揺れる福岡県議会において、“県議会のドン”蔵内前議長が25日に議員辞職したことを受け、最大会派の自民党県議団が緊急の議員総会を開きました。今後、県民の信頼を回復することができるのでしょうか。
【蔵内前議長のメッセージ】「今はもう少し時間がほしい」 26日に行われた緊急の議員総会
高柳光希キャスター:福岡県議会について、▼蔵内氏がなぜ権力を持ったのかという福岡県議会の体質▼金銭授受や高額な海外視察など疑惑の真相解明という主に2つのポイントについてみていきます。
まずは蔵内前議長の経歴です。
蔵内勇夫前議長は現在72歳、1987年に33歳で初当選して以降、当選回数は10回です。▼「県議会」の議長を2回▼「全国都道府県議会議長会」の会長も務めました。
他にも、▼世界獣医師会▼自民党県議団▼自民党福岡県連など会長職も歴任し、まさに“福岡県議会のドン”と言われています。
当選10回の大ベテランで、県連会長を10年以上続けるというのは、どのような状況なのでしょうか。
RKB毎日放送報道部福岡県政担当 野島裕輝記者:他の自治体では、一般的には国会議員が県連の会長を務めることが多いですが、福岡県議会では県議会議員である蔵内氏が長く会長を務め、力を持ってきた現状があります。
高柳キャスター:そこまで権力を持つと、議員も逆らえない側面もあるのでしょうか。
RKB毎日放送報道部 野島裕輝記者:蔵内氏が圧倒的な力を持っていたがために、意見を言うことができない現状もあったと思われます。
井上貴博キャスター:蔵内氏本人は「第三者委員会の調査には協力する」と話していますが、あくまでも第三者委員会の調査に強制力はないので、どうしても「蔵内氏が逃げた」という印象が強く残ってしまいます。野島記者は、前職が福岡県庁の職員だということですが、職員だから見えていた福岡県議会のあり方や感じるところがあれば教えてください。
RKB毎日放送報道部 野島裕輝記者:他の県議会を取材したこともありますが、私が福岡県庁の職員だった時、「議会の持つ力は大きい」という印象はありました。その中でも、蔵内氏がまとめていた自民党県議団の力は大きかった印象があります。
元外交官 島根玲子さん:議会と行政は本来、緊張関係にあるべきだと思いますが、議会で「イエス」しか言えないという力の強さは、健全ではないと思います。
高柳キャスター:蔵内議長(当時)をめぐっては、こういったこともありました。
8月17日、蔵内議長(当時)の辞職勧告決議案の採決が中止になった際、採決の取り止めを提案する「緊急動議」を提出したのが、蔵内氏の元秘書・林泰輔県議でした。
野島記者は、この議場にいたということですが、どのような雰囲気だったのでしょうか。
RKB毎日放送報道部 野島裕輝記者:かなり重々しい雰囲気で、「緊急動議」が出た時に、硬い表情で賛成した自民党県議団の議員もいました。その後、取材したところ、当時の緊急動議には「党議拘束」があったそうで、いわゆる自民党の方針に逆らうと処分の可能性もあるというものです。そういったものがかけられていて、嫌々ながら、賛成したくないなかで、立って賛成している議員もいたという状況だと思います。
井上キャスター:一般的な感覚では、次の選挙で自分が投票してもらえるかどうかを考えると、党議拘束があっても立たないという判断もできたと思いますが、それほどの強さがあったということでしょうか。
RKB毎日放送報道部 野島裕輝記者:非常に難しいところですが、2027年春に統一地方選挙、県議会議員選挙が控えています。「県民からどう見られるのか」という複雑な思いで、立たざるを得なかったという議員は一定数いると思います。
高柳キャスター:福岡県議会の中でも信頼回復が急がれています。
【福岡県議会“疑惑”の解明は?】・約2800万円正副議長ポストめぐる「金銭授受疑惑」・3年間で25回約2億8000万円「高額な海外視察」・3億5000万円のモニュメントなど「ワンヘルス政策の妥当性」など
こうした疑惑が今後、解明されていくのかが焦点となってきます。
井上キャスター:現状では、蔵内氏が「黒」とされている気がしていますが、蔵内氏の個人の問題だけではなく、その状況を作り上げた議会のシステムがあると思います。以前から、国会以上に地方議会の方がお金の透明性が低いと言われてきました。それがずっと放置されてきたからこそ、今回の福岡県議会のような問題が起きたのだと思います。他もどうなのかを見ていく必要がありますし、仕組みやルールをもう一度しっかり考え直さなければいけないのではないでしょうか。
元外交官 島根玲子さん:国のことになると国民の皆さんも見ていると思いますが、地方自治の面にも有権者の目は光らせないといけないと思います。
RKB毎日放送報道部 野島裕輝記者:これらの疑惑には税金が使われていますが、高額な海外視察については、多額の費用とその報告書を公表してこなかったという不透明なやり方に批判が高まっています。その中心にいたのが蔵内氏で、この高額な海外視察については、第三者委員会がこれから立ち、調査が進められます。疑惑についてはまだ解明されていない状況です。
高柳キャスター:今後について蔵内氏は25日、「後日福岡でゆっくり報告を行いたい」述べています。
井上キャスター:第三者委員会のメンバーがどのように選定され、どのような調査が行われるのか、県議会全体の“本気度”が問われることになります。
========<プロフィール>野島裕輝RKB毎日放送報道部福岡県政担当前職は福岡県庁職員島根玲子さん元外交官高校で2度の留年・中退を経験2011年外務省入省中南米やアジアとの外交に携わる