17日、衆院内閣委員会において、共産党の塩川鉄也議員が「国家情報会議」設置法案について質問した。
【映像】「委員長に詰め寄り抗議」の瞬間(実際の様子)
塩川議員は「(高市)総理は、本法案の本会議質疑の答弁で『各省庁が行う情報活動は所管の大臣のもと適切に行われている』と述べておられましたが、実際には、過去何度も違法な活動が行われてまいりました」と指摘。
塩川議員は、陸上自衛隊のイラク派遣に反対した市民の活動を自衛隊の情報保全隊が「監視し、情報収集して、市民のプライバシー権を侵害し、表現の自由を侵害する人権侵害が問われ、仙台高裁において違法の判決が行われた」として「政府として、プライバシーの侵害が認定された原告当事者に対して謝罪はされたのでしょうか?」と質問。
これに高市総理は「司法による判断を厳粛に受け止めて、情報保全隊が防衛省自衛隊の所掌事務、任務の範囲内で関係法令に従って適切な方法で情報収集などに努めるよう改めて徹底してきていると承知しております。このプライバシー侵害が認定された原告1名に対しては、司法の判断を尊重し、すでに賠償金10万円の支払いを完了したと承知しております」と回答。
塩川議員は「賠償金は払いましたと。であれば、謝罪もされたのでしょうか?」と再度聞いた。
ここから事態は目まぐるしく動いた。
まず、木原稔官房長官が挙手し、それを確認した塩川議員は不満を訴え、同時に野党理事である中道改革連合の後藤祐一議員が立ち上がる。山下貴司委員長は「事実関係ですから」と木原官房長官を指名。立ち上がった後藤議員は山下委員長に詰め寄って「5分しかないのに」と抗議した。
高市総理出席の質疑において、塩川議員には5分間が割り当てられていた。
「簡潔に」と山下委員長に指定された木原官房長官は「司法判断を尊重して、賠償金をお支払いしております。情報保全隊が防衛省の所掌事務あるいは任務の範囲内で関係法令に則った適正な方法で情報収集を行うように徹底しております」と総理と同じ答弁を繰り返し、謝罪したかどうか答えなかった。時間稼ぎともとれるこの答弁に、「答えてない」「ひどい」などヤジが飛んだ。
塩川議員は「この時間ですから」と残り時間を気にして再答弁は求めず、「そもそもこのように違法と断定されたにもかかわらず謝罪をしていないんですよ。こういう姿勢で今このような法案の審議が行われているところであります。謝罪がない、だから反省もない。違法な活動に謝罪も反省もないまま、今回の法案では、自衛隊をはじめ、内閣と情報機関との連携強化・一体化を推進するものとなっており、市民監視・人権侵害の拡大につながるものと言わなければなりません。このイラク戦争に関わっては、日本政府はこのイラク戦争における大量破壊兵器の保有という情報が誤っていたことを認めていないという問題もあります。情報の誤りを認めず、アメリカに説明も求めない、こんなことでは、今後、間違った情報で始めたアメリカの戦争に対して、アメリカの情報を鵜呑みにしたままその戦争を支持するようなことになるのではありませんか?」と迫った。
高市総理は「国家情報局を設置したいというのは、今までよりも高度に、効率的に情報を幅広く収集するということ、この重要性がありますからこそこの法律案を提出しているわけでございます。正確な情報がなければ正確な政策判断もできません。しっかりとした手続きをもって情報収集活動、正確にしてもらう、そういう組織にするべくしっかりと対応してまいります」と答えた。
塩川議員は「『正確な情報』と言いますけれども、情報が間違っていたと。イラク戦争における大量破壊兵器はなかったということについて、日本政府はそのことを認めていないんですよ。そういうことで、どうして、まさに正しい情報云々、正確な情報云々ということはそもそも言えるのか。こういった間違った情報に基づいてアメリカの戦争を支持する、そういう点で言えば、違法な人権侵害の市民監視の活動に反省も謝罪もないに加えて、イラン戦争のようなアメリカの無法な戦争に付き従って、自衛隊の海外派遣など日米一体の戦争国家づくりに反対する市民を監視し、人権侵害を拡大することになる情報機関の強化を図る今回の法案には断固反対であり、廃案をすべきだということ申し上げて、質問を終わります」と述べた。
(ABEMA NEWS)