【溝口 敦】「床屋でチップとして100万円渡す」「神聖な本家事務所で女性と3P」…幹部に甘やかされた”ヤクザの親分”たちの放蕩

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かつて20万人もの構成員を擁した暴力団。
覚せい剤の輸入や賭博、みかじめ料の徴収で莫大な収益を上げ、1980年代の年間収入は推計8兆円に達したと言われる。だが平成に入って以降、暴対法の制定や警察の行き過ぎた捜査、メディアによる批判的な報道が原因となり、暴力団は衰退の一途をたどってきた。
では、暴力団が社会から消えていくことは、我々一般国民にとって「良いこと」だけなのだろうか?しばし「必要悪」として語られてきた“やくざ”の実態を、『やくざは本当に「必要悪」だったのか』より一部抜粋・再編集してお届けする。
【前編を読む】「食えない」にもかかわらず親分に無料で奉仕…“ヤクザの末端組員”の実態
なぜこういうことが起きるかといえば、やくざが広域化しすぎたからである。
たとえば地方都市の小さな組に所属している組員、つまり若衆(子分)がいるとして、その親分がこのたび山健組の傘下に入りたいと願って、山健組系の親分を選んだとする。と、地方都市の組に所属する子分にとっても、神戸山口組の井上邦雄組長は雲の上の大親分になる。
なぜなら神戸山口組の井上組長は今でも何人か山健組系列を率いているからだ。
依然として地方都市に住む子分は神戸山口組傘下の山健組系列の組員と自分を認識できたとしても、親分である井上邦雄組長については詳しい情報を持っていない。第一、井上組長を親分に選んだのは子分ではなく、直接の親分だからだ。
直接盃を受けた親分が山健組系列を選び、それにつれて子分も山健組系列になっただけの話である。
子分は分裂抗争で負けたも同然の井上組長や神戸山口組などどうでもいい。こうなれば、いっそのこと、少しはましと見える6代目山口組傘下に遷りたい。しかし、それを決めるのは親分であって、子分ではないのだ。
親分ばかりか組が組ごと移動し、組員もそれに連れて系列が移動する。こういう情況で子分が命を託せる親分を選ぶことなどできるはずがない。顔を合わせたこともないし、言葉を交わしたこともない。ブラインドデートよりさらにひどく、男が男に惚れようがない。だから盃が破綻し、空洞化していても何も不思議はないのだ。
もう親分-子分関係は破棄するしかない。広域暴力団が分裂し、衰退・消滅するのは当然のことである。
しかし、なぜ暴力団の首脳たちは破綻寸前の今まで、暴力団の運営を放置したのか。改善しなかったのか。
一つに、前にも触れたが、幹部たちの親分への甘やかしがある。親分を立てる、親分を世間に通用する大物に仕立て上げることで、自分たちも組も世間に通用する大看板をものにできる。こういう考えは封建的な主従関係に発するというより、広告宣伝やPRの考えに近い。
人づてに聞いた話で真偽は不明だが、稲川会の稲川聖城・初代総裁は理髪店で散髪し、理容師に100万円のチップを渡した。お付きの者がさすがに呆れ、「それはやり過ぎです」とでも言ったのだろう。と、稲川総裁は「多く払えばそれだけ世間の評判になる。そのほうが得ではないか」と答えたという。
リーズナブルな支払いでなく、みすみす損をする支払額でも、評判になれば元が取れるという考えを示している。これを許し、甘やかしてきたのは幹部たちである。乱費するカネの出所は元を糺せば、末端の若い者たちが子供に修学旅行を諦めさせて捻出したものかもしれない。
自分のどこにこれほどの乱費を許す権限を与えられているのかと首領が考え及べば、そんな権利は自分には一切ないとわかるはずだ。自分だけがいまだにバブル景気を謳歌し、酒池肉林に溺れることを不思議とも思わないのは一種の痴呆である。子分たちの生活苦など頭にもないのは想像力の欠如を物語っている。
山口組の司組長は2026年現在、84歳とのことだが、文字通り「死ぬまでセックス」を実践しているフシがある。
10年ほど前、山口組から神戸山口組が分裂したとき、その総本部長・正木年男から直接聞いたことがある。正木は6代目山口組で若頭補佐、本家室長を経験した大幹部といってよく、山口組本家で司組長や山若頭を身近に見てきた。
「(司組長は)『ちんちんが立たんかったら男やない。立たん奴は(直系組長を)引退せなあかん』と言い放ち、EDが疑われる高齢の直系組長たちを非情にも人員整理して、今の人員減を招いたといえる。
司さんは『英雄、色を好む』をモットーにして、最近、山口組本家でつぶやいた言葉として伝わるのは『京都の芸者に1000万円くれてやった』である。
また山口組本家に女性2人を連れ込み、3Pをやったとも広言していた。神聖であるべき本家をなんと心得ているのか、私自身、呆然とした」
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