バカッターに代わる名称はないのか。大手回転ずしチェーン「スシロー」が迷惑行為の被害に遭った件で退学者まで出たという。“すしテロ”を皮切りにいくつもの迷惑動画が発掘されて騒動となっているが、最近の動画は主にTikTok(ティックトック)とインスタグラムで投稿されたものばかり。かつてツイッターの投稿が社会問題になったが、今は舞台を移している。
スシローの店内で湯飲みをなめ回したり、レーンを流れるすしにつばをつけたりした“ナメナメ少年”の動画がネット上で拡散されたのは1月末のこと。8日配信の「NEWSポストセブン」は、この少年は通っていた学校を自主退学したと報じた。
少年が通っていたとされる学校の教頭は自主退学したかについて「本校としては個人のことに関わる事柄にはコメントできません。今のお話にも肯定も否定もできません。(迷惑行為を行ったのが)本校の生徒かというのもお伝えすることができません」と話した。
一連の騒動のきっかけとなったナメナメ少年が動画一つで退学に追い込まれた可能性がある一方で、それ以降も迷惑動画がいくつも炎上している。同じスシローでは調味料を勝手にブレンドする若い女性を写した動画が拡散。これはティックトックに投稿されていた。また、愛媛県では線路に向かって若い男性が大きめのプラスチック棒を投げ込む動画がやはりティックトックに投稿された。JR四国が被害届の提出を検討する事態となっている。
“北九州のソウルフード”とされるうどんチェーン「資(すけ)さんうどん」で、無料提供されている卓上の天かすを男性が共用のスプーンを使ってほおばる動画もティックトックにアップされた。
きっかけとなったナメナメ少年の動画はインフルエンサーのツイッターで拡散したが、オリジナルはインスタグラムだったとされている。
若者のSNS事情に詳しいIT関係者は「最近の若者はツイッターよりもインスタやティックトックを使っています。若者に話を聞くと、親からツイッターを使わないように言われているというのです。ツイッターにはバカッターのイメージもあるし、犯罪に使われているという報道も多く、印象が良くないからだそうです」と明かした。
「バカッター」とは、2013年ごろに飲食店やコンビニで撮影した不衛生な画像や動画がツイッターに投稿されて炎上するケースが相次いだ際に生まれた言葉だ。コンビニでアイスの冷凍庫に寝そべったり、そば店のバイト従業員が食洗機に入ったりして批判が集まったことを覚えている人も多いだろう。
今やツイッターを舞台にしたバカッターは減り、インスタやティックトックが主戦場となっているのだが、その状況を表すふさわしい名称がない。ネットでは「そろそろ名称変更しないと」「バカッターに代わるワード生まれるんかね」「新しい言葉を作ってほしい」と新名称を望む声が続々と上がっている。
すでに「バカグラム」「バカトック」などが使われているが浸透してはいない。前出IT関係者は「バカッターと呼ばれたことで不謹慎な行為を投稿する人が減ったという側面もあったと思います。『こういうことするのはダサいよね』という風潮を名称で作れると効果がありそうです」と指摘した。
妙案があればハメを外す若者も減るかもしれない。