父殺害、元医師が無罪主張=ALS嘱託殺人でも起訴―京都地裁

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難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者への嘱託殺人罪などで起訴された元医師が2011年、父親を殺害したとされる事件で、殺人罪に問われた山本直樹被告(45)の裁判員裁判の初公判が12日、京都地裁(川上宏裁判長)であった。
山本被告は「父を殺害したということはない」と述べ、起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張した。判決は2月7日の予定。
当時、事件性がないと判断され、父親の遺体は司法解剖されないまま火葬された。裁判では検察側が積み上げた状況証拠をどう評価するかが焦点となる。
検察側は冒頭陳述で、山本被告は母淳子被告(78)とメールを介し、山本被告の父靖さん=当時(77)=殺害について「事前に計画を練り上げた」と指摘。医師大久保愉一被告(44)と共謀して殺害し、遺骨は山本被告がアフリカに渡って埋めたと述べた。
弁護側は淳子被告が計画中止を提案したと主張。山本被告は殺害をやめるつもりだったが、大久保被告が独断で実行したと反論した。
検察側は山本被告らがやりとりしたメールの内容を示し、同被告が「(父親は)生きてる価値がない」などと記していたことを明らかにした。
起訴状によると、山本被告は11年3月5日、淳子被告、大久保被告と共謀し、東京都内のアパート一室などで靖さんを何らかの方法で殺害したとされる。淳子被告の初公判は2月13日に予定されている。
山本被告はALS患者=同(51)=の依頼を受け、薬物を投与して殺害したほか、別の難病患者の診断書を偽造したとして、大久保被告と共に嘱託殺人と有印公文書偽造の罪でも起訴された。京都地裁は昨年9月、山本被告の父親への殺人罪について分離を決定。嘱託殺人罪に関しては公判前整理手続きが続いている。

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