地裁判決に「娘を否定された」 両親、障害理由の減額に涙

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判決後の記者会見で涙をぬぐう井出安優香さんの父努さん=27日午後、大阪市
「悔しい」「娘を否定された」―。聴覚障害があった井出安優香さん=当時(11)=が死亡した事故で、大阪地裁は27日、全労働者の賃金平均の85%を基に逸失利益を算出した。聴覚障害があることで減額された15%に、両親や弁護団は憤り、肩を落とした。
判決後の記者会見で父努さん(50)は「娘の11年間の努力を認めてほしかった。悔しい」と憤り、「なんでそこまで娘のことを否定されないといけないのか」と涙をこぼした。母さつ美さん(51)も「障害を持って生まれたからこそ、何倍も(家族で)努力してきた」と声を振り絞った。
この日の法廷には努さんは安優香さんの補聴器を胸ポケットに入れ、さつ美さんは笑顔で敬礼する遺影を持って臨んだ。努さんは目を閉じて判決を聞いたが、請求額に満たない金額が言い渡されると、深くうつむき、首をかしげた。

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