不動産仲介の営業マンをコミカルに描いた内容で、原作は小学館のビッグコミックに連載されているマンガ。こちらもなかなかヒットしている。「正直」不動産のワケしかし、よく考えてみるとこのタイトルは意味深長といえないだろうか。なぜなら、世の中の不動産屋がおおむね正直であれば、こんなタイトルは成立しないからだ。例えば『正直ドクター』とか『正直税理士』といったタイトルでは、マンガもドラマも出てこないはずだ。不動産屋には「正直」な人が少ない、あるいは世間で圧倒的にそういう風に考えられているからこそ、『正直不動産』というタイトルが生まれ、それなりのインパクトを与えたわけである。では、不動産屋にはそんなに「正直ではない」ウソつきが多いのか?「正直」に答えさせていただくと、その通りだ。以前、ある情報番組にコメンテーターとして出演させていただいた際、「不動産屋というのは10人いれば8人か9人は悪い奴ですから」と言ったら、スタジオ内でドッとウケた。「へえ、そうなんですか」というノリである。女性タレントが「私が会った不動産屋さんはみんないい人でしたけど」というので、私が「それはまだダマされていることに気付いていないだけかもしれませんよ」と返したら、またウケた。 さほどメジャーな番組ではないので、まさか知り合いなんか、誰も見ていないだろうとタカをくくっていた。ところがその数日後、私がある不動産仲介業者さんと組んで開催している「不動産売却相談会」の会場に着くと、その仲介業者さんに「あの番組、見ていましたよ」と言われたので、冷や汗が吹きだした。初対面は「危なっかしい」「いや、アレはテレビ向きの発言でして……」しどろもどろの言い訳をする私に、そのお方はニコニコ笑いながらこうおっしゃった。 「その通りですよ。だから私は決まったメンツとしか取引しません」つまり、初対面の不動産業者とは危なっかしくて取引できない、と言うのだ。その理由とはいったい何なのかーー。続編記事『「キャンセル住戸限定1戸」「他にも検討している熱心なお客さんがいます」…不動産屋の決め台詞に隠された、「知られたくない真意」』では、不動産業界特有の商慣行に迫る。
不動産屋はウソをつく――これは世間一般の常識的な感覚と言っていい。何ヵ月か前、NHKドラマとして放送された『正直不動産』は、かなり好評だったという。
あることがキッカケでウソがつけなくなった不動産仲介の営業マンをコミカルに描いた内容で、原作は小学館のビッグコミックに連載されているマンガ。こちらもなかなかヒットしている。
しかし、よく考えてみるとこのタイトルは意味深長といえないだろうか。なぜなら、世の中の不動産屋がおおむね正直であれば、こんなタイトルは成立しないからだ。例えば『正直ドクター』とか『正直税理士』といったタイトルでは、マンガもドラマも出てこないはずだ。
不動産屋には「正直」な人が少ない、あるいは世間で圧倒的にそういう風に考えられているからこそ、『正直不動産』というタイトルが生まれ、それなりのインパクトを与えたわけである。
では、不動産屋にはそんなに「正直ではない」ウソつきが多いのか?
「正直」に答えさせていただくと、その通りだ。
以前、ある情報番組にコメンテーターとして出演させていただいた際、「不動産屋というのは10人いれば8人か9人は悪い奴ですから」と言ったら、スタジオ内でドッとウケた。「へえ、そうなんですか」というノリである。
女性タレントが「私が会った不動産屋さんはみんないい人でしたけど」というので、私が「それはまだダマされていることに気付いていないだけかもしれませんよ」と返したら、またウケた。
さほどメジャーな番組ではないので、まさか知り合いなんか、誰も見ていないだろうとタカをくくっていた。ところがその数日後、私がある不動産仲介業者さんと組んで開催している「不動産売却相談会」の会場に着くと、その仲介業者さんに「あの番組、見ていましたよ」と言われたので、冷や汗が吹きだした。初対面は「危なっかしい」「いや、アレはテレビ向きの発言でして……」しどろもどろの言い訳をする私に、そのお方はニコニコ笑いながらこうおっしゃった。 「その通りですよ。だから私は決まったメンツとしか取引しません」つまり、初対面の不動産業者とは危なっかしくて取引できない、と言うのだ。その理由とはいったい何なのかーー。続編記事『「キャンセル住戸限定1戸」「他にも検討している熱心なお客さんがいます」…不動産屋の決め台詞に隠された、「知られたくない真意」』では、不動産業界特有の商慣行に迫る。
さほどメジャーな番組ではないので、まさか知り合いなんか、誰も見ていないだろうとタカをくくっていた。ところがその数日後、私がある不動産仲介業者さんと組んで開催している「不動産売却相談会」の会場に着くと、その仲介業者さんに「あの番組、見ていましたよ」と言われたので、冷や汗が吹きだした。
「いや、アレはテレビ向きの発言でして……」
しどろもどろの言い訳をする私に、そのお方はニコニコ笑いながらこうおっしゃった。
「その通りですよ。だから私は決まったメンツとしか取引しません」つまり、初対面の不動産業者とは危なっかしくて取引できない、と言うのだ。その理由とはいったい何なのかーー。続編記事『「キャンセル住戸限定1戸」「他にも検討している熱心なお客さんがいます」…不動産屋の決め台詞に隠された、「知られたくない真意」』では、不動産業界特有の商慣行に迫る。
「その通りですよ。だから私は決まったメンツとしか取引しません」
つまり、初対面の不動産業者とは危なっかしくて取引できない、と言うのだ。
その理由とはいったい何なのかーー。
続編記事『「キャンセル住戸限定1戸」「他にも検討している熱心なお客さんがいます」…不動産屋の決め台詞に隠された、「知られたくない真意」』では、不動産業界特有の商慣行に迫る。

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