海女さん激減で大ピンチ 最高齢は88歳 三重で5年ぶり調査

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

三重県の鳥羽市立海の博物館と三重大海女研究センターは、2022年秋に実施した鳥羽、志摩両市の海女人数の調査結果を公表した。前回調査の17年比で146人減の514人に落ち込んだ。内訳は鳥羽市は同57人減の373人、志摩市は同89人減の141人で、磯焼けが進む志摩市での減少が目立った。
これは人?「ナスカの地上絵」新たに168点発見 調査は5年ぶり。22年9~12月、鳥羽磯部と三重外湾の両漁協・23支所の協力を得た。海女の大半は60、70代。最高齢は鳥羽市は相差地区の88歳、志摩市は片田の87歳。最年少は、鳥羽市が菅島の26歳、志摩市は安乗の34歳だった。

志摩市の熊野灘に面した磯では、海藻が消失する磯焼けが進行しているため、17年調査比で10人以上の減少が船越、片田、布施田、和具の4地区でみられた。和具では26人減り、20人と顕著だった。鳥羽市で10人以上減少したのは、答志島・和具浦、国崎、相差の3地区。最も多くの海女がいるとされる相差は、28人減の72人。 志摩市では、アワビの漁獲高が大幅に減少したため「漁期の夏場ではあるが、漁を止めよう」「アワビがいないため出漁を止める日を決めた」などの声があった。ナマコや海藻類も同様の声が寄せられた。対策として少なくない地区が、アワビの稚貝放流や藻場の再生事業、海藻を食べてしまうウニの駆除を実施していた。 一方、男海士(あま)は両市で28人増え、307人だった。 両市に全国の海女の半数が暮らすとされる。調査結果について海の博物館は「海女の高齢化が進み、10年、20年後に果たして海女がいるのかさえ危ぶまれる状況だ。海女文化を残すため早急な漁場環境の回復と、海女の所得向上に向けた手立ての実施が求められる」と話している。【林一茂】
調査は5年ぶり。22年9~12月、鳥羽磯部と三重外湾の両漁協・23支所の協力を得た。海女の大半は60、70代。最高齢は鳥羽市は相差地区の88歳、志摩市は片田の87歳。最年少は、鳥羽市が菅島の26歳、志摩市は安乗の34歳だった。
志摩市の熊野灘に面した磯では、海藻が消失する磯焼けが進行しているため、17年調査比で10人以上の減少が船越、片田、布施田、和具の4地区でみられた。和具では26人減り、20人と顕著だった。鳥羽市で10人以上減少したのは、答志島・和具浦、国崎、相差の3地区。最も多くの海女がいるとされる相差は、28人減の72人。
志摩市では、アワビの漁獲高が大幅に減少したため「漁期の夏場ではあるが、漁を止めよう」「アワビがいないため出漁を止める日を決めた」などの声があった。ナマコや海藻類も同様の声が寄せられた。対策として少なくない地区が、アワビの稚貝放流や藻場の再生事業、海藻を食べてしまうウニの駆除を実施していた。
一方、男海士(あま)は両市で28人増え、307人だった。
両市に全国の海女の半数が暮らすとされる。調査結果について海の博物館は「海女の高齢化が進み、10年、20年後に果たして海女がいるのかさえ危ぶまれる状況だ。海女文化を残すため早急な漁場環境の回復と、海女の所得向上に向けた手立ての実施が求められる」と話している。【林一茂】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。