「客の9割は風俗嬢」ホストクラブに通う女性ほど「風俗落ち」してしまう“恐るべき理由”

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「7万円で仕入れた酒は100万円で売ります」歌舞伎町のホストクラブ経営者が明かした“儲けの仕組み”…客の中には「障害年金で遊ぶホス狂い」も から続く
「客の9割が風俗嬢」と言われるホスト業界。この来店客の“偏り”はいかにして生まれるのか? ホストクラブに通う女性ほど「風俗落ち」しやすい理由を、ルポライターの國友公司氏による新刊『ルポ歌舞伎町』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
【画像アリ】深夜の歌舞伎町で気絶するホス狂い
なぜホストクラブにハマる女性ほど「風俗落ち」してしまうのか? 写真はホス狂いにカッターで切り刻まれたホストクラブの看板広告 筆者撮影
◆◆◆
ホストクラブにおける本指名は「永久指名」であり、そのホストが店を辞めない限り客は担当ホストを変えることができない。また業界の掟として、客が飛んだ場合、未精算の売掛金(ツケ)はすべて担当ホストの負担となる。
事前に借用書などを作成しておき法律に基づいて取り立てるホストもいれば、実家を押さえておき親に直接アプローチするホスト、取り立てる労力を考慮して自腹を切るホストもいる。
大金を稼ぐためには売掛をさせることが前提となってくるためホストクラブで働くこと自体がリスキーであるわけだが、売掛金まで店が面倒を見ることになると商売として成り立たない。
仮に売掛金まで店の責任となるのであれば、ホストは可能な限り売掛をさせたうえで回収に本腰を入れることなどまずないだろう。最悪、ホストだって飛んでしまえばいい。売掛というシステムがある限り、その責任をホストが持つことは当然とも言える。
そのぶん店は寮費や宣伝広告費など、ほかの面でホストたちの面倒を見ている。さらには新人ホストが生活苦に陥らないよう、最低保証をつけている店がほとんどである。
歌舞伎町でホストクラブを経営する田口の店では出勤さえすれば1日あたり7000円の日当が出る。週1日の休みで月に25日間出勤すれば、最低でも17万5000円の月給になる。すでに担当ホストが決まっている客に対し、別のホストが親密になったり連絡先を交換したりすることは客の取り合いによるトラブルを防ぐためにタブーとなっている。しかし、あくまで暗黙のルールであり、金脈を目の前にすればホストたちは臨機応変に対応する。
繰り返しになるがホストクラブの客の9割は風俗嬢であり、残りの1割に労力を注ぎ込むことは非効率だ。だが、風俗の世界に踏み込もうとしている女性が目の前にいるならば、話は変わる。
OLの客が月に何度も担当ホストのもとへ通っていれば月々の収支に足が出始め、貯金を切り崩していることは容易に想像できる。担当ホストとしては風俗の世界に進んでもらうチャンスになるわけだが、担当ホストから「風俗に行ってくれ」と言うことはない。OLの感覚はホス狂いのそれとはまだ違うため、その一言で一気に冷めて店に来なくなるかもしれないからだ。
「貯金はなくなってきたけどこれからも会いに来るにはどうすればいいだろうって、まずは自分で考えさせます。で、結局通い続けるにはどこかで手っ取り早く大金を作らなきゃいけない。そのうち、“夜のお仕事もしてみようかな”と相談されますよ」
ここでも担当ホストは自分の手を汚すことはない。「俺のためにそんなこと」などと悩む素振りを見せつつ、裏では「アイツのこと風俗に落とすから上手いこと言っておいてくれよ」とヘルプのホストたちに根回しをしている。
そのため担当ホストではないヘルプのホストたちを、あえて客と親密な関係にさせることもあるのだ。「君がそこまでの覚悟があるならいいんじゃないか」「これからも通いたいなら風俗に行くしかないんじゃないの?」と、ヘルプのホストたちに煽られる形で、OLは風俗で働き出す。
ホストに恋するOLは、乙女心から風俗で働き始めた事実を担当ホストに隠す。担当ホストもカミングアウトがあるまでは知らないふりをする。
「ホストの仕事はチームプレイなので。汚れ仕事はヘルプがやること。ヘルプは売れっ子ホストの引き立て役ですから」
ホストたちによるチームプレイは店外まで及ぶこともある。ホストとスカウトが組めば一気に金の回りはよくなるのだ。スカウトとは街やSNSなどで女性に声をかけ、ガールズバー、キャバクラ、風俗店などに女性を斡旋し、斡旋先の店からバックを受け取る者たちである。
「これ、僕の店では禁止していますよ。発覚したらそのホストはクビにしています。売春斡旋自体、犯罪なわけですから。ホストには少なからずスカウトの知人はいると思いますが、そいつと組んでビジネスやっちゃう奴がいる」
風俗で働こうとしている客や、勤務している風俗店に不満を抱いている女性が客にいれば、スカウトにその情報を売ってしまえばいい。さらには「女の子のためを思って」という顔をして直接風俗店に紹介してしまうこともある。
田口が問題とするのは、その際にホストがスカウトからバックを受け取るケースである。店でも売掛をさせ、しかも自分をスカウトに売って金までもらっていたら、女の子からしたらたまったものじゃない。
「担当ホストと客の信頼関係を利用して金にしているわけですが、これやる奴は売れないですよ。ホストとしての自分に自信がないことの裏返しですから。もしめくれたら女の子は高確率で飛ぶだろうし。もしかしたら、第6トーアの屋上から飛ぶかもしれない。ちょっと笑えないですね」
もしも風俗嬢がその担当ホストに本気で恋をしていたとしたら、そのショックは計り知れないだろう。消えてしまいたくなる気持ちもわからなくもない。(國友 公司/Webオリジナル(外部転載))
もしも風俗嬢がその担当ホストに本気で恋をしていたとしたら、そのショックは計り知れないだろう。消えてしまいたくなる気持ちもわからなくもない。
(國友 公司/Webオリジナル(外部転載))

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