レジオネラ菌「大したことない」老舗旅館の社長 軽視発言15回…同業者は風評被害懸念

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福岡県の老舗旅館で、大浴場の湯の入れ替えを年2回しか行わず、基準値の3700倍のレジオネラ菌が検出されました。会見した社長は、「菌は大したことがない」という趣旨の発言を繰り返しました。
■塩素注入も行わず「においが体質に合わず嫌い」
大丸別荘・山田真社長:「レジオネラは、大した菌じゃないという先入観がありましたので。レジオネラに対して、危険性を全く認識していなかった」
先月28日、謝罪会見を開いた「大丸別荘」の山田社長。繰り返したのは、レジオネラ属菌を軽視する発言でした。
創業1865年、福岡県筑紫野市の老舗旅館・大丸別荘は、県が条例で「週に1回以上」と義務付けている完全な湯の入れ替えを「年に2回」しか行っていませんでした。
山田社長:「代表者としての私自身の法律の認識が甘く、レジオネラ属菌はどこにでもある一般細菌という安易な考えで。また、大浴場は掛け流しなので、かなりお湯が入れ替わっているから大丈夫と考えておりました」
消毒用の塩素注入も、きちんと行われていませんでしたが、県の調査には虚偽の報告をしていたといいます。
山田社長:「塩素を注入しなかったのは、塩素のにおいが自分の体質に合わず、嫌いだったという身勝手な理由」
少なくとも2019年の12月以降続いていたというずさんな管理の結果、去年8月と11月に保健所が行った検査では、最大で基準値の3700倍ものレジオネラ属菌が検出されたのです。
■同業者も驚き「考えられず」…風評被害を懸念
一方で、多くの温浴施設では、レジオネラ属菌を出さないために清潔な環境を保つ努力をしています。
70年以上の歴史を誇る、東京・上野の銭湯「寿湯」。レジオネラ属菌対策として毎日、営業前に3時間かけて入念な清掃を行うといいます。
寿湯オーナー・長沼亮三さん:「普通に毎日(お湯を)抜いて、それでしっかりお風呂の中をきれいにして。さらに、手の届かないところをブラシとかを使って、長いブラシとかを使って、きれいにしたり。月一回とか、薬品使って配管を清掃してます」
今回の大丸別荘の管理体制については、驚くとともに、風評被害を懸念しています。
長沼さん:「洗わないっていうのが、特にびっくりしましたね。年2回は、ちょっとあり得ないなって。そんなお風呂にお客さん入れてるなんて、考えられないですね」「(Q.こういうことがあると、イメージが悪くなったり?)きょうもお客さんに、うちのスタッフが聞かれたみたいで。清掃のこととかを聞かれたみたいで。(風評被害は)ちょっと困りますよね。しっかり清掃してる姿をどんどん発信していきたい」

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