《本人直撃》歌舞伎町の黒人キャッチが扱う“違法ビジネス”の正体「大麻もあるし覚醒剤もあるね」

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「客の9割は風俗嬢」ホストクラブに通う女性ほど「風俗落ち」してしまう“恐るべき理由” から続く
歌舞伎町を訪れると、時折見かける「黒人キャッチ」……彼らはいったい何のビジネスをしているのか? 歌舞伎町を根城にする理由や、扱う商品について、2019年に歌舞伎町のヤクザマンションへと居を移したルポライターの國友公司氏が直撃。新刊『ルポ歌舞伎町』より一部抜粋してお届けする。(全3回の1回目/#2、#3を読む)
【画像アリ】客を待ち構える「怪しい黒人たち」
歌舞伎町の「黒人キャッチ」の正体とは? 写真は黒人のキャッチ向けにアフリカ料理の弁当を売っている黒人たち(写真:筆者撮影)
◆◆◆
歌舞伎町の路上で黒人のキャッチに声をかけても「ブラザー」と握手を求められ、「今日はナニするの?」とキャッチ行為をされるだけで、込み入った質問をすれば「日本語ワカラナイネ」とすぐにはぐらかされる。
キャッチについていっても、酒を飲まされ女を勧められ、運が悪ければぼったくられるだけである。しかし「こんな人に会いたい」と考え続けていると、その人は巡り合わせのように突然目のまえにやってくる。1年以上は顔を合わせていない知人の女性から突然連絡がきた。
「バーをオープンすることになったの。よかったら来ない?」
そのバーの経営者はナイジェリア人のイブラヒムという男で、知人は開店準備の手伝いをしているという。
イブラヒムは日本国籍の女性と結婚し、すでに20年以上を日本で暮らし、日本語も流暢である。そして聞いてみれば歌舞伎町の路上にいた時期も長く、今でも歌舞伎町に出入りをしては困っている同胞たちを語学力と知識と人脈でバックアップする仕事もしているという。
私は関東某所にある開店準備真っただ中のイブラヒムの店へ足を伸ばした。しかし、関東の片田舎に顔も知らぬ歌舞伎町の黒人にひとりで会いに行くというのは、その場に知人がいるとはいえ若干の不安がある。
その知人というのも人を信用しやすく少し騙されやすい部分がある。1年前に会ったときも終始「私、騙されているかもしれない」という相談であったが、聞く限りでは宗教関連の人たちに騙されていたと思う。
少し怯えながらもイブラヒムとの付き合いが始まった。それにより完全にとまでは言えないが、歌舞伎町の黒人に対して抱いていた疑問の多くが解決されることになった。なお、イブラヒムは自分たち黒人のことを「ブラック」と呼ぶが、あえてそのままの表記にしてある。
――歌舞伎町の黒人たちの主な仕事はやはりキャッチと麻薬売買ですか。
イブラヒム そう。俺たちの仕事はインターナショナルクラブのキャッチと麻薬ね。日本は英語が通じない国でしょ。日本語が話せないと仕事できないじゃん。麻薬売買はもちろんキャッチも違法だけど、麻薬売買もキャッチもブラックだけじゃなくて日本人もやってるじゃん。
――歌舞伎町の黒人が扱う薬物はやっぱりコカインが中心ですか。
イブラヒム いろいろね。大麻もあるし覚醒剤もあるね。でも日本人にはブラック=コカインというイメージがあるみたいで、自然とコカインが多くなっているよね。キャッチは客が使ったお金の30%をキックバックとしてもらう――黒人のキャッチが増えたのはいつから?イブラヒム ブラックが歌舞伎町に来始めたのは25年くらい前だったね。歌舞伎町、渋谷、原宿、六本木、上野、いろんなところでヒップホップの洋服を売っていたけど、売れなくなってバーやクラブを開き始めたね。――インターナショナルクラブとキャッチの関係はどうなっているんですか。イブラヒム 客引きはインターナショナルクラブの従業員じゃなくてフリーランサーね。店と契約して客を連れて行っているだけ。大体、客が使ったお金の30%をキックバックとしてもらってるね。昔は店の従業員として月給制でキャッチをしているケースもあったけど、いまはないよね。インターナショナルクラブの経営者はアフリカ人で、日本人が経営しているケースは聞いたことないね。――日本人のキャッチと黒人のキャッチが話しているところをよく見ます。イブラヒム ブラックのキャッチが日本人の経営している店に連れて行くこともあるよ。店に直接連れて行くこともあれば、日本人の客引きに引き継ぐこともある。その場合はブラックにもバックが入る。その逆もあるよね。英語がわからない日本人のキャッチが外国人観光客をブラックのキャッチに引き継ぐこともあるね。「ヤクザに金は払ってないよ」――インターナショナルクラブや黒人のキャッチにヤクザのケツ持ちはいますか。イブラヒム どちらもヤクザに金は払ってないよ。自分たちだけでやってる。ブラックが扱う麻薬のルートに日本のヤクザが関わっていることもあれば関わっていないこともある。でも、ストリートで麻薬を売っているブラックが場所代をヤクザに払っていることはないね。俺たちは生まれたときから何かにビビるとかないから。常に生きるか死ぬかのサバイバルだから。ヤクザだから頭を下げる、金を払うとかはないね。 ヤクザはヤクザ、ブラックはブラックでしょ。昔からヤクザは俺たちに「歌舞伎町から出ていけ」と言ってくるし、大きい喧嘩にもなってるね。警察も俺たちに「黙って出て行ったほうが安全だ」と言うけど、俺たちは出て行かないよ。黒人たちが「歌舞伎町」を拠点にするワケ――彼らは母国を出るときからすでに、歌舞伎町を目指して日本に来るのですか。イブラヒム それはないね。アフリカから日本を見たときに、歌舞伎町という街があることすらわからないね。日本にいるブラックの中で、歌舞伎町にいる人間はごく一部ね(日本で暮らすアフリカ人は、2018年6月末時点で1万6304人いる)。渋谷、六本木ふくめても繁華街でキャッチしているブラックはごく一部ね。日本に住んでいるブラックはもっともっといっぱいいるよ。――イブラヒムはどのタイミングで歌舞伎町に来たのですか。イブラヒム 俺は日本に来て2週間後に歌舞伎町を知ったね。はじめは練馬にいたから、池袋・六本木・渋谷・歌舞伎町、とりあえず行ってみるでしょ。歌舞伎町は面白いところだと思ったね。六本木と同じで外国人観光客多いじゃん。だから日本語が話せなくても歌舞伎町のキャッチならなんとかなるよね。簡単な仕事だからね。――キャッチを始めるときに誰かに許可を取る必要はありますか。イブラヒム そんなのひとつもいらないよ。日本人のルールとはまったく違うからね。だってみんな困って日本に来てるんでしょ。だからここは俺の場所とか、そんなルールを俺たちは作らないよ。紹介できる店を自分は探さなければいけないけど。――六本木にも黒人のキャッチはいますが、彼らと歌舞伎町の黒人が繋がっていることはありますか。イブラヒム 街ごとに繋がりを作っていることはないけど、国によって繋がりはできるね。同じ国同士の人間なら、街が違っても集まる。ナイジェリア、ガーナ、セネガル、ケニア、カメルーンはとても多いね。南アフリカ、ギニア、マリ、コンゴ、いろんな国のブラックがいるね。――今日は歌舞伎町、明日は六本木と街を移動するキャッチはいますか。イブラヒム それはないね。六本木の人間は六本木。歌舞伎町の人間は歌舞伎町。でも歌舞伎町を辞めて六本木に行く人もいれば、六本木を辞めて歌舞伎町に行く人もいるよ。日によって変えてはいけないというルールはないけど、ひとつの街に絞ったほうが効率的ね。ただそれだけね。中国人相手に“1ヶ月で200万円”稼いだことも…日本人デリヘル嬢が明かした「夜の爆買い事情」 へ続く(國友 公司/Webオリジナル(外部転載))
イブラヒム いろいろね。大麻もあるし覚醒剤もあるね。でも日本人にはブラック=コカインというイメージがあるみたいで、自然とコカインが多くなっているよね。
――黒人のキャッチが増えたのはいつから?
イブラヒム ブラックが歌舞伎町に来始めたのは25年くらい前だったね。歌舞伎町、渋谷、原宿、六本木、上野、いろんなところでヒップホップの洋服を売っていたけど、売れなくなってバーやクラブを開き始めたね。
――インターナショナルクラブとキャッチの関係はどうなっているんですか。
イブラヒム 客引きはインターナショナルクラブの従業員じゃなくてフリーランサーね。店と契約して客を連れて行っているだけ。大体、客が使ったお金の30%をキックバックとしてもらってるね。昔は店の従業員として月給制でキャッチをしているケースもあったけど、いまはないよね。インターナショナルクラブの経営者はアフリカ人で、日本人が経営しているケースは聞いたことないね。
――日本人のキャッチと黒人のキャッチが話しているところをよく見ます。
イブラヒム ブラックのキャッチが日本人の経営している店に連れて行くこともあるよ。店に直接連れて行くこともあれば、日本人の客引きに引き継ぐこともある。その場合はブラックにもバックが入る。その逆もあるよね。英語がわからない日本人のキャッチが外国人観光客をブラックのキャッチに引き継ぐこともあるね。
――インターナショナルクラブや黒人のキャッチにヤクザのケツ持ちはいますか。
イブラヒム どちらもヤクザに金は払ってないよ。自分たちだけでやってる。ブラックが扱う麻薬のルートに日本のヤクザが関わっていることもあれば関わっていないこともある。でも、ストリートで麻薬を売っているブラックが場所代をヤクザに払っていることはないね。俺たちは生まれたときから何かにビビるとかないから。常に生きるか死ぬかのサバイバルだから。ヤクザだから頭を下げる、金を払うとかはないね。
ヤクザはヤクザ、ブラックはブラックでしょ。昔からヤクザは俺たちに「歌舞伎町から出ていけ」と言ってくるし、大きい喧嘩にもなってるね。警察も俺たちに「黙って出て行ったほうが安全だ」と言うけど、俺たちは出て行かないよ。
――彼らは母国を出るときからすでに、歌舞伎町を目指して日本に来るのですか。
イブラヒム それはないね。アフリカから日本を見たときに、歌舞伎町という街があることすらわからないね。日本にいるブラックの中で、歌舞伎町にいる人間はごく一部ね(日本で暮らすアフリカ人は、2018年6月末時点で1万6304人いる)。渋谷、六本木ふくめても繁華街でキャッチしているブラックはごく一部ね。日本に住んでいるブラックはもっともっといっぱいいるよ。
――イブラヒムはどのタイミングで歌舞伎町に来たのですか。
イブラヒム 俺は日本に来て2週間後に歌舞伎町を知ったね。はじめは練馬にいたから、池袋・六本木・渋谷・歌舞伎町、とりあえず行ってみるでしょ。歌舞伎町は面白いところだと思ったね。六本木と同じで外国人観光客多いじゃん。だから日本語が話せなくても歌舞伎町のキャッチならなんとかなるよね。簡単な仕事だからね。
――キャッチを始めるときに誰かに許可を取る必要はありますか。
イブラヒム そんなのひとつもいらないよ。日本人のルールとはまったく違うからね。だってみんな困って日本に来てるんでしょ。だからここは俺の場所とか、そんなルールを俺たちは作らないよ。紹介できる店を自分は探さなければいけないけど。
――六本木にも黒人のキャッチはいますが、彼らと歌舞伎町の黒人が繋がっていることはありますか。
イブラヒム 街ごとに繋がりを作っていることはないけど、国によって繋がりはできるね。同じ国同士の人間なら、街が違っても集まる。ナイジェリア、ガーナ、セネガル、ケニア、カメルーンはとても多いね。南アフリカ、ギニア、マリ、コンゴ、いろんな国のブラックがいるね。
――今日は歌舞伎町、明日は六本木と街を移動するキャッチはいますか。
イブラヒム それはないね。六本木の人間は六本木。歌舞伎町の人間は歌舞伎町。でも歌舞伎町を辞めて六本木に行く人もいれば、六本木を辞めて歌舞伎町に行く人もいるよ。日によって変えてはいけないというルールはないけど、ひとつの街に絞ったほうが効率的ね。ただそれだけね。
中国人相手に“1ヶ月で200万円”稼いだことも…日本人デリヘル嬢が明かした「夜の爆買い事情」 へ続く
(國友 公司/Webオリジナル(外部転載))

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