長野市長、改めて公園廃止表明 借地延長「断念せざるを得ない」

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近隣住民からの子どもの声に対する苦情などから長野市が市内の公園「青木島遊園地」の廃止を決めた問題で、存続を求める市民の声を受け、再検討していた荻原健司市長は1日の市議会で改めて公園廃止の方針を明らかにした。公園は借地で所有者が新たな土地利用を計画しており、賃借の継続が困難になったと説明した。
長野市長、公園廃止取り消しに含み「存続の声大きい」 初の説明会 荻原市長は公園問題についての代表質問に答え、「関係者と調整を重ねてきたが、これ以上借りることは断念せざるを得ない」と表明。公園を廃止し、4月中に所有者に土地を返還するとした。市は今後、公園に隣接する学童施設の活動場所を児童の通う青木島小学校に移し、遊具の設置など整備を進めるという。また、迎えの車の駐車スペースも確保していく。

問題は、一部住民が子供の遊ぶ声や迎えの車の音に苦情を訴えたことから始まった。市は廃止理由に、清掃をする地域住民の担い手がいないことなども挙げ、遊具や立ち木を撤去したうえで3月末で廃止し、土地を所有者に返還する方針だった。 この方針を22年3月に伝えられた土地所有者は活用方法の検討を進めてきたという。荻原市長は取材に対し、問題の発覚した22年12月の時点で「所有者側に(今後の)計画があると聞いていた」という。その状況下で23年2月中旬に初めて住民説明会を開くなど存続を求める住民の声を聞いたが、結論は廃止で変わらなかった。 荻原市長は「地域の皆様の話を聞く中で、存続に向けて対策を取れないかと取り組んできた。期待に応えられず心苦しい」とした。その上で「『問題が顕在化する前に地域住民と話し合いができなかったのか』など反省しないとならない」と述べた。 市議会を傍聴した公園近くに住む20代と30代の女性住民は、これまで廃止理由になかった「土地所有者の意向」が出てきたことに「地主に責任をなすりつけている」と反応。市は住民説明会を開くなどし、「地元区長会からの廃止要望」「民有地で借地料がかかる」などの廃止理由を挙げてきたが、住民たちは「後付けで理由を出してきて、無駄に時間を使わせたのでは。市の対応には不信感しかない」と話した。【鈴木英世】
荻原市長は公園問題についての代表質問に答え、「関係者と調整を重ねてきたが、これ以上借りることは断念せざるを得ない」と表明。公園を廃止し、4月中に所有者に土地を返還するとした。市は今後、公園に隣接する学童施設の活動場所を児童の通う青木島小学校に移し、遊具の設置など整備を進めるという。また、迎えの車の駐車スペースも確保していく。
問題は、一部住民が子供の遊ぶ声や迎えの車の音に苦情を訴えたことから始まった。市は廃止理由に、清掃をする地域住民の担い手がいないことなども挙げ、遊具や立ち木を撤去したうえで3月末で廃止し、土地を所有者に返還する方針だった。
この方針を22年3月に伝えられた土地所有者は活用方法の検討を進めてきたという。荻原市長は取材に対し、問題の発覚した22年12月の時点で「所有者側に(今後の)計画があると聞いていた」という。その状況下で23年2月中旬に初めて住民説明会を開くなど存続を求める住民の声を聞いたが、結論は廃止で変わらなかった。
荻原市長は「地域の皆様の話を聞く中で、存続に向けて対策を取れないかと取り組んできた。期待に応えられず心苦しい」とした。その上で「『問題が顕在化する前に地域住民と話し合いができなかったのか』など反省しないとならない」と述べた。
市議会を傍聴した公園近くに住む20代と30代の女性住民は、これまで廃止理由になかった「土地所有者の意向」が出てきたことに「地主に責任をなすりつけている」と反応。市は住民説明会を開くなどし、「地元区長会からの廃止要望」「民有地で借地料がかかる」などの廃止理由を挙げてきたが、住民たちは「後付けで理由を出してきて、無駄に時間を使わせたのでは。市の対応には不信感しかない」と話した。【鈴木英世】

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