“軟禁”女子大生がロシアを脱出していた!足の“GPS”は機能せず「当局はまだ脱出方法を分かっていない」【報道1930】

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自らの意に沿わないロシアによるドンバス併合式典についてSNSで批判したりしただけで、治安当局に訴追されたロシアの女子大生がいることは以前紹介した。彼女の名はオレシャ・クリブツォワさん(20)。足にはGPSがつけられ自宅軟禁されていたが、実は数日前、ロシア脱出に成功していた。どこにいるのか、どのように当局の目をかいくぐったのか、いまどのような心境なのかを聞いた。
【写真を見る】“軟禁”女子大生がロシアを脱出していた!足の“GPS”は機能せず「当局はまだ脱出方法を分かっていない」【報道1930】「私が脱出した方法を彼らはまだ分かっていない」オレシャ・クリブツォワさん(20)「今はリトアニアにいます。ちなみに今日(3月20日)から私はロシアで指名手配になりました」

ロシアにいた時とはうってかわって時折笑顔を見せながらインタビューに応じてくれたオレシャさん。自宅軟禁されたのは2023年1月。きっかけはクリミア橋爆破の映像に『ウクライナ人は喜んでいるか』というコメントを付けて、SNSに投稿したこと。またその後もドンバス地方の併合を支持するイベントに強制的に参加させられた学生の写真に『最低』という文字を書き込んだことでロシア軍を侮辱したり、ウソの情報を拡散したりしたとして訴追されました。その後は、インターネットも禁止された上、足にはGPSのようなものを付けられ、行動できる範囲は裁判所と自宅だけでした。オレシャさんがロシアを脱出したのは3月11日。リトアニアに入ったのは16日でした。一体この間何があったのか、どのような方法でロシアを出国することができたのでしょうか。オレシャ・クリブツォワさん(20)「支援を必要とする他の人もこの脱出ルートが使えるようにするため残念ながら詳細を明らかにすることができません。ロシア当局の不手際でもありますが私が脱出した方法を彼らは未だに分かっていないと思います」「当局が家に来たのは翌日」“GPS”をどうかいくぐったのかしかし気になるのは足に付けられたGPSのような装置です。これをいつどのように外して当局の眼をかいくぐることが出来たのか聞くと…オレシャ・クリブツォワさん(20)「実は家を出たときは追跡装置を外していなかったんです。家からかなり離れてから外しました。追跡装置の中に居場所を追跡するGPSが搭載されていると思っている人が多いですが、それは嘘です。自宅には機械がおいてあってその機械から200メートル離れると私が自宅を出たという信号が当局に送られますが、私がどこに向かったのか追跡することはできません。追跡装置は頻繁に誤作動することもあって当局が私の家に来たのは翌日でした」実はロシアの治安当局がオレシャさんに付けたのはGPSなどで彼女の位置を正確に把握できる装置ではなかったといいます。装置を外すとそれを外した連絡が当局に伝わるが、位置に関しては自宅から200メートル離れると当局に連絡が行く仕組みだったといいます。しかもそれはこれまでにも誤作動が多く、200メートル離れていなくても通報が行くなどしていたため、監視に油断があったというのです。これについて朝日新聞の論説委員駒木明義氏はこう解説します。朝日新聞論説委員駒木明義「ロシアにはよくある話だなと思います。GPSはお金もかかるし、それを監視する人員も必要になる。誤作動が多かったというのもそうだし、役人の働き方からして、翌日家に行くなんていうのもロシアらしい話です」「彼らのことは馬鹿な告げ口野郎だと思っています」元々オレシャさんが自宅軟禁されたのは大学の同級生が彼女の行動を当局に密告したからだと言われています。友人からのいわば裏切りのような形から始まった今回の出来事についてどう思うか聞くと…オレシャ・クリブツォワさん(20)「私の大学の場合は無関心の人が一番多いです。二番目に多いのはウクライナ侵攻の支持者で、戦争反対派は残念ながら三番目です。大学の同じ学年の人たちが(私のSNSの投稿を)密告したいということを考えていることを知っていたので今回のことは予想することはできました」驚いたのは友人だけでなく、大学の教授や幹部たちまでが彼女を陥れるように当局に証言していたことでした。オレシャ・クリブツォワさん(20)「当局に証言する教師もいますし、勉強は順調だったのに内容の悪い内申を当局に提出した大学幹部の人もいます。彼らのことは馬鹿な告げ口野郎だと思っています。彼らのせいで私は家を失い、家族と一緒にいられなくなり社会的弱者になったのです」いまだに話すのが怖い…彼女はすでに結婚していますが、夫は母親とともにロシアに残して脱出しました。残された家族には当局から脅迫のメッセージが送られてきていましたが、これを当局の無力感の表明だと家族は受け止めているといいます。しかし今回、ロシアにいながらウクライナ侵攻を非難したことに後悔はあるか聞くと、少し表情をゆがめ苦しさと、いまだに残るロシアへの恐怖を話してくれました。オレシャ・クリブツォワさん(20)「これはつらい質問ですね。大きな代償を払っているから。母や家族のほかの人にかけた心配と、ロシアの自分の家を失ったこと、繋がっていた人をロシアに残したことです。名前を明らかに出来ませんがロシアには友達や支援してくれる仲間がたくさんいるし連絡は取り合っています。反戦活動をした人は多かったですが、みんな国外に脱出せざるを得なくなりました。今は私がこのような状況になったこともあって声を上げるのはなかなか難しい状況です。私はロシア国外にいるのにこんな話をするのが怖いのはやはりロシア連邦による影響。私が願うのはウラジミール・プーチンが辞めること。今のロシアは存在してはならないということ。また刑事事件を起こされたらいやなので…本当に嫌です…なのでこれくらいにしておきます…」(BS-TBS報道1930 3月22日放送)
オレシャ・クリブツォワさん(20)「今はリトアニアにいます。ちなみに今日(3月20日)から私はロシアで指名手配になりました」
ロシアにいた時とはうってかわって時折笑顔を見せながらインタビューに応じてくれたオレシャさん。自宅軟禁されたのは2023年1月。きっかけはクリミア橋爆破の映像に『ウクライナ人は喜んでいるか』というコメントを付けて、SNSに投稿したこと。
またその後もドンバス地方の併合を支持するイベントに強制的に参加させられた学生の写真に『最低』という文字を書き込んだことでロシア軍を侮辱したり、ウソの情報を拡散したりしたとして訴追されました。その後は、インターネットも禁止された上、足にはGPSのようなものを付けられ、行動できる範囲は裁判所と自宅だけでした。
オレシャさんがロシアを脱出したのは3月11日。リトアニアに入ったのは16日でした。一体この間何があったのか、どのような方法でロシアを出国することができたのでしょうか。
オレシャ・クリブツォワさん(20)「支援を必要とする他の人もこの脱出ルートが使えるようにするため残念ながら詳細を明らかにすることができません。ロシア当局の不手際でもありますが私が脱出した方法を彼らは未だに分かっていないと思います」
しかし気になるのは足に付けられたGPSのような装置です。これをいつどのように外して当局の眼をかいくぐることが出来たのか聞くと…
オレシャ・クリブツォワさん(20)「実は家を出たときは追跡装置を外していなかったんです。家からかなり離れてから外しました。追跡装置の中に居場所を追跡するGPSが搭載されていると思っている人が多いですが、それは嘘です。自宅には機械がおいてあってその機械から200メートル離れると私が自宅を出たという信号が当局に送られますが、私がどこに向かったのか追跡することはできません。追跡装置は頻繁に誤作動することもあって当局が私の家に来たのは翌日でした」
実はロシアの治安当局がオレシャさんに付けたのはGPSなどで彼女の位置を正確に把握できる装置ではなかったといいます。装置を外すとそれを外した連絡が当局に伝わるが、位置に関しては自宅から200メートル離れると当局に連絡が行く仕組みだったといいます。しかもそれはこれまでにも誤作動が多く、200メートル離れていなくても通報が行くなどしていたため、監視に油断があったというのです。
これについて朝日新聞の論説委員駒木明義氏はこう解説します。
朝日新聞論説委員駒木明義「ロシアにはよくある話だなと思います。GPSはお金もかかるし、それを監視する人員も必要になる。誤作動が多かったというのもそうだし、役人の働き方からして、翌日家に行くなんていうのもロシアらしい話です」
元々オレシャさんが自宅軟禁されたのは大学の同級生が彼女の行動を当局に密告したからだと言われています。友人からのいわば裏切りのような形から始まった今回の出来事についてどう思うか聞くと…
オレシャ・クリブツォワさん(20)「私の大学の場合は無関心の人が一番多いです。二番目に多いのはウクライナ侵攻の支持者で、戦争反対派は残念ながら三番目です。大学の同じ学年の人たちが(私のSNSの投稿を)密告したいということを考えていることを知っていたので今回のことは予想することはできました」
驚いたのは友人だけでなく、大学の教授や幹部たちまでが彼女を陥れるように当局に証言していたことでした。
オレシャ・クリブツォワさん(20)「当局に証言する教師もいますし、勉強は順調だったのに内容の悪い内申を当局に提出した大学幹部の人もいます。彼らのことは馬鹿な告げ口野郎だと思っています。彼らのせいで私は家を失い、家族と一緒にいられなくなり社会的弱者になったのです」
彼女はすでに結婚していますが、夫は母親とともにロシアに残して脱出しました。残された家族には当局から脅迫のメッセージが送られてきていましたが、これを当局の無力感の表明だと家族は受け止めているといいます。しかし今回、ロシアにいながらウクライナ侵攻を非難したことに後悔はあるか聞くと、少し表情をゆがめ苦しさと、いまだに残るロシアへの恐怖を話してくれました。
オレシャ・クリブツォワさん(20)「これはつらい質問ですね。大きな代償を払っているから。母や家族のほかの人にかけた心配と、ロシアの自分の家を失ったこと、繋がっていた人をロシアに残したことです。名前を明らかに出来ませんがロシアには友達や支援してくれる仲間がたくさんいるし連絡は取り合っています。反戦活動をした人は多かったですが、みんな国外に脱出せざるを得なくなりました。今は私がこのような状況になったこともあって声を上げるのはなかなか難しい状況です。私はロシア国外にいるのにこんな話をするのが怖いのはやはりロシア連邦による影響。私が願うのはウラジミール・プーチンが辞めること。今のロシアは存在してはならないということ。また刑事事件を起こされたらいやなので…本当に嫌です…なのでこれくらいにしておきます…」
(BS-TBS報道1930 3月22日放送)

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