衆院定数削減 党利党略の妥協で決める話か

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国会議員は主権者の国民が立法府に送り込む代表である。
議員定数の削減は、国民の声を国政に届ける道を狭めることにほかならない。
自民党と日本維新の会、国民民主党の3党が、衆院比例選の定数を31削減することを柱とした選挙制度改革案をまとめた。
国民民主以外の野党は反対しているが、自民、維新を含めた3党で衆参両院の過半数を占め、関連法案は成立する公算が大きい。
衆院議員定数の31削減は、過去最大の削減幅となる。にもかかわらず、定数削減がなぜ必要なのか、なぜ31議席減なのか、説得力ある説明は聞こえてこない。
3党は、日本人の人口が2015年と比べて30年には6・7%減少すると推計されているため、議員も同じ比率で削減するという理屈だと説明している。
与党は45議席削減する法案を既に提出しているが、国民民主が人口減少に応じた削減幅とするよう求めたことを受け入れた。
だが、現在の定数465は、人口が7000万人余だった終戦直後の定数とほぼ同じだ。人口変動に合わせれば現在の定数は700超でないといけなくなる。
定数の1割に当たる45議席を減らすという当初案も含めて、「定数削減ありき」で後付けの理屈を持ち出したとしか思えない。
日本の人口当たりの国会議員数は欧州主要国より少ない。本来なら定数増を検討するのが筋だ。
これまで定数削減に反対してきた国民民主が、唐突に賛成へ転じたことは理解に苦しむ。
国民民主は、人口減少により比例選四国ブロックの定数が減って中小政党が議席を得にくくなるため、中国ブロックと統合するなど、野党側に配慮した案も与党に受け入れさせて妥協したという。
「身を切る改革」をアピールしたい与党と、独自案の実現という成果を上げたい国民民主の思惑が一致したのだろう。民主主義の根幹である選挙制度と議員定数を、一部の党の党利党略による駆け引きで決めるなど許されない。
改革案は、近く衆院に設置する有識者の第三者機関で1年かけて議論し、小選挙区制の見直しを含めた抜本改革の結論が出るまでの、つなぎの対策だという。
そうであれば、賛否が分かれる定数削減を今、強行することに政治的な体力を費やすのは無意味ではないか。議員定数はどのような水準が望ましいのか、選挙制度の在り方を含め、有識者機関の議論に委ねるべきだ。

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