元アイドル田中聖被告 “異例”の保釈劇 「薬物治療」条件だった 裁判官メンツ潰され”厳刑”必至か

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薬物事件で執行猶予付きの有罪判決を受けた直後に、再び、覚せい剤事件で逮捕・起訴された元アイドルの田中聖被告(36)。舌の根の乾かぬうちの”犯行”に、保釈請求は却下されるとみられていたが、なんと、先月25日、保釈が認められたのだ。その後の取材で、「薬物治療のための入院」を条件とした、”異例”の保釈許可だったことが分かった。
元アイドルの田中聖被告(36)は、今月2日正午ごろ、勾留されていた千葉県警柏署から、およそ2カ月ぶりに保釈された。黒いスーツに黒いネクタイの田中被告は、無言で、深々と頭を下げたが、謝罪の言葉はなく、そのまま迎えの車に乗り込んだ。
田中被告は、6月29日、千葉県柏市の柏駅で覚醒剤を所持していたところを現行犯逮捕された。パトロール中の警察官に対して、目をそらすなど不審な態度をとったことから、職務質問を受け、所持品検査の結果、覚醒剤が見つかったという。
さらに、尿鑑定の結果、覚醒剤の陽性反応が出たため、覚醒剤使用の疑いで再逮捕された。千葉地検松戸支部は、7月29日までに、田中被告を、覚醒剤所持・使用の罪で起訴していた。柏市内には、田中被告の実家があるという。
捜査段階では、千葉県警柏署の調べに対して、田中被告は、「自分で使うために持っていた」などと事実関係を認めていた他、覚醒剤を使っていた動機については、「将来の不安を紛らわせるためだった」などと話していたとされる。
田中被告をめぐっては、今年1月、名古屋市内のホテルで覚醒剤を所持した他、翌2月に、別のホテルで覚せい剤を使用、危険ドラッグを所持した罪で起訴。6月20日、名古屋地裁で、懲役1年8カ月・執行猶予3年の判決を受けたばかりだった。
法廷で「二度とこんなことがないよう、自分を見つめ直す」と更生を誓った田中被告だったが、判決からわずか9日後に、また薬物事件で逮捕されたことになる。まさに「舌の根の乾かぬうち」の犯行。さすがに、千葉地裁松戸支部は、保釈を認めないだろうとみられていた。
実際、起訴された後、田中被告側は、2回、保釈を請求した。しかし、ことごとく棄却された。そうこうするうちに、初公判の期日も指定された。「これは、被告人質問が終わるまでは、保釈は認められないだろう」。記者は、そう確信していた。
ところが、田中被告側が、先月24日、3回目の保釈請求を試みたところ、なんと、翌25日、松戸支部が、保釈を認める決定をしたのだ。保釈保証金は、覚せい剤所持・300万円、使用・300万円の合わせて600万円。
名古屋事件の保釈保証金は300万円で、その2倍にのぼるが、払えない金額ではないだろう。それより、裁判官のメンツが潰されたのに、なぜ、保釈が認められたのか?実は、その後の取材で、田中被告側が、「薬物治療のための入院」を条件として提示していたことが分かった。
田中被告側は、「早く薬物治療に臨みたいので、早く保釈を認めてほしい」などと申し立てたのだろう。保釈後の制限住居についても、治療先の病院を指定したという。田中被告を受け入れるのは、薬物治療に定評があり、過去の事件でも、有名人が入院したことで知られる千葉県内の病院とみられている。
要は、田中被告側が”本気度”を見せ、松戸支部に保釈を認めさせた形だ。名古屋事件の裁判では、田中被告の父親が情状証人として出廷。更生に向けてサポートすることを明らかにしていた。しかし、今度は、もう、その手は使えない。
今後、裁判が始まれば、弁護側は、”薬物治療”に取り組んでいることをアピールして、少しでも”軽い”量刑を勝ち取りたい考えだろう。ただ、実刑は免れることはできまい。懲役2年前後か、それ以上か・・・。顔にドロを塗られた裁判官の判断は、いかに。裁判は、今月22日から始まる。

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