「ださい」「邪魔くさい」「主婦とかは抵抗が」自転車ヘルメット着用4月から「努力義務」へ シニア向けデザインも【大阪発】

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2023年4月からヘルメット着用が努力義務となる。新しいルールは普及するのか、課題を探った。
街中を走る、自転車に乗った人々。今後はヘルメットを着けた姿へと変化していくのか。
50代:ねー、習慣がないので…。でもそうですね、必要なんでしょうねとは思います
20代:電動(自転車)なので車道走るの怖いなって。むしろそっちの方が安全かな
70代:50ccの原付(バイク)でヘルメットがいるようになったときも、邪魔くさいなって思ったぐらいだから。下駄代わりやったからね。だから自転車にヘルメットってちょっと大層かな
2023年4月から、自転車に乗る全ての人に対し、ヘルメット着用の「努力義務」が課される。罰則こそないが、法律には「ヘルメットをかぶるよう努めなければならない」と定められている。
警察庁によると、自転車に乗っているときの事故で死亡した人のうち、6割が頭に致命傷を負っていた。また、ヘルメットを着用していなかった人の致死率は、着用していた人に比べておよそ2.2倍というデータもある。
しかし、これまで大人のヘルメットの着用は自由だっただけに、街の人からは「様子見」の声が…。
街の人は:ちょっとださいかなって…。髪が崩れちゃうかな。努力義務の間はちょっと様子を見るかもしれませんね
街の人は:中学くらいまでやったら分かるんですけど、大人というか主婦の人とかは抵抗というか…まあうん…。ちょっと荷物増えますしね、周りを見て決めます。走っている人どうかな~って
ヘルメットの着用を啓発してきた自転車ヘルメット委員会によると、現在の着用率は全国平均で11パーセント程度。関西圏では平均を下回っているということだ。
大阪府警本部 自転車対策室 西森貴志室長:やはり「かぶってください」だけではなかなかご理解は得られないと思いますので。「ヘルメットを着用することによって、致死率がこれだけ変わるんだよ」というふうに、具体的にその必要性についてご理解いただいた上で訴えていきたい
大阪府警も着用を勧める自転車用のヘルメット。どのようなものなのか、販売店を訪ねました。
サイクルヒーロー 森崎玲 プロジェクトマネージャー:こちらヘルメットのコーナーです。頭を守るものなので大体5000円ぐらいから、競技用とか高いものでしたら、2~3万円からありますね
大阪を中心に展開するサイクルヒーローでは、現在、10種類ほどの自転車用ヘルメットを取り扱っている。ヘルメットといっても、それぞれ特徴があるようで…
サイクルヒーロー 森崎玲 プロジェクトマネージャー:バイクとかのヘルメットとの一番の違いは、めちゃめちゃ軽いことです。やっぱり自転車ってこぐので体が動くと思うんですね、だからずれたりしないように、こういう調節ネジでしっかり調節できて合わせられるので、いろんな方の頭にフィットしやすい
バイクなどのヘルメットと違い、自転車用ヘルメットは体を動かすことを前提としているため、とても軽量で通気性も重視されている。4月の法改正を前に問い合わせも増えていて、こちらのお店ではラインナップも強化する予定だという。
サイクルヒーロー 森崎玲 プロジェクトマネージャー:カジュアルな感じのヘルメットっていうのがありまして。シニアの方だったり女性の方がより使っていただきやすい商品として、こちらの方を取り入れようと思っています。1人1人の意識づけっていうところで、私たち一つ一つのお声掛けから地域のお客様に広がっていって、そういう流れでみなさんに使っていただけるのではないかなと思っています
免許が要らず、誰でも気軽に乗れる自転車。より安全に乗るために新しいルールが始まる。
ヘルメットの大切さを学ぶ取り組みとして全国の警察で行われているのが、豆腐を使った実験だ。スタジオで再現してみた。
豆腐と水をビニール袋に入れたものを頭の高さから落とすと、豆腐は崩れてしまう。しかし、豆腐と水を入れたビニール袋をヘルメットに入れると、同じ高さから落としても、豆腐の形がほとんどそのまま残るという結果になった。
ヘルメットを選ぶ際は、頭にぴったり合うサイズを選んでほしい。大きすぎると弾みで落ちてしまうこともある。小さすぎると締め付けで痛みを感じたりすることがある。実際にかぶってみることが大切だ。
さらに、安全基準をクリアしたものを選ぶようにしたい。安全性を認証した「SGマーク」などが目安となる。日本で作られたものには「SGマーク」が、海外から輸入されたものには、それぞれの国の認証マークが入っているということだ。
関西テレビの神崎デスクは、将来的な罰則付きの義務化の可能性もあると指摘する。
関西テレビ 神崎デスク:安全だから付けた方がいいんですけど、バイクにしても、自由だったときはヘルメット着用が進まなかったんです。罰則付きで義務化すれば進みましたし、車のシートベルトもそうですよね。罰則が付くと着けるようになるので、努力義務で様子を見ながら、普及率が低いと、後々には罰則を付けてということになると思います
(関西テレビ「報道ランナー」2022年12月22日放送)

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