静岡送迎バス園児死亡 理事長、曖昧な説明に終始 確認不備認める

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で園児の河本千奈ちゃん(3)が送迎バスに取り残され熱射病で死亡した事件で、園と運営する学校法人「榛原(はいばら)学園」が7日、5日の事故発生後初めて記者会見を開き、「安全管理がしっかりできていなかった」と降車や欠席の確認などで不備を認めた。バスを運転していた増田立義園長兼理事長(73)は引責辞任の意向を表明したが、ミスが重なった理由と背景は曖昧な説明に終始した。
理事長「名簿照合せず、車内確認もしなかった」 黒いネクタイとスーツ姿で園内の会見場に入った増田理事長。冒頭、「亡くなられた園児及びご遺族に心よりおわび申し上げます」と謝罪し、5秒ほど頭を下げた。その上で、安全管理が不徹底だった原因の究明に努める考えを示した。 園側によると、5日朝、バスの添乗員は千奈ちゃんら園児6人がバスに乗車したと認識していた。だが園に着いた際は降車人数を確認せず、通園管理に使っていたタブレット端末のアプリにも千奈ちゃんを「登園」と入力した。添乗員も、増田理事長も、目視による車内点検を実施せず、千奈ちゃんが車内に取り残されていることに気づかなかった。また、千奈ちゃんが登園していないのをクラス担任は認識したが、園に連絡なく欠席する家庭があるため、千奈ちゃんが休んだと見なして保護者側に問い合わせなかったという。 5日朝は本来の運転手が休み、臨時の運転手3人の都合もつかず、増田理事長が急きょ運転を代行した。降車確認をしなかった理由について「いつもは運転しないため、不慣れだった」と釈明。数カ月前にも代行運転をしていたというが、その際に降車確認したかどうかは「記憶がない」といい、これまでに送迎バスを運転した回数も「(数が多いので)分からない」と述べた。報道陣から詳細な説明を求められると、増田理事長は「申し訳ない」と繰り返すなど、曖昧な受け答えが多かった。 同席した杉本智子副園長(58)によると、千奈ちゃんは人なつっこい性格で、歌や絵が大好きだった。園で習った「おつかいありさん」などの童謡を、自宅でもよく歌っていたという。バスの車内からは空になった千奈ちゃんの水筒が見つかっており、増田理事長は「本当に苦しい思いをさせて申し訳なかったと今は感じている」と述べた。【深野麟之介、皆川真仁】
黒いネクタイとスーツ姿で園内の会見場に入った増田理事長。冒頭、「亡くなられた園児及びご遺族に心よりおわび申し上げます」と謝罪し、5秒ほど頭を下げた。その上で、安全管理が不徹底だった原因の究明に努める考えを示した。
園側によると、5日朝、バスの添乗員は千奈ちゃんら園児6人がバスに乗車したと認識していた。だが園に着いた際は降車人数を確認せず、通園管理に使っていたタブレット端末のアプリにも千奈ちゃんを「登園」と入力した。添乗員も、増田理事長も、目視による車内点検を実施せず、千奈ちゃんが車内に取り残されていることに気づかなかった。また、千奈ちゃんが登園していないのをクラス担任は認識したが、園に連絡なく欠席する家庭があるため、千奈ちゃんが休んだと見なして保護者側に問い合わせなかったという。
5日朝は本来の運転手が休み、臨時の運転手3人の都合もつかず、増田理事長が急きょ運転を代行した。降車確認をしなかった理由について「いつもは運転しないため、不慣れだった」と釈明。数カ月前にも代行運転をしていたというが、その際に降車確認したかどうかは「記憶がない」といい、これまでに送迎バスを運転した回数も「(数が多いので)分からない」と述べた。報道陣から詳細な説明を求められると、増田理事長は「申し訳ない」と繰り返すなど、曖昧な受け答えが多かった。
同席した杉本智子副園長(58)によると、千奈ちゃんは人なつっこい性格で、歌や絵が大好きだった。園で習った「おつかいありさん」などの童謡を、自宅でもよく歌っていたという。バスの車内からは空になった千奈ちゃんの水筒が見つかっており、増田理事長は「本当に苦しい思いをさせて申し訳なかったと今は感じている」と述べた。【深野麟之介、皆川真仁】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。