ポケモンセンター殺害、女性店員に十数か所の刺し傷…死亡の男は昨年ストーカー容疑で逮捕も受診拒否

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東京・池袋の商業施設サンシャインシティ内の「ポケモンセンターメガトウキョー」で女性店員が男に刺殺された事件で、女性には首を中心に十数か所の刺し傷があったことが捜査関係者への取材でわかった。
男は女性の元交際相手で、関係解消後の昨年12月、女性へのストーカー規制法違反容疑で逮捕されていた。
警視庁は27日、女性が東京都八王子市元本郷町、アルバイトの春川萌衣さん(21)、男は住所、職業不詳の広川大起容疑者(26)と明らかにした。
発表によると、広川容疑者は26日夜、店内で春川さんの首や腕などを刺して殺害した疑い。自分の首も切り、搬送先で死亡した。
捜査関係者によると、現場で見つかった刃物には柄の部分などにタオルがまかれており、刺した際に滑らないよう準備した可能性があるという。
警視庁によると、2人は2023年12月頃、アルバイト先のファストフード店で知り合い、24年10月頃に交際を始めた。
昨年7月頃に関係が解消されると、広川容疑者のつきまとい行為が始まった。12月25日には、春川さんの自宅玄関に「今夜中に連絡をください。助けてください」というメッセージを添えてポケモンカードが置かれ、春川さんは同日、八王子署に相談した。自宅の最寄り駅から自宅周辺までつきまとわれることが頻繁にあったと訴えたという。
署はこの日、広川容疑者を同法違反容疑で逮捕。この際には、車内から果物ナイフが見つかった。今年1月には、昨年8月に春川さんを盗撮した容疑で再逮捕した。
広川容疑者は1月29日、同法に基づく禁止命令を受けた。その際「もう近づきません」と述べ、翌日、同法違反などの罪で略式起訴され、釈放されていた。
警視庁は昨年12月以降、春川さんに計9回接触。禁止命令後、広川容疑者が春川さんの自宅や職場に押しかけた状況は確認されなかった。警視庁は春川さんに職場の変更も助言したが、春川さんはポケモンセンターで働くのが夢で、仕事を続けたという。
同級生の女性(21)によると、春川さんは小学生の頃からポケモンが好きだった。中学時代には毎日一緒に登校し、よく勉強を教えてもらった。約1週間前、バスの車内で母親と談笑する姿を見かけたといい「声をかければよかった」と声を振り絞った。
警察では2024年から、ストーカー規制法に基づく禁止命令を受けた加害者全員に連絡を取り、必要に応じてカウンセリングや治療を受けるよう促している。広川容疑者も受診を勧められたが、拒否していた。
同様のケースは多く、昨年は禁止命令が過去最多の3037件に上る一方、治療などにつながったのは233人にとどまった。ストーカー対策に詳しい拓殖大の守山正名誉教授(犯罪学)は「『悪いのは相手で自分ではない』と考える加害者が多く、治療に抵抗する場合も少なくない」と指摘。米国の一部の州やカナダなど、海外では裁判所が治療やカウンセリング受講の命令を出す国もあり、「国が治療や受診を義務づけることも検討するべきだ」と話す。

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